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敵よりもミカタがやっかい!  作者: 気分屋
魔の森と妖精編
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魔の森9

 俺が生きる意味……。そんなのわからないけど、俺は魔法の原理について考えを深めたい。せっかく魔法なんてありえない現象が起こる世界にいるんだからそれを学んだっていいはずだ。どうせほかにやることなんてないわけだし。

 何もせず漠然と生きるのはもう終わりだ!


 ……とは思うものの、

「旦那様……、お食事用意できませんでした。採ってきたこれで我慢してください!」

 泣きそうな顔をしたクレサが差し出したのは青々とした大量の草……。

 いや、野菜が嫌いとは言わないけど……、ドレッシングやマヨネーズみたいなものは当然ないよね。贅沢言ってられる状況じゃないのはわかるけど……。クレサの腕を振るった料理にはほとんど期待はしてなかったけど……こう、魚とか肉とかないのか?本当に野菜しかなかった?自分で探せって話だが任せてほしいと言われた手前勝手なことをするわけにはいかない。

 ただ、次からは一緒に作ろうね。


 というかチェットはその辺に生えているキノコに手が出ちゃうくらい腹減っていたのにこれに対して何とも思ってないのか?

 チェットはクレサに先に渡された野菜の臭いを大きく嗅ぐと、

「いやー、俺、最近便秘気味でさー。この食物繊維の量!クレサちゃんの料理には愛が詰まってるね!」

 とワクワクした声を上げる。

 ……思っていたよりもいろいろ感じていた。主に眩い幸せを……。

 そうかー、生野菜しかない食事にも愛を感じとれるのかー……。

 もはや一周回って羨ましいとしか言いようがない。


 チェットの大きないただきますの声とともに食事を始めた。その辺にいた動物や魔物も俺達を見ても襲い掛かっては来なかったのは幸いだった。食べた後すぐ動くとお腹痛くなるしね。そうは言っても俺はそれなりに周囲に神経をとがらせてはいた。俺は……。

 しばらくするとチェットは小便と言って森のちょっと奥の方に行き、クレサは石を何個か集めておままごとみたいなことを始めたので、俺も食休みがてら横になる。

 ……何というゆるさでしょう。


 俺がこの世界に来る前何をやっている人だったのかわからない。この世界で俺の過去に思い起させるような出来事はなかった。手に職があるような人間ではないのだろう。まだ学生なのかもしれないし、デスクワークがメインの仕事かもしれない。


 まあ、何であってもここで学んだ魔法なる概念をもといた世界で活かせるかと言われれば、きっと役に立たないだろう。でもまあ、勉強なんてそんなものだし、趣味で魔法を勉強したって良い訳で……。大事なことは俺の今を構成しているのが魔法について知ることだってことだ。

 ……要するに俺がやろうと思ったんだからやればいいだけの話だ。


 俺は魔法の中で何が一番知りたいか。

 そんなのは決まっている。なんだかんだ考えてもやはりそんな仕組みどうこうの話ではなくどうやったら使えるかの一点だろう。チェットが魔法の仕組みを理解しているとは思えないしな。本来なら考える必要もない。


 本来最も考えるべきはあいつらどうやって魔法を習得してるんだ?ってことだ。これも本来考えることじゃなくて自然とできることなのかもしれないが、可能性としては……

①レベルアップすると急に会得できる。

②指導書やHow to本なんかがあってそれを読んで身に着ける。

③誰かが使っているのを見て真似する。

④一度その魔法を食らうと同じ事ができるようになる。

⑤生まれ持った才能。

 と言ったところだろうか……。


①は普通のゲームなんかではそうだが、俺自身今まで数々の敵を瞬殺してきたがいっこうに魔法を使えるようになっているとは思えない。自分の中で来たころと変わったことなんてないように思うし……。

②だったらここでは解決できないな。チェットの鞄の中は薬草くすねるときに中を見たが本はなかった。というかあっても読めん。

③、④は漫画なんかじゃよくある話だがこれもまた変わったような感じではない。

⑤だったら話は終わり。


 だけど⑤の可能性はあるだろうがそれがすべてではないと思うんだよな……。クレサは前、まだダッシュクラスしか使えないとか言っていたような気がする。まだ……ってことはこれから進化する可能性があるってことだ。つまり、才能の有無はあるだろうが魔法の才能に関して先天的なものだけではないことは確かだ。あとはどうすればいいかだよな……。


 こればかりは俺の頭の中で結論を出せない問題だしな。ということは……、一番いいのは二人に聞くことなんだが……、聞けないし……、話してくれないだろうな……。


 初めからチェットやクレサを組み込んで作戦を立てるはあまりにリスクが高い。この世界にも映画とかで見た魔法学校みたいな場所があればいいんだけど……。


 というか、魔法に詳しくておしゃべりな人がいそうなところか……。

 思い当たる節はある。チェットの実家だ。確かチェットは大魔法使いの子孫なんだったよな。何せそこにしかない秘伝の薬があるくらいだし……。そういやまだもらってないような……。初めからどうでもいいけど……。


 ということはチェットの実家に行けば何かわかるかもしれない。

 ということは……チェットの鞄からその秘伝の薬を破壊し、もう一度取りに行くことになれば……いける!


 いや待て。あのチェットが生まれたところだぞ!チェット同様自分勝手なおしゃべりする奴しかいないかもしれない。

行ってみないとわからないけど……。一番いいのは俺から疑問点を聞き出せることなんだがそんな人……。一人いたな、クレサのばあちゃんが。あの人に聞きに行くのがベストかもしれないな。

 ……当初の予定を忘れてた。あのばあさんに関して何かあったような……。

 まあ忘れた。四神との疲れが残っているのかもしれない。徹夜で戦ってたしな。


 なんにせよ、直近の目標はこの森から脱出することだな!

 この森さえ出ればあとはチェットが何とかするだろう。

 それに抹殺の森だ何だと言ったところで所詮は丸太が飛んでくる程度だ。

 俺が本気で二人を守ればこんな森すぐに抜けれるだろう。


 体を起こし大きく伸ばす。

 さて!やりますか!


 体の周りが急に光り出す……。

 この感じ……。

 どうやらどこかでチェットがくたばったらしい。


 もうどうしたらいいんだか……。

 全然前に進まない……。

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