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俺の高校の人魚 7
翌日
走太は昨日の余韻に浸りながら高校に来た。
教室に入るといつもより人が集まっていた。中には泣いている人もいた。
気になった走太は1人のクラスメイトに聞いてみた。
そのクラスメイトから聞いたある一言は走太に衝撃をもたらした。
「風切 大輔が死んだ」
走太は頭の中が真っ白になった。
風切は走太が昨日海に行った時 風切も別の海に行っていた。
そこで海で溺れていた少年を助けるために海に飛び込んだ。少年は助かったが風切が死んでしまった。
走太は信じたくなかった。自分が目標にしていた人がまだ一度も勝てていないのに自分の前から姿を消して二度と戻ってこないなんて。
もう勝負することは叶わない。
その日の夜 走太は風切のお通夜に出席した。
走太は風切の遺影の前で今までのことを思い出していた。付き合いは長くはないが良きライバルだった。
走太は遺影の前で思わず叫んでしまった。
「人を助けてもお前が死んじまったら意味ねぇだろ!
戻ってきてくれよ大輔!おれはお前とまた勝負したいんだよ。頼むよ。うわぁぁぁぁぁ」
走太の声だけが広い部屋に鳴り響いていた。




