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因果

眩しい朝日に照らされた訳でも無く、美女に優しく揺すり起こされた訳でも無いが目が覚める。周りに広がるのは闇、闇、闇。そんな中で眩い光を放つのは古いパソコン。


とりあえず怪しげなパソコンは後回しにして、こうなった経緯を霞んだ記憶の中から洗いだす。まず一番新しい記憶は、昼間にベランダで微睡みながら焦げ臭いと思った記憶。それ以外は特に特徴もない日常の記憶だ。という事は、あの時焦げ臭いと感じた理由が今に繋がる訳だが……。どう考えても焼死からの天国という推論が導き出される。まぁ終わった事は気にしない事にしよう。俺は前向きな人間なのだ。


寂しげに光っていたパソコンに歩み寄り、目が光に慣れるのを待ってから画面を確認する。


「来世設定システム……?」


詳しい内容は書いていないが、どうやら来世の詳細を決められるらしい。だが転生する世界は魔法世界で決定みたいだ。変更は不可能になっている。それ以外の、例えば種族とか能力とか属性とかは〔特典ポイント〕とやらを使って変更出来るみたいだ。


俺の〔特典ポイント〕初期値は1000。種族は人間で、家庭環境は王族になっている。属性は火、顔はイケメン、能力は〈王のカリスマ〉や〈火魔法の才能〉や〈プレイボーイ〉等々沢山だ。どうやら俺の来世は勝ち組らしい。しかし、例え来世でも勝ち組の数を減らすのが負け組としての使命である。よって、種族は猫に変更して〔特典ポイント〕を増やし、家庭環境は未踏の森に変更。属性はポイントが一番少ない土と木に変更して、顔は情けで平凡。


ここまでの激しいランクダウンによって得られた〔特典ポイント〕は5万。合計で5万千ポイントだ。故に能力は奮発して〈賢者の超才能〉に〈不老〉、〈アサシン本能〉を取得。


残りポイントは1万20。そこで俺は、ここまでされた自分の来世に少し同情して高額な〈魂吸〉を取得。説明機能は無いから分からないが、ポイントを大量に消費するからにはその名に恥じぬ能力だろう。選んだ理由は能力の中でただ1つ攻撃が出来そうな能力だったからだ。


そして残り20ポイント残った訳だが、これだけでは変更出来る項目が無いからポイントを増やす意味でもデメリット能力を取得しようと思う。


ざっと見た中で取得しても良さそうな候補は〈土属性宣言〉と〈木属性宣言〉、〈独身貴族の覇気〉位だろうか。それにしても土属性と木属性の扱いが酷い気がする。まぁ確かに物語やアニメで活躍する属性で無い事は確かだし地味そうだが、そんなに毛嫌いする程でも無いだろうに。


とりあえず候補3つを全て取得すると、意外にも20ポイントが150ポイントになった。このポイントで種族を精霊猫に変更。消費したのは50ポイントだ。最後に残りの100ポイントで魔力量増加率二倍を取得。現れたウィンドウの決定を押し、最終通告と書かれたウィンドウの決定を押す。


「さようなら、俺。来世の俺よ、後は任せたぞ」


暗くなったパソコンの画面を見るとなんだか感慨深くなって、泣きそうになる。それを誤魔化す為に今の俺に別れを告げ、来世の俺に何かを任せてみる。だけど変わったのは周りが徐々に明るくなってきたという事だけで、俺の寂しさを消し去る事は出来なかった。


辺りの闇が眩い光に侵食されていく。それと同時に意識が朦朧としてきて、辺りが光で満たされた瞬間に俺の意識は闇と共に消えた。何故か寂しさは消えていた。

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