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【完結】ドラグニカ ~剣と契り~【1stシーズン】  作者: 三城谷
第1章【序列第5位、藍原桐華】
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第十話「銃使いのドラグニカⅢ」

『霧原零』という人間のデータは、この学園の中で最も少ないといえるだろう。

通常では体格などのプロフィールや能力値の公開が、電子手帳によって行われている。

非公開にする方法もあるにしても、彼のデータだけは日が浅い所為もあってか情報が少ない。

あるのは、名前などの簡単なプロフィールのみ。

だからとは言わないが、これからの時間を使って彼のデータを集める必要性があるのだ。


 「測定機?」

 「そう。あむあむ……それで貴方の能力値を割り出すの。戦闘訓練にもなって意外と便利なの。簡単に言うならあの場所は、精神と時の――」

 「ストップです。分かったのでもうそこから先は言っちゃダメです!」

 「……あむ。そうなの?じゃあ使い方の説明に入るね?」

 「それは良いんですけど、せめて食べるのを止めてからにしてくれませんかね?」


 さっきから気になってはいたけれど、この人は買ったばかりのお菓子をもう開けている。

しかも既に数個は完食……。彼女の胃袋は底なしなのだろうか。


 「それで、ここが測定する為の場所。『第3体育館』――さぁ、入って?」

 「…………」


 そんなくだらない事を考えていたら、いつの間にか目的地に着いたらしい。

二次元的作品に出てくるような機械の扉は、堅くて重い背の高い壁のようだ。

電気も点いていないから、その雰囲気にラスボス感を纏っている。

俺はゆっくりと躊躇いがちに中へと入り、足を進ませていく。


 「えっと、ここで測定するんですよね?暗すぎません?」

 「…………(そろそろ、かな)」


 闇というのは、どうやら不安を誘うらしい。

不安に煽られながら出た声の所為か、声の張り方を間違えてしまった。

潜めるようにした結果、返事が返ってくるはずもない。

そう思った瞬間、闇の中で動く影を見つける。

彼女だと思った俺は、それに近寄ろうとした時……俺は悟ったのだった。


 「……避けないと、危ないよ?」

 「――っっ!?」


 闇の中で咄嗟の回避行動を取った瞬間、向けられたそれは火花を散らした。

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