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敵よりもミカタがやっかい!  作者: 気分屋
勇者の墓場編
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四神14

 そもそも相手の弱点を探るだとかテクニックを磨くだとかないにもかかわらず、一切負ける気がしない。

 基本的に攻撃力とスピードが群を抜いて最高値であるため、敵からの攻撃を受けることがない。

 万が一で不意打ちやボスのような高いHPを持つ敵との戦いで攻撃を受けることがあっても防御性能は完璧で物理攻撃も魔法攻撃も効かないにもかかわらずHPは限界振り切ってる。。

 毒とかは除いて蟻が何匹寄ってこようとも蟻が人間に致命傷を負わせることはできない。


 白虎&玄武を瞬殺し、次に行くと予想通り残りの青龍と朱雀が待ち構えていた。

 見た目の数だけ優位に立っても意味がないというのに……。

「青龍とのコンビネーションを前にお前の顔が敗北に歪むその瞬間を見るのがたまらないぜ!」

 その機会は一生来ないと思うけどな。

 俺との力の差はコンビネーション云々の問題じゃないんだよ。

「んだ!後悔しても遅いべ!」

 お前らが早めの後悔をしろ!

 そして、何事もなかったかのように瞬殺した。


 これで終わりか、まあ、あって3体、もしくは4体同時かな?

 面倒臭いだけで結果が変わるとは思えないんだけどまだやる?


 扉をくぐると次に出てきたのは朱雀と玄武の2体だった。

 なんでまた?

「フッ、さっきので勝ったと思ってんのか?」

 いや、勝ったけどね。

「行くぞ、朱雀!我々のコンビネーションで勇者どもを倒すぞ!」

 ……え?

 何?まだやるの?どっちも倒したじゃん!

「どうした?何を驚いている?朱雀玄武コンビとはまだ戦ってないだろうが!?」

 なんだその屁理屈?

 誰と誰が組んでも一緒だから!


 声が出ない以上異議申し立てなどできない。

 そういう意味で俺は最弱、決められたルールは守らなくてはならない……。

 これも危なげなく撃破する。時間の無駄とはまさにこのことだ。


 その後、やってないという馬鹿みたいな理由で白虎&青龍、白虎&朱雀、玄武&青龍と連戦した。

 どれも時間をかけずに倒せたので肉体的な問題はないが、絶対に勝てる戦いでも連戦は心が疲れる。

 時間的にはおそらくそんなに経ってないだろうが、体感的には結構な時間をかけて終わらせた。

 10戦連続だぞ?

 懲りろよ!


 まあいい。これで終わりだろう。長かった。扉を開けて次に向かう。

 しかし、奴らの暴挙はこれで終わらなかった。

 白虎&玄武がそこで待っていた。

「よく来たな。ここまで来るとは正直驚いたぞ!」

 毎回瞬殺してんだからここまでは来るだろ!

「ようやく我々の出番が来たようだな」

 あれ?この組み合わせは最初にやらなかった?

「ん?どうした?ああ、もしかして我々のペアはすでにやったのではないかと思っているのか?」

 そうだよ!確か一番最初がそうだった!

「これだから……。人間にはわからないかもしれないが、白虎&玄武と玄武&白虎では本質的な意味がまったく異なるのだ!」

 は?本質的な意味?

 そこが問題ならお前らは束になっても俺に勝てないんだからもう挑んでくんなよ! 

「我々は勝利をあきらめない!本質的に負けていなければそれはまだ負けていないのだ!」

 その言い方がすでに負けを認めているように聞こえるけどな。


 あいつらはどうしようもなく頭が腐ってると思ったが、戦いにおいて最強でも社会において最弱な俺は従わざる負えない。

 さっき秒殺した敵のサイクルをもう一周することになった……。

 ばかばかしい。一瞬でも俺に勝てそうなところがあったか?


 こういう試練って必殺技とか使って強力な相手に勝つ奴じゃないの?

 こういう試練で持久戦なんて聞いたことねーよ。


 2体コンビ戦をすべて終えると今度は3体同時に出てきた。

 当然先ほどの超理論によるとABC、ACB、BAC、BCA、CAB、CBAの組み合わせは意味が全く違うらしく同じ面子の敵をそれぞれ6回ずつ、3体同時戦を戦った。律儀に数えてはいないがあいつらがそこを間違えるはずはない。ということは計算すると24連戦。

 さすがに3体同時となると敵の攻撃を受けずに倒すということは不可能だった。

 俺自身は攻撃を受けてもまったく問題ないのだが、両手に抱えていたチェットとクレサに攻撃が当たらないようにうまく立ち回るのが難しかったので、戦闘中は一か所にまとめて置いといてそこへの攻撃にだけ気を付けて戦うことにした。

 まあ、やり方さえ決まってしまえば後は作業だからな。時間だけがかかる。


 3体同時戦の勝利をものにしたものの次は4体同時戦が始まった……。

 あの理論なのでこれも24連戦……。

 この超理論は俺がこの世界に来て経験したことの中で一番意味が分からない……。


 一度でもチェットが死ねばおそらく最初からになるのだろう。

 俺には近接攻撃しかないので同時に複数の敵を倒すことができない。

 また、一体倒しに行くと他の奴らが何体か死角に入ってしまい攻撃を躱せなくなる。

 俺に当たるのは構わないのだがチェットやクレサに当たってはいけない。


 そこはビリヤードみたいに敵を蹴り飛ばして違う敵にぶつけ、攻撃体勢を崩し攻撃回数を減らした。

 また、朱雀の全体攻撃が厄介なので真っ先に潰す。

 同じ面子でも意味が違うとか言っておきながらすべて同じ戦い方で勝てたからな……。


 ばかばかしい戦いの数々……。

 4体同時にやるのとかいらないでしょ、24回も!

 というか最初4つしか部屋なかったのに今は何だ?

 4+12+24+24=64


 一部屋増やすのも結構大変だろう……。

 部屋一つの大きさは大体バスケットコートが2面とれる体育館くらいある。

 たった4体で何もないところからそれを60個も増やしやがって……。

 ほんとバカ……。


 まあこれで長かった珍試練も終わりだ。

 勇者の試練なのに勇者は寝てただけ……。

 ほんとに何を試されたんだか……。


 戦いならどうやっても負けない、傷一つ付かないと思っていたが今回の件で考え改めなくてはなるまい。

 もはや敵は俺のHPを削りに来ているのではない。

 時間と俺の心を削りに来ている!精神攻撃は基本なのかもしれないけど勇者には何の試練にもなってないからな!


 それにしても何だよ、64連戦って……。

 瞬殺されるほどの力の差があるのに64回やれば何かが変わるとでも思ったのか?

 しかも相手がちょっとずつ戦い方代えてくるとかならまだしも全部同じ方法で倒せちゃったしな。

 戦い方を変えてくるとかすればこっちも少しは楽しめるというのに……。

 時間の無駄以外の何物でもない。


 まあでも時間に攻撃してくるような敵とはこういう仕組みじゃなければもう会うこともないだろうし、まあ大丈夫だろ。


 問題はこれから。

 最後であろう4人組を倒し終わった。最後の扉は今まで開けてきた扉と違って装飾が豪華だ。きっとこの扉をくぐればきっと元いた場所に戻れるだろう。


 勇者の試練の感想としてはただただ長かった……。

 そして、長かっただけで何の収穫もなかった気がしてならない。

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