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【完結】ドラグニカ ~剣と契り~【1stシーズン】  作者: 三城谷
第13章【藤堂亜理紗VS藍原桐華②】
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第百四十六話「ガールズバトルⅩ」

 メアリーの話から、彼女がヘリを追った方角はこちらで合っている。

合っていると思うのだが、どうも様子がおかしい。どう様子がおかしいかというと……。


 「……(あいつ、この警備の中を通って行ったのか?)」


 視界に映る景色の中でも、軽く十体は越えている。

その容姿は全て、藤堂亜理紗と瓜二つの見た目をしている。

だがしかし見た目だけで、その行動と表情がとても無機質だ。


 「…………(さて、これからどうするか。このまま突破しても構わないが、全く同じ姿でその辺をウロチョロされても困るしな。ついでに日頃の鬱憤を晴らして置くか。あいつには世話になってるし、野蛮人とも言われてるしな……よし、このぐらいで良いか)」


 そんな事を思いながら、黒い大剣を刀へと形を変えて具現化させる。

カチャリカチャリと両手の中で交互に持ち替えて、軽く振るったり重さを確認する。

やがて納得したように口角を上げて、彼女たちの事を見据えて口を開くのである。


 「んじゃ、ぶっ壊すか。ここは俺だけで十分だな――」


 その一言だけ呟き、俺は一人で黒い刀を持って彼女たちの中心へと降り立つのだった。

彼女たちの中心へと飛び込んだ俺は、薙ぎ払うように一閃を放って空気と共に斬り裂いた。


 「所詮、ガラクタはガラクタか。似ても似つかない玩具に用は無ぇ……失せろ」

 

 藤堂亜理紗と同じ姿をしていても、その実力には天と地ほどの差を感じる。

それは相手をしている俺にとって、そして姿を真似されている彼女にとっても侮辱だ。

粉々にスクラップしたとしても、俺の気が晴れる事はあまり期待出来ないだろう。


 『敵、排除。侵入者、一名……』

 『これより排除行動に移ります』

 「人の話を聞かない時点で、まぁ……こちとら不愉快だな」

 

 振り下ろした剣は彼女たちを真っ二つにし、周囲に廃棄物のように積み上がっている。

燃えないゴミの山を作った気分になり、尚且つそれが微かに動くのだから始末が悪い。

正直に言えば……不気味である。


 「早く電源を落とせ。ゴキブリじゃねぇんだから、そんな無駄な生命力を発揮するな」

 『……し、侵入者……は、排除……そ、それが……めい、れい……』


 ビリビリと電磁波が流れ、徐々にショートしていく彼女たち。

それでも動いている様子を見ていたら、昔の記憶が頭の中を過ぎった。

それに嫌気が差した俺は、小さく呟いて剣を彼女へ突き刺すのだった――。


 「お前らに恨みは無ぇ。だが俺が出来るのは、壊すだけなんだよ。……悪いな」

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