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【完結】ドラグニカ ~剣と契り~【1stシーズン】  作者: 三城谷
序章【龍紋を刻まれし者】
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プロローグ

――重い。怖い。


そう頭の中で回転し、体の(ふる)えが抑えられない。

一度考えてしまった事は、フラッシュバックでトラウマと共に(よみがえ)る。

頭では分かっていても、身体がそれに追い着いていない。

未完成でしかない自分が、ずっと(むな)しくて情けない。


『グォォォォォ――!!』


ノイズ混じりのその声は、自分の身体の奥から絡みつくような恐怖感を与える。

トラウマがトラウマを呼び、やがてその身体は動かなくなる。


――はぁ、はぁ、はぁ……。


視界が(かす)んで、手も足も、全てが震えていた。

闇に墜ちていき、真っ暗な世界へと引っ張られていくのだ。

何度も、何度も、何度も……。

赤い記憶は脳裏を侵食(しんしょく)し、絶望という名の傷を心に負わせる。

でも逃げる事は出来なくなっている。

それは何故か、理由は簡単なのだ。

自分の中にあるその化け物の血が、(うごめ)いて、(うず)いて、(かわ)くのだ。

でも、立ち上がらなければならない。


「……俺は、お前らが嫌いだ……」


声に出して、そう呟く。


『グォォォォォ――!!』


その化け物は、一つの街を燃やし続ける。

地を這い、炎の撒き散らして、この世界を崩壊(ほうかい)へと誘う元凶(げんきょう)

少年は石を投げる。ひたすら、こちらを向くまで。

その場所が爆発するまで、崩壊するまで石を投げ続けた。

そして少年は、霧原(きりはら)(れい)はその爆発の影響を受けたのだった――。

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― 新着の感想 ―
[一言] 前からこの作品は知っていたけどどうしても銃皇無尽のファフニール感がして読んで来なかったけど1話読んで見たら最高に面白くて絶賛読んでなかったこと後悔中です!
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