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【完結】ドラグニカ ~剣と契り~【1stシーズン】  作者: 三城谷
第10章【電撃姫と名付けられた少女】
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第百八話「藤堂家のお嬢様Ⅲ」

 「――トライデントッ、貫きなさい!」

 「オルトロス、ケルベロス……行くよ」


 亜理紗が槍を出現させ、電磁波を纏って構えを取った。

同じく銃を出現させて、亜理紗と対峙する形で桐華も構えを取っていた。

最終日にして、ようやく合宿らしい自主訓練が行われていたのである。


 「今日こそ、一本取ってみせますわ」

 「成績だけじゃ、あたしには勝てないよ」

 「序列では私の方が上。成績も実力も勝っていると思いますがっ」

 「序列なんてただの飾り。それを今日も教えてあげる」


 槍を振り回しながら距離を詰める亜理紗に対し、桐華は防戦しながら銃を撃っている。

どちらも模造刀やゴム弾を利用していないので、両者共に当たれば大怪我をする恐れがある。

基本的には空手と同様、寸止めを基準としているのだが……。


 「あれ、寸止めする必要が無いだろ。というか、意味を持たないだろ」

 「安心して下さい。あの二人はお互いの手の内を知っていますし、ある程度の本気でやっています。そうしなければ、訓練にならないので」

 「そうは言っても、弾丸がこっちまで飛んでくるんだが?」


 そうなのだ。流れ弾や電撃がたまに飛んでくる。

訓練している彼女たちに怪我は無いが、周囲に影響を及ぼすのはアウトな気がする。

だがそれ以上に驚いたのが、メイドである彼女がそれを打ち払っている。


 「えっと、メアリーってメイドだよね?」

 「……のはずだけどな。メイドロボにしては、龍紋で放たれた技を弾くとか厄介だな」

 『このぐらい容易な事です。お嬢様の身を安全にする為、旦那様が施した機能の一つです』

 「「過保護過ぎ」」


 未央と零が同時にそう言い、目の前で行われている景色を眺める。

並んで立っているように見えるが、零は少し未央の前になるように立っている。

その立ち位置を横目で見ていた咲は、目を細めて零に気付かれないよう近付くのだった。


 「――そういえば亜理紗、あの招待状はどうするの?」

 「……っ!?訓練に関係の無い話題を持ってくるなんて、趣味が悪いですわね」

 「こうやって訓練中に聞かないと、亜理紗は誰にも言わないでしょ」

 「これは私の問題です。他の方に迷惑を掛ける訳にはいきませんわ」

 「ふうん……じゃあこうしよう」

 「っ!?(速いっ。接近戦に持ち込む気ですか?!)」

 

 銃を使っている桐華は前に身を乗り出し、躊躇する事無く亜理紗の間合いへと入る。

槍術に対して、持ち手の範囲に入られれば半歩だけ下がる癖が生じていた。

それを軸に亜理紗は反撃したが、槍の持ち手を掴み桐華はさらに懐へと入り込んだ。

そして……。

 

 「――あたしが勝ったら、一つだけ質問に答えてもらうから」

 「…………」


 そう言いながら桐華は、亜理紗の事を足払いして体勢を崩させた。

そして、倒れた亜理紗の顔に銃を向けて馬乗りになったのであった――。


 「チェックメイト。あたしの勝ちだね、亜理紗」

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