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5 魔物使い

 ここで暮らすようになってから10日。身体能力がどれだけ上がったか気になり、検査機を使う。少し上昇、そして次に向いているクラスが判明、現在ギルド長と相談中。


「魔物使いか。なかなかレアなクラスだなステータスが低かったのはこのせいかな?」

「ほぉ」

「魔物使いなら俺よりも詳しい人がいる。そちらにお願いするとしよう。街外れに住んでいる「魔物博士」ことボジージョさんだ」


 言われた場所へ向かう。ここか。しかし普通の一軒家。魔物を飼っていたりする様子はないな。動物園のような場所を想像していたが。魔物は他の場所とか? 色々疑問が浮かんだがとりあえず会ってみることに。


「はじめまして、ジンハーギルド長の紹介で参りましたダノンです」

「おお、魔物使い志望者か。ささ、入って」


 白髪に口もとを覆うひげ、貴族風の服装の老紳士。椅子に座って早速説明を。

 魔物を仲間にする方法は2つ。ある程度戦い、こちらの強さを見せつけ契約する方法。魔物と出会ったとき、一定の確率でこちらと気が合い仲間になる場合。どちらもかなり確率が低くく、一生1人きりの魔物使いも珍しくないとか。


 確率を上げる補助アイテムも一応ある。魔酔粉。これを自分の体にかけて戦うと仲間になりやすい。とんでもなく高価なものだがはっきり言ってあまり効果はない。黒い粉が入った小袋を貰う。


 仲間となった魔物は、特殊なアイテム「魔物繭」の中に収容できる。大きさ的には鶏の卵くらい、上部に花弁状の開口部がある。


 ボジージョさんが自分が所有している魔物の繭を見せてくれた。そうか、それで魔物がどこにもいなかったわけか。非常に便利なアイテムだ。魔物ならどんなに大きくても収容できる。科学では説明できそうにない。魔法凄い。あ、これも持ち帰ろっかな。


 それから契約の仕方、解除の仕方を習う。契約数には上限があり、最大で10体までとのこと。基本的に滅多に仲間にならないから片っ端から仲間にしたほうが良いとアドバイスを貰う。


「こんなところかな。わからないことがあったら聞きに来なさい」


 挨拶をして家から出る。外はもう夕刻。その日は仕事はせずのんびりとお酒飲んだ後眠る。


 数日後、採集の依頼を受け草原をさまよっていると、ブルーファングが怪我をして横たわっているのを発見。傷から見て仲間割れかな。苦しそうだ。このまま放っておいても魔物か冒険者の餌食だろう、とどめを刺して解体するか。が、ここで目があってしまう。むぐ、俺に助けてと訴えかけているようだ。


 おいおいダノンよ。コイツを回復しても襲いかかってくるだけだろ。ポーションの無駄だ。

 そう思ったが妙に彼のことが気にかかる。もしかして気が合うってこれのことなのか。ええい、ままよ! 彼にポーションを与える。するとみるみる傷口は塞がり動けるようにまで回復。剣と盾を構える、来るか?


「クゥーン」


 ゆっくりと近づきスネあたりを鼻先でこすり始めた。これは! 焦る心を制して契約の準備をする。魔物繭を彼に近づけ契約を。


「汝、我が友となるか?」

「ガウ」


 魔物繭からコルク栓が抜けたような音が聞こえ契約完了。これで一緒に戦闘、繭への出し入れが可能となった。


「これからよろしくな。そうだ、名前が欲しいか。わかりやすいところで「ブルー」でどうだ?」

「ガウガウ!」


 機嫌が良さそうに尻尾を振るブルー。気に入ってくれたようだな。初仲間か、嬉しいものだ。ブルーファング。その名の通りサーベルタイガーのような立派な牙……。あれ? 牙は普通だ。雄雌両方立派な牙だったような。ちょっとブルーファングと違う気がする。


 まあいいか。多少の個体差は存在するだろう。そうか、もしかしたら牙がしょぼくて追い出されたとか。何にせよ俺が大事にするから!


 翌日。依頼を受け、街から出る。出てからブルーを繭から出す。今日は採集作業、一緒に行動を。草原を歩いていると魔物が現れた。そうだ、ブルーの実力を見てみよう、魔物をブルーに任せる。すぐに手助けできるように準備をする俺。ブルーファングと同じくらいの強さの魔物だ。苦戦するだろう、と予想。


 が、瞬殺。喉に噛みつき一噛みで終了。運が良かったのかな、戦いは時の運というし。しばらく採集作業をしているとまた魔物が。ああ、今度はブルーファングより強い魔物だ。一緒に戦おうぜ!


 が、瞬殺。あれ、強いな。やっぱりブルーファングじゃ……。

 まあいいか!

次回投稿は27日です。

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