X-XX.エピローグ
前話あらすじ
弟に続いて両親と妹と再会したよ
今日は完結までの3つ投稿です
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世界の融合により起きたことは、遥かな未来にまで影響を及ぼす。
しかし、その時の流れの中で可能な限りの最善を尽くし最良を求めるのは決して悪いことではないだろう。
先のことは分からないし、仮に分かったとしても、その通りとなるかが分からないのが世の中である。
だからこそ面白いと観測者は感じるのだ。
「早かったというべきかな?」
「そうだな。予想よりも早い」
無数のモニターが浮かぶ空間で、いつも通りそこに映る映像を確認していた存在は、ふいの気配を感じて声を出した。
それに応えたのはスーツ姿をした壮年の男だ。活発な少年といった姿の観測者とは随分と様子が違う。
「で、今度のお仕事はなに? またどっかの世界の観測?」
「いや、今度はキミの世界の手助けだそうだ」
「んん? ああ、そういうことか。もう少しで良い頃合いだもんね」
空間に浮かぶモニターの一つを自分と壮年の男の目の前に持ってくると、観測者はおもむろに手と腕を動かす。
するとその動きに応じてモニターに映し出される映像が変わった。
「君の世界と僕の世界のくっついた宇宙は完全に融合した。この宇宙は君の世界の理を大きく取り込んでいるけど、やっぱりちょっとだけ無理があるね」
「ああ、だからこれから修正する」
「幸い魔素とか星の記憶は面白いからそのまま。調整すれば原子とかを持ち込んでも大丈夫だからね」
「ああ。あとは電気なども元に戻そう。最終的にはキミの世界の理に魔素と星の記憶を追加した世界とする」
「だね。あの宇宙の調整が終わったら、残りの宇宙もだね」
「観測者のやることではないが、ふむ面白い」
「あっははは。向こうに行って正確変わった? まあ、いいか。んじゃ、これからよろしくね」
「ああ、こちらこそ」
観測者の二人はこの直後から動き始めた。
自らにとって愛しいものたちが生活する環境を整えるのは、観測が主である彼らにとっても大切で大事なことである。
だから本来行うことではないそれを観測者たちは嬉々として行うのであった。
お読みいただき、ありがとうございました。
本作はこれにて完結となります。
最初と最後だけ決めて書き始めた作品でしたが、皆様のお蔭もあり完結できました。
何はともあれ、これまでありがとうございました。
それでは機会がありましたら、また。




