1-4.
前話あらすじ
避難所へ向かう途中で六花のクラス担任の桜井がゴブリンに追われているのを彰弘達は見つける。
それを撃退した彰弘達は避難所へと足を進めた。
彰弘と六花、そして桜井の三人は半年ほど前に避難所として指定された小学校の校庭を歩いていた。
その小学校は校門を通り前へ五十メートルほど進むと校舎へとたどり着く。校門と相対する形で建つその校舎は横に広い4階建ての建物だ。向かって左半分は前へと少しでており、逆に右半分は奥へと少し引っ込んでいる。この校舎を上空から見ると二つの長方形を横にし、それぞれを前と奥に半分ずらし結合させた形をしている。尚、昇降口や教員の出入り口などは建物の左側部分校門側にある。
小学校の敷地は石材でできた壁とフェンスによって囲まれている。校門がある一辺は、高さ三メートルほどの壁が校門から左右に延びており、敷地の端で直角に曲がっている。曲がった後も数メートルは同じ高さの壁が続くが、途中から金属製のフェンスへと変わっている。このフェンスは高さが二階建ての家屋と同程度の高さがあり、校舎裏にある裏門のところまで続いてる。
校庭にはサッカーゴールやバスケットボールのゴール、鉄棒や砂場がある。端の方には物置などの建物が複数見える。いくつかはまだ新しいようで汚れた感じはしない。
体育館やプールが見当たらないのは敷地の都合で少し離れたところにあるからだ。とはいってもそれほど離れているわけではない。裏門を抜け、小学校の敷地に隣接した駐車場内の歩道を進むと、いくばくもしない内に昨年建て替えられたばかりの新しい体育館と、同時期に補修され綺麗になったプールが見えてくる。若干不便なところにある2つの施設だが、広く綺麗なこの二つの施設は児童達には人気があった。
彰弘達三人が校庭の半ばまで進んだところで、閉められていた昇降口の扉の一つが開き、校舎の中から二人の男が出てきた。片方は白髪まじりの髪を後ろに撫で付けた髪型をし、ワイシャツにスラックスという格好をしている。もう片方はサイドを刈り上げ頭頂部を短く整えた髪型で服装は上下共にジャージだ。
校舎から出てきた男二人は、周囲を確認するように辺りを見回してから彰弘達へと視線を向けた。
誰が出てきたのかと、その場で足を止めた彰弘達は昇降口を見つめた。
目を細めて昇降口を見ていた桜井がほっとしたように声を出す。
「あれは、鷲塚教頭と山田先生ね」
そう言い桜井は止めていた足を動かした。
彰弘は確認のため、隣を歩いていた六花へと声をかける。
「六花?」
「はい。桜井せんせーの言うとおり、教頭せんせーと隣のクラスの山田せんせーです。わたし達も行きましょう、彰弘さん」
六花が言葉と同時に歩き始め、彰弘もそれに続き前を行く二人の後を追った。
彰弘達が昇降口の前に到着すると、白髪まじりの男が声をかけてきた。
「皆さん、まずは校舎の中に入ってください」
そして、そんな言葉と共に昇降口の前から身体をどかした。
同じ様に昇降口前に立っていた短髪の男も同じタイミングで身体をどかし道を空けた。
それを見た彰弘達は校舎の中へと足を進める。
3人が校舎の中に入ると、白髪まじりの男がそれに続き、最後に短髪の男が扉を閉めながら校舎へと入った。
彰弘達が入った場所は、児童が使う下駄箱が並んでいる最も左側の位置だった。壁を挟んださらに左には教職員用の出入り口がある。正面の壁には告知などが貼られた掲示板があった。
白髪まじりの男は、短髪の男が扉へと鍵を掛け終えるのを確認してから口を開いた。
「まずはご無事で何よりです。和泉さんに桜井先生。そしてあなたも」
外で何が起こったのか心当たりがあるのだろう、白髪まじりの男は三人が無事なのを心底喜び、その顔をほころばせた。
初対面であるだろう彰弘に対してもそう思っているようで、それがこの白髪まじりの男の人の良さを表していた。
白髪まじりの男が再び声を出す。
「さっそく他の避難している方達のいる所へと行きましょうか。と、失礼しました。自己紹介がまだでしたね。私はここの教頭を務めております、鷲塚と申します」
彰弘に向かい鷲塚そう言うと会釈をした。
山田も鷲塚に続いて「五年二組の担任を務めている山田です」と、良く通る声で言い丁寧に頭を下げた。
鷲塚は細身で気のいいおじさん、一方の山田はその体格もあり中学校以上なら体育教師というような感じだ。
「これはご丁寧に。私は近所に住んでいる榊と申します。」
返礼として彰弘も短く自己紹介を行う。
六花と桜井がその言葉遣いに目を見開く。
彰弘とて一応社会人だ、ある程度その場に合わせた言葉遣いはできる。ただ六花と最初に話をしたときには、その年頃の子供と話した経験がなかったため不自然な感じとなり、桜井とはゴブリンのせいで言葉遣いに気を回す余裕がなかった。ただそれだけのことだ。
彰弘は、どう思われているのかね、と心の中で思いながら目を見開いている二人に気づかない振りをして話を続ける。
「移動するのは構わないのですが、その前に少しよろしいでしょうか」
「お話なら移動した後でも良いかと思いますが、何か問題がありますか?」
彰弘の言葉に鷲塚は疑問を浮かべる。
「一つはたいしたことではないのですが、少々疲れたので一休みしたいということ。残りは問題があるのかないのか解らないからここで確認してしまいたい。というところです」
鷲塚にそう答えた彰弘は「失礼」と続けて言い、下駄箱前の段差へと腰と荷物を下ろした。
アパートの部屋を出てからそれほど時間はたっていないが、慣れない緊張のせいで彰弘は精神的に疲れていた。
ゴブリンと戦闘したときもそうだが、歩いている間も常に緊張感を持続させていた。六花が隣にいたのだ、気を抜く余裕など彰弘にはなかった。それに今までこんな経験をしたことがなかった彰弘だ、他人からはそれほど疲れているように見えなくともその精神は消耗していた。
一つ息を吐き出した彰弘は、横からの視線を感じその方向へと顔を向けた。そこにはいつの間に座ったのか六花がいて、「えへへ〜」と愛らしい笑顔で彰弘を見上げていた。
その笑顔に彰弘は癒される自分を感じ、自然と笑みを返していた。
そんな光景に桜井が冷たいジト目を再発させ、山田は目を見開く。
残った鷲塚は微笑ましそうに顔を綻ばした。
十秒ほどそんな状態が続いたが、おもむろに鷲塚が声を出す。
「ずいぶんと仲がよろしいようですが、二人はお知り合いか何かですか?」
「ん、いや、知り合いをどう捉えるのかで変わってくると思いますが、会ったのは今日がはじめてですよ」
「そうでしたか。まぁ仲が良いのは悪いことではないですからね」
微笑ましさを顔に表している鷲塚に、彰弘は若干の気まずさを感じながらも言葉を返した。
これ以上の気まずさは精神衛生上良くない。桜井のジト目をこれ以上受けるのも、これまた良くない。彰弘は自分の精神を守るため話題の転換を謀った。
「それはそうと、話を先に進めませんか?」
ちょっと無理があったかと思った彰弘だが、鷲塚はそれに乗った。
「そうですね。あまりのんびりしている場合でもないですし。榊さんの話を聞いてしまいましょう。ですが、その前に……」
鷲塚はそこまで言って、彰弘と六花へ向けていた顔を山田と桜井の方へと向ける。
「山田先生、上にいる校長へと問題なかった旨を伝えに行ってください。桜井先生も一緒に上がってください。その後は校長の指示で動いてください」
その言葉に二人の先生は「わかりました」と返事をした。
その後、山田は靴を上履きへと履き替え、左隣にある教職員用の出入り口へと一度姿を消した。桜井はその山田を目で追うも、外履きの靴なためその場にとどまっていた。
山田は少しするとその手に桜井の上履きと来客用のスリッパを持ち戻ってきた。そして彰弘へと「靴はあちらに置いてください」と昇降口脇に並んでいる複数の靴を指差して言い、緑色のスリッパを座っている彰弘の近くに置いた。その後、桜井のもとへ向かいもう一方の手に持っていた上履きを手渡した。
彰弘は感謝の言葉を山田へと返し、座ったまま靴を脱ぎそれへと履き替え、スリッパの裏が汚れないようにと先ほどまで伸ばしていた足を折りたたみ胡座をかいた。
桜井は彰弘が履き替えるのと同じタイミングで上履きへ履き替え、自分の靴を教職員用の下駄箱へと仕舞いに行き、そして戻ってきた。
「和泉さん、あなたも上履きに変えてきなさい。それが終わったら一緒に上に行きますよ」
彰弘の横で座っている六花がまだ上履きへと履き替えていないのを見た桜井がそう声を出す。
「桜井せんせーは先に行っててください。わたしは彰弘さんと一緒に後で行きます」
桜井の言葉に小首を傾げた六花はそう返答した。
「なっ! 和泉さん!?」
予想外の反応だったのか、桜井が驚きの言葉を漏らす。
鷲塚は先ほどから変わらない笑みを浮かべており、山田はなぜか納得顔をしている。
「どうしたんですか? そんなに驚いて」
「どうしたんですか、ではありません! なぜそんなことを言うのです!?」
「まぁまぁ、桜井先生、落ち着いて。言い合いを初めても何にもなりませんよ」
彰弘は余計な口を出すと面倒なことになりそうだと傍観し、山田も間に入らない方が自分のためと思ったのか黙っていた。そんな中、鷲塚が六花と桜井の間に入る。
「とりあえず、桜井先生は山田先生と先に上へと行ってください。榊さんと和泉さんは後ほど私と一緒に上がりますから」
「ですが、教頭!」
「先ほども言いましたが、あまりのんびりとしている場合ではないのですよ。それにあなたの教え子も上に何人かおります。早く行って安心させておあげなさい」
桜井は鷲塚の言葉に渋々と頷いた。
そして山田と二人で上の階へ向かう階段へと歩いて行った。
山田と桜井の姿が見えなくなったところで鷲塚は思案げな表情で溜息をついた。
「あの先生はいつも、あんな感じなんですか?」
何となく鷲塚の表情が気になった彰弘はそう問いかけた。
「いえ、いつもはあんなに声を荒げることはありません。おそらく和泉さんを心配してのことでしょうが……」
鷲塚は一度言葉を区切り、少し考えてから再度口を開いた。
「よく分かりませんが、今の状況が桜井先生をあんなにさせてるのかもしれません。元に戻ってくれればいいのですが」
鷲塚は言い終わるとため息を吐き出した。
「どうも、あの先生以外のことでも、何かあるようですね」
彰弘のその返しに鷲塚は「こんな状況ですからね」と苦笑を浮かべる。
そして謝罪と話題の転換を口に乗せた。
「それはそれとして失礼しました。それでは話をお聞きしましょう。繰り返しになりますが、のんびりしている場合ではなさそうですから」
「まぁ、私のことは気にせずに。あなたが悪いわけではないでしょう? では、話を……」
そこで何となく六花を一瞥した彰弘は、少女がまだスニーカーのままなのを思い出した。
彰弘は鷲塚に少し待ってもらうように言い、六花へと声をかけた。
「六花、とりあえず上履きに履き替えてきな。スニーカーはこの中に入れて一緒に上へ持って行こう」
彰弘はドラムバッグから二つのトートバッグを取り出し、一つには自分の靴を入れ、残ったもう一つを六花へと手渡した。
それを受け取った六花は「うん」と頷いて立ち上がり、自分の下駄箱へと向かった。
「話を聞くと言っておきながら申し訳ありませんが、一つ聞いてもよろしいですか?」
六花が履き替えている最中に鷲塚がそんなことを彰弘に言ってきた。
何のことかと分からなかった彰弘だが「どうぞ」と先を促す。
「先ほど和泉さんにも言っていましたが、榊さんも靴をバッグに入れていました。その理由を聞いても構いませんか?」
ほんの少し前、山田が靴を置く場所を指し示していた。それなのに彰弘は持参してきたバッグに靴を入れていた。
鷲塚からしたら靴を置く場所があるのになぜ袋に入れたのか、それが気になっていた。
「山田先生……でしたっけ? 靴を置く場所を教えてもらった彼には申し訳ないのですが、スリッパでは不安なんですよ」
彰弘の答えに鷲塚は疑問の表情を浮かべる。
そんな鷲塚を見て、彰弘は少し考えた後、言葉を続けた。
「鷲塚教頭はゴブリン……と言ってもわからないかもしれませんが、頭に小さい角のようなものが生えている鉄色の生物を見たことはありますか?」
彰弘からの問いに、少し間をおいて鷲塚は答える。
「いえ、私は見たことはありません。ですが避難してきた方の何人かと、今も屋上から外を見張っている先生達は、その特徴の生物を見たと言っていました。そしてあなたがその生物、ゴブリンと戦っていたということも見張りの先生から聞いています。私が先ほどから、のんびりしている場合ではない、と繰り返しているのもその話を聞いていたからです」
鷲塚の返答を聞いた彰弘は、ある程度危険性は認識しているんだな、と考える。
危機意識がないのなら今の鷲塚のような言葉にはならないだろう。
人は少しでも危険性を認識している場合と、まったく認識していない場合とでは、その対応に雲泥の差ができる。少しでも危険を認識していれば何かしらの対策を立てるものだし、逆に認識していなければ何の対策も立てようとはしない。それは物理的なことだけではなく精神的にもだ。
対ゴブリンでいうなら、防備を固めたり攻撃手段を用意するのが物理的な対策となる。突然襲撃を受けたりした場合にパニックにならないように事前に説明し納得させ、その時に備えさせるのが精神的な対策といえる。
「鷲塚教頭、つまりはそういうことです。ゴブリンみたいな生物がいるんです。いくら建物の中にいるといっても、流石にスリッパでは心許ない。だからです。六花にしても上履きならスリッパよりはマシですが、それでも動くにはスニーカーの方がいいに決まっている」
最後に彰弘は「先生方の上履きは動きやすそうですけどね」と鷲塚のであろう、少し離れたところに置かれたスニーカーを見て言い、顔に笑みをつくった。
「なるほど、確かに心許ないとの言葉には同意します」
皮肉にも取れる彰弘の態度に気分を害した様子も見せずに鷲塚は同意した。
そして何事かを思案した鷲塚は「脱線したままで申し訳ないのですがよろしいでしょうか?」と彰弘に断りを入れてきた。
彰弘がそれに頷くと鷲塚は口を開いた。
「榊さんの話を聞いていると、まるでゴブリンとやらが建物の中に入ってくると言っているように思えるのですが、それについてはどうなのでしょう?」
鷲塚のその質問は脱線とはいえ重要なことに間違いはなかったので、彰弘は自分の考えを口にした。
「可能性としてはあると思いますよ。私が遭遇したゴブリンは全部で四体。六花を襲っていた一体と桜井先生を追っていた三体です。この四体に共通していたことは一つの目標に集中すると周りが見えなくなっていたということです。加えてこの小学校の出入り口は他の学校と一緒で大抵がガラスが多く使われている扉だと思います。全てのガラスが防犯ガラスならばまだしも、そうでないならばいくら鍵を掛けていたとしても、追ってくるゴブリンを防ぐことはできないでしょう」
六花を襲っていた一体は彰弘がすぐ近くでドアを開けたのにも関わらず、彰弘の方を見ることさえしていなかった。
桜井を追いかけていた三体にしても同様だ。こちらにいたっては2体が彰弘に切り裂かれたところで初めて三体目が彰弘のことに気がついた。
ゴブリンと対峙していたときは多少の違和感を感じた程度の彰弘だったが、今になって冷静に考えてみると、一つのものに集中すると周りが見えなくなる、というのがゴブリンの特徴と思えた。
そんなゴブリンがガラスがあるからと襲うのを諦めるとは考えられない。普通のガラスくらいなら破壊してそのまま追ってくる可能性が高かった。
「もっとも、たまたま私が遭遇したゴブリンがそうだっただけなのかもしれませんし、ゴブリンが私に気がついていたことに私自身が気がついていなかっただけかもしれません。ですから断言はできません。ただ、人を目にしたら襲いかかってくるというのは間違いないと思います。まぁ、それにしてもこちらの人数が多い場合でも襲いかかってくるのか、それともこちらの人数が少ないから襲ってくるのか、ということすら解らないのですが」
一気に話し終えた彰弘は鷲塚の反応を伺う。
鷲塚はそんな彰弘へとさらに意見を求めた。
「今、小学校に避難している人達、教職員含めてですが、ゴブリンとまともに対峙したことがあるのはあなただけのはずです。ですから意見をお聞きしたい。我々はどうすべきだと思いますか?」
真剣そのものの顔で聞いてくる鷲塚に、どうしたものかと彰弘は自分の頭に手を置いた。
どれだけの人が避難してきているか解らない。その全部を背負いかねないことになりそうな鷲塚の質問に彰弘は頭を悩ました。
やがて考えがまとまったのか彰弘は口開く。
「意見を言うのはいいですが、判断はそちらでしてください。今のところ六花を守ることで精一杯ですので」
最初に予防線を張った彰弘が続けて自分の考えを述べようとしたときだった。
ふいに、ぎゅっ、と彰弘の背中に六花が抱きついた。
彰弘と鷲塚は話に夢中になっており、六花が上履きに履き替えて戻って来ていたことに気がついていなかった。六花にしても真剣な表情で話をしている二人の邪魔をすまいと静かに待っていた。
そんな六花だったが、彰弘の口から自分を守るという言葉が出て嬉しくて我慢できなくなり彰弘の背中に抱きついていた。
「うぉ!? 六花か驚かすな」
いきなりの背中からの抱擁に彰弘の心臓は早鐘を打つ。非常に心臓に悪い。完全な不意打ちだった。
「はっはっは。少々、話に夢中になりすぎていましたね」
鷲塚は顔を綻ばせながら笑う。
結構笑いごとじゃなかったんだが、と彰弘は鷲塚を睨みつつ嬉しそうな顔で背中へ抱きついている六花へ離れるように言う。
何事もないのならこのまま背中に六花を抱きつかせたままでもいいかと思う彰弘だが、状況が状況だ仕方ない。
彰弘の言葉に残念そうにしながらも六花は素直に背中から離れ彰弘の隣に座ろうとした。
「ああ、六花、座るのはちょっと待った」
彰弘は立ち上がりつつそう言い、床に置いてあった荷物を持ち上げた。
怪訝な顔をする六花と鷲塚。そんな二人に彰弘は声をかける。
「さっきの話の続きをする前に少しだけ場所を移動したいのですがいいですか?」
鷲塚へとそう言い、校舎内を見渡した彰弘は外からは見通せない一角を指差す。そして外を一瞥してから六花を促しその場所へ移動した。
六花は怪訝そうな顔のまま彰弘と一緒に移動し、鷲塚も上履きに履き替え、その後を追った。
本日は会話回で二話連続投稿となっています。