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告白
「おい・・・・・来たぜ・・・・・神乃さんだ」
隣で興奮する友を撲殺したい気分を抑え、その場に留まる。
ここは大学構内の長廊下である。
不動明王の如く彼女を待ち続けたせいか、歩く術を忘れそうになった。
「お前、本気か?神乃さんはそう一筋縄ではいかんぞ」
多分お前以外でも。
「今行かなくて何時行く!」
いきなり声を荒げる友。
この声が満遍なく廊下に響いたため、歩く腐り大学生にも聞こえただだろう。
勿論、神乃さんにも。
「一生行くな」
それを華麗に無視し、
「おい、どうする。あと五歩だ」
「滅茶苦茶近いな!」
時速何キロで歩いてんだ、神乃さん。
つかそもそも私の居る意味はあるのだろうか。
「一人で居たくないから」
「てめぇ・・・・・」
今日は久しぶりに休日を楽しもうかと思ったのだが。
台無しだ。
「行って来る!」
私の殺気を感じてか、さっさと神乃さんの元へと走る友。
他人事ではあるが、やはり告白の場面を目にするとやはり緊張してしまう。
他愛の無い話声が聞こえた後、友が告白の準備を整え、
「神乃さん。ぼくと天の国へ行きましょう」