2-14.
前話あらすじ
武器の手入れ方法を聞き忘れていた彰弘は、防具屋へ行くついでに武器屋へも行くことにした。
しかし開店前だったため、暫く少女達と会話をし時間を過ごす。
そんな折に鷲塚と脇谷が現れ、彼らも会話に加わった。
そんなこんなでその場での目的を達した彰弘達は、その後冒険者ギルドで初依頼を受け、それをこなすために避難拠点の外へ出るのであった。
人の気配が感じられない住宅街であったところを寂しさを感じながら抜け、眼前に広がる草原に暫し見とれたりしながら歩くこと一時間。彰弘達五人は目的地と思しき場所へと辿り着いた。
そこは、元地球側の土地と元リルヴァーナ側の土地の境目から東南東に進み緩やかな斜面を登りきり姿を現した森へと向かい少し歩いたところで、ギルド職員に見せてもらった、御前橘に似た植物――エイド草――が疎らにだが生えている場所であった。
「着いたー!」
ナップサックを背負った六花が両手を挙げて嬉しそうに声を上げた。
「さくっと採って、おやつにしよう! いっぱい動いたから、きっといつもよりおいしいはず!」
六花の隣で瑞穂が妙な気合を入れ、それに対して香澄が「もぅ、瑞穂ちゃんたら」と呆れたようにため息をつく。
「確か採取するのは黒色をした葉のみ、でしたよね? 彰弘さん」
エイド草と思われる植物を見ながら、紫苑は確認するようにその採取部位を口に出し、彰弘の反応を待った。
しかし、少し待っても彰弘からの反応がなく、そのことを疑問に思った紫苑は顔を彰弘へと向けた。そして、自分達が歩いてきた方向を見据える彰弘に再度声をかけた。
「彰弘さん、どうかしましたか?」
紫苑からの二度目の呼びかけで、その声に気付いた彰弘は「気のせいか?」と呟き、紫苑と一緒に自分に目を向ける少女達へと向き直った。
「何か誰かに見られているような気がしたんで確認していたんだが……。人影も見えないし、どうも気のせいみたいだ」
その言葉に少女達は彰弘が向いていた方向に目を向けた。
「むー。見渡す限りの草原。遠くに何か壁みたいなのが見えるけど」
今、自分がいる場所から左側を見た瑞穂がそう声を出し、隣で同じ方向を向いていた香澄もそれに頷く。
ちなみに、瑞穂が目にした壁はグラスウェルを囲う防壁である。
「こちらも特にこれといったものはありません」
「遠くにお家が見えるけど、間には何もないよ?」
避難拠点側を見ていた六花と紫苑もそう声を出す。
彰弘は少女達のその反応を見てから、もう一度自分でも辺りを見回したが特に気になるような場所はなかった。そのため、「いつまでも気にしてても仕方ないか」と呟いてから、依頼を優先することを少女達へと伝えた。
ちなみに、目の前に広がるのが草原とはいえ死角となっている場所がないわけではない。しかし、少なくとも彰弘達がいた場所から数十メートルの距離には、その死角さえ存在しなかったのである。だから彰弘はとりあえず問題はないと判断し依頼を先に済ますことを決めたのであった。
彰弘達は見通しのよい場所で車座になっていた。
依頼の目的物の採取が終えたので、瑞穂待望のおやつタイムとなったのである。
「んぐむぐ……んく。にしても彰弘さんが最後だとは思わなかったなー」
おやつとして持ってきたクッキーを飲み込んだ瑞穂は、採取に一番時間がかかった彰弘に向かって素直な感想を口にする。
「そうは言うがな、仕方なくないか?」
瑞穂のその感想が何を根拠に出てきたのか分からない彰弘だったが、とりあえず、自分に注目している少女達に素直に浮かんだ言葉を返した。
エイド草の部位で塗り薬の原料となるのは裏側が黒く変色した葉だ。この変色した葉の裏側には養分の生成過程で作られた副産物が蓄積されており、それが人種の血止めに効果を持っていた。
彰弘の採取完了が最後だった理由は、この葉の裏側にある副産物が関係していた。
エイド草は地中や大気中の魔力を取り込み、それを原料に自らの養分を生成する。その生成過程で出来上がる副産物は、養分とはならなかった魔力の一部をその身に残留させたまま葉の裏側に蓄積していく。そして、その副産物が蓄積され続け、葉の裏側が黒く変色するまでになると魔力感知可能な濃度となるだ。
つまり、熟練と言えるほどの魔法を扱える少女達は魔力を感じ取る力もそれ相応に高く、葉に蓄積した魔力を感じ取ることができた。そのため、少女達は短時間で採取を終えれたのである。
それに比べて彰弘は、まだ魔力を感じ取ることができない。そうなると目的の葉を見つけるためには、葉の裏側を一枚一枚確認するしか方法がない。結果、彰弘は採取に時間がかかってしまったのである。
ちなみに、少女達の中で一番最後に採取を終えたのは瑞穂である。魔法の扱いについては横ばいの四人であったが魔力を感じ取る力には差があったのだ。この力は六花が突出しており、瑞穂が一番低くかった。もっとも、一番低いと言っても熟練した魔法使いの下位程度の力量はあるので、魔法使い全体として考えるならば瑞穂も十分な力量と言える。
なお、紫苑と香澄の二人は同じくらいの力量で六花と瑞穂の中間に位置していた。
「まあ、目標とするものが増えたと考えれば悪いことじゃないな」
今回の採取依頼でその存在感を出した魔力感知について、彰弘はそう言葉に出した。
ただ、魔力感知はできたらいいな程度の認識しか彰弘は持っていなかった。できれば便利なこともあるだろうが、できなくても生活するのには困らないからだ。
それよりも、道具を使わずに小さな火でも出せるようになりたい、と言うのが言葉に出さなかった本音であった。
「たぶん、ちょと練習してコツを掴んだら彰弘さんも魔法が使えて魔力感知もできると思います」
リスのような仕草で両手を使ってクッキーを食べていた六花が、その行動を一度止め、そんなことを言った。
「そうですね。それには私も同意します」
水筒に入れた緑茶を飲んでいた紫苑は、その口元を上品に拭ってから六花に同意する言葉を口にした。
「あたしもそう思うんだよねー」
「わたしもです」
残りの少女二人も六花の意見に同意する。
妙に確信めいた少女達のその言葉に彰弘は何故そう思うのかを尋ねた。
「サティさんが言ってました。なんで彰弘さんくらいの魔力があって、しかも魔力を外に出すこともできるのに基本的な魔法さえ使えないのか不思議だって」
六花のその言葉に治療院でサティに教えられた話を彰弘は思い出した。
火を出す魔法などを使うためには、最低でも三つの要素が必要になる。魔法を使えるだけの保有魔力、必要量の魔力を体外へと出す能力、そして体外へ出した魔力を操作するための能力の三つだ。細かい要素は他にもあるが大きく割合を占めるのは、この三つである。
彰弘に足りないと思われているのは、その内の一つ、体外へ出した魔力を操作する能力であった。
ただ、この操作は基本的な魔法についてはそれほど難しいものではない。というのも単にその現象を想像すれば起こすことができるからだ。例えば、単純に火を出すだけならばライターの火を想像すればいい。その想像は基幹魔力を動かし体外へ出た自分の魔力へと作用し、火を出すという現象を起こす。
しかし、理由は不明だが彰弘の場合はこの過程が機能していないようで、魔法を使える素養は十分にあるはずなのに使うことができないという状態になっているのである。
サティの話を思い出し少し考え込んでいた彰弘だったが、この話は追々解決すべきかなと結論を出した。
少なくてもこの避難拠点の外側で考えることではなく、安全なところで考えればいいことであった。
「魔法に関しては、戻ってから教えてくれ。折角だから俺も使ってみたいしな」
考えから復帰した彰弘のその言葉に、無言で考え込むその様子を見ていた少女達は揃って「はい」と了承の意を伝えたのだった。
◇
四人の男女が草原に掘られた穴の中で話をしていた。
「何か俺達傍から見たら馬鹿じゃないか?」
「文句言わない。これも先輩冒険者の重要な務めだよ」
「それは分かってるんだけどな。なんでこんな穴の中なんだよ」
「貴方がそれを言わないでください。そもそもセイルが迂闊に近づきすぎて彼に気付かれかかったんではないですか。魔法で穴を掘って隠れなければ私達は依頼失敗だったんですからね」
「仕方ないだろ、『カモフラージュ』をお前に使ってもらっていて五十メートルは離れていたんだ。いくらなんでもちょっと前まで普通に生活していたあの人達に気付かれるとは普通思わねぇよ」
「セイルもライも集中する! ミリアを見習いなさい」
「あら、どうやら移動するようですよ。荷物を纏めています」
草原の一角に作った穴の中で会話をしているこの四人は竜の翼だ。
何をしているのかと言うと『初心者初依頼の見守り強制依頼』である。
冒険者ギルドに所属すると年齢身分に関係なく、必ず彰弘達が受けているエイド草の採取依頼を受けることになる。この依頼は通常は常時依頼であり依頼を受けていなくても採取してくればギルドに買い取ってもらえたりするが、ランクGの初心者にはあえて依頼として受けさせ、依頼の流れを実践させていた。要はこれすらできないようでは、実力以前に冒険者としてお話しにならないレベルなのである。
と、こんな理由で子供だったとしても受けさせる依頼ではあるが、エイド草は街の外に出なければ採取できない類の植物であった。そのため、二回目以降はともかくとして、ランクGの成り立て冒険者がこの依頼を受けた際には必ずランクE以上の冒険者が、もし冒険者の都合がつかなければギルド職員がその冒険者を陰ながら見守る制度となっていた。
ミリアの声にセイルはやれやれと穴から這い出そうとして身体を動かした。
そこにまだ穴の中から彰弘達を観察していたミリアの声が再度届いた。
「ライさん、遠見の魔法を」
竜の翼の魔法使いであるライは、ミリアのその言葉に魔法をかけることで答えた。
「剣を抜いてるな。それにあれはゴブリンとそれから逃げてる奴らか?」
穴から出掛かったままの姿勢でセイルが見えた内容を口にした。
セイル率いる竜の翼がいる位置から彰弘達のいる位置まではおよそ百メートル。ゴブリンとそれに追われている人達はさらに先へ百メートルほど行ったところだった。
セイルが動きを止めている間に残りの三人は穴から這い出し、改めて彰弘達を注視した。
「ゴブリンはリーダー個体含めて五体。逃げているのは四人……。あ、アキヒロさんが飛び出しましたね」
這い出た場所から移動せずに、ミリアは彰弘達の様子を見たままに口にする。
その声を聞きながらセイルもやっと先に出ていた三人に並び、再度彰弘達を視界に入れた。
「にしても、何であいつらは逃げて来たんだ? 装備を見る限りあの程度の数のゴブリンくらいは普通にやっつけられそうなんだが」
危なげなくゴブリンを屠っていく彰弘に関心しながら、セイルは頭に疑問を浮かべた。
「良い育ちの坊ちゃん達……という線も考えられるね」
槍を背負ったディアが自身の考えを述べた。
「とりあえずは、まだ様子見ですかね? 念のために、すぐ駆けつけれるように『スピードブースト』を準備しておきます。必要になったら合図してください」
総金属製の短い杖を両手で持ち、ライは詠唱を開始した。
少しの間、セイル達は彰弘達と逃げて来た四人を観察していた。
特に問題はないように見えたが、彰弘達が森を見据えるように動いたことで異変に気が付いた。
「セイルさん!」
ミリアが鋭く叫ぶ。
「ライ! 頼む! ディアはこっちに来る四人を保護しグラスウェルのギルドに報告して待機!」
セイルのその言葉にディアは即座に走り出す。
その直後、ディアを除いた三人に身体強化系魔法の一つである速度強化が効果を及ぼす。
ディアに遅れること一秒。セイル、ミリア、ライの三人は一斉に地を蹴った。
◇
彰弘は少女達の間で、右手に血喰いを、左手に小剣を持ち、いつでも飛び出せるように構えていた。
五体のゴブリンを屠り少女達の下に戻った彰弘は、そこまで逃げて来ていた四人からその理由を聞いていた。その話の最中に森の中から百近いゴブリンが出てきたのだ。
彰弘達へと逃げて来た理由を話していた四人は、そのゴブリンの姿を確認するや否や、会話を放棄し「逃げろ」と一方的に言いその場から逃げ出した。
それを見た彰弘は、まず逃げるという選択を頭に浮かべた。しかし、それはすぐ消えた。
六花が涙を流しながら無言で右の手のひらをゴブリンの群れへと突き出していた。
紫苑も六花のすぐ隣で切れ長の目を刃のように細め同じ格好をしている。
瑞穂と香澄はお互いの手のひらを合わせ相手の手を握り、残った側の手のひらをゴブリンへ向けて突き出していた。
彰弘は悟ったのだ。今、この時が少女達にとって絶対に引いてはいけない時であることを。
無論、命を考えるなら逃げた方がいいに決まっている。いくら相手がゴブリンとはいえ、そして少女達が魔法を使えるようになったとはいえ、まだ多数を相手に連携して戦える状態ではない。
しかし、それでも今は戦うべき時だった。
「お父さんとお母さんの仇じゃないのは分かってる」
「父さんの仇じゃないかもしれない」
「お母さんの仇ではないかもしれない」
「親友の心に傷を負わせた個体とは違うかもしれませんが」
「「「「許せない! 逃げるわけにはいかない! ここで潰す!」」」」
こんな少女達の声が聞こえたのだから。
もう理屈は必要なかった。彰弘が今することは唯一つ。少女達を守るために全力を尽くすだけだった。
森から出てきたゴブリンは何故か一度足を止めた。喚きながらも何かを待つようなそぶりを見せている。
彰弘には丁度良かった。少女達へと声をかける時間ができたからだ。
「六花、紫苑、瑞穂、香澄、やるぞ。だが、今からやろうとしている魔法を放ったら自分達に近づいてくる奴らだけを相手にしろ。危なくなったら逃げるんだ。俺のことは心配するな。後ろから強そうな人が来ているし、大丈夫だ。わかったな?」
少女達は彰弘の言葉に無言で頷いた。
それと同時にゴブリンの群れにも変化があった。森の中から二メートル近い身長を持つゴブリンが現れたのだ。
「なるほど、あれを待っていた訳か……」
独りごちる彰弘の言葉に合わせるように、ゴブリンの群れが動き出した。
「紫苑さん!」
「お任せを!」
六花の呼びかけに紫苑が答えた。そして二人の言葉が同調する。
「「顕現せよ! 炎の力!」」
六花と紫苑の前に拳大の火球が生まれた。
「「転じろ! 全てを焼き喰らう、数多なる火球となれ!」」
瞬間、二人の前に浮かんでいた火球は分裂したようにその数を四十まで増やした。
そして、最後のキーワードが六花と紫苑の口から紡がれた。
「「『フレイムシェル』!」」
少女二人の前に浮かんでいた四十の火球はその言葉を受けて一回り大きくなり輝きをます。そして紅蓮の尾を引きながらゴブリンの集団左側へと次々に突撃していった。
六花と紫苑から放たれた火球は、ゴブリンに直撃するとその身体を四散させ、その後ろのゴブリンにも致命傷といえる傷を負わせた。直撃しなかった火球は地面に激突し無数の炎を周囲に撒き散らす。その飛び散った炎も並の火力ではなかった。一度着衣などに引火すれば、瞬く間に身体全体を覆い尽くす。
ゴブリンの群れの左側は炎の砲弾により、肉が焼ける臭いを放つ火炎の地獄と成り果てた。
ゴブリンが動き出してから一瞬だけ目を閉じた瑞穂は六花と紫苑の声を耳にした。
「香澄、こっちもいくよ」
「うん。瑞穂ちゃん」
手のひらを合わせ、お互いに握りこんだまま少女二人は口を開いた。
「顕現せよ! 風の力!」
「顕現せよ! 氷の力!」
瑞穂の手のひらに渦巻く風が現れ、香澄の手のひらの煌く氷の結晶が現れる。
「転じろ! 全てを斬り裂く竜巻となれ!」
「転じて! 全てを凍てつかせる刃となれ!」
瑞穂の風はその言葉でゴブリン右側の上空に一瞬で移動し、円形に動き始める。
香澄の氷は瑞穂の風の中心に陣取り、風の動きに同調して動き出した。
「「『ブリザードスラッシャー』!」」
瑞穂と香澄は、一度、お互いの目を見て最後のキーワードを叫び上げた。
その言葉で風と氷は動きを加速させながらゴブリンの頭上へと下降した。
氷点下となった数メートルの直径を持つ渦巻くそれは、ゴブリンの身体を斬裂き凍てつかせる。最初に襲われた数体は訳も分からず地に倒れ伏した。それを見た他のゴブリンは慌ててその渦から逃れようとするも、明らかにゴブリンの足より速い渦から逃れられるわけがなかった。
氷点下の渦が出現してから僅か十秒、ゴブリンの群れの右側は歪な形をしたオブジェが散乱する凍てついた地と成り果てた。
両脇で放たれた魔法の効果が残滓を残すのみとなったのを確認した彰弘は、己の身体へと力を込めた。
そして、僅かに残るゴブリンへと突撃した。
すでに戦う気力は残っていなかったのだろう。一番最後に登場した大柄の個体とその両脇の個体以外は背中を見せていた。しかし、逃がすつもりがない彰弘は三十メートル弱の距離を二秒足らずで詰め、右と左の剣を交互に振るって息の根を止めていった。
一セット、吸気と呼気をした彰弘は無言で再び動き出す。
まずは邪魔になる両脇で杖を構えるゴブリンを標的とした。二体のゴブリン・メイジは詠唱が終わった魔法を彰弘へと叩きつけようと動く。しかし、その動きは遅すぎた。大柄のゴブリンの左側にいたゴブリン・メイジは杖を振り下ろす途中で彰弘に首筋を斬り裂かれ絶命した。右側のゴブリン・メイジは大柄のゴブリンの陰に彰弘が入ったため、杖を下ろすのを躊躇い、その隙に一瞬で回り込んだ彰弘に斬り伏せられた。
大柄のゴブリン一体だけとなった状態で彰弘は一度そのゴブリンから数メートルの距離まで下がった。
特に下がる必要はなかったはずだった。ただ、小学校で相対した同じ体格のゴブリンが頭に浮かんだのだ。そのことに、一瞬だけ思考を巡らせた彰弘は苦笑を顔に浮かべた。自分が無意識に、あの膂力に恐れを抱いていたことを自覚したからだ。
彰弘は心の中で「今日という早い時期にお前と戦えて良かった」と呟き、血喰いに意識を集中して大柄のゴブリンへと斬りかかった。
目の前で防御に使った剣ごと斬り裂かれた大柄のゴブリンを見下ろしながら、彰弘は安堵に息を吐き出した。
もっとも、遅くても明日にはいろいろと六花達と話をする必要があることは明確であったから今回の出来事に関して安堵するのは早いかもしれない。
加えて、この右手に持つ武器についても武器屋のイングベルトにもう少し詳しく聞く必要がありそうだった。
でも今は、少し離れたところで助っ人になる予定だった人達に正座させられている少女達が無事だったことを喜べることが何よりも嬉しかった。
お読みいただき、ありがとうございます。
この時間に投稿は久しぶりな気がします。
今後もよろしくお願いします。
二〇一五年一月二十四日 十時四十分
多数のゴブリンと戦闘前描写部分に下記文を追加
彰弘達へと逃げて来た理由を話していた四人は、そのゴブリンの姿を確認するや否や、会話を放棄し「逃げろ」と一方的に言いその場から逃げ出した。
二〇一六年 七月 十日 九時三十五分 誤字修正
前書き
誤)少女達を会話をし
正)少女達と会話をし