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俺の高校の人魚 4
結果は惨敗だ。
走太の思っていたよりもかなりの実力差だった。
「まぁ初日よりは速くなってたな。でもまだ俺には勝てねえよ ははは。 奢りの件は無しだ。また勝負しような。」
風切には勝てなかった走太だったが清々しい気分だった。風切に勝つという目先の目標が出来たからだ。
部活が終わり部員が帰る中走太はひたすら泳ぎ続けていた。もっと速くなりたい その一心で。
そんな走太を止める人物がいた。
速水だ。速水は走太に
「ほどほどにしとかないと いざという時にダメになるわよ」
と助言した。
でも走太は辞めなかった。風切に勝つには風切よりも何倍の練習しないと勝てない。
呆れた速水はプールサイドを去る
「バカね。でもそういうところ嫌いじゃないかも。」
速水は少し嬉しそうだった。
自主練を続ける走太。次の日が他校との練習試合ということは完全に忘れていたのだ。
そして翌日
走太は足がつって溺れてしまった。
保健室で目を覚ました走太。目の前には速水が座っていた。




