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夕陽の君  作者: 荒野銀
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全4話 初稿完結済。毎週14:30投稿予定。

 運命が既決かという命題は、歴史の波間に浮沈を繰り返してきたけれども、現代ほど混迷を極めている時代はないのではないか。近代以前では神様が決め、近代は科学が決め、でも最近は、神様がサイコロを振るとわかって以来、今度はそれらハイブリッドで論じられるようになった、しかも、ポジティブにっていう当世風の味付けで。引き寄せの法則、なんて呼ばれたりもする。でも、ある種の人によってはそうではない、帰趨先は決まっている。それは渡り鳥が地磁気のレーンから外れられないのと同様に、神の見えざる手が、たどらざるをえないレーンを周密に、かつ堅固に、絶えず伸長している。寄り道や錯誤は許される、でも、脱線は許可されない。置かれた現況がどうであれ、無明の縁辺を歩かされるのだ。

 そして僕もこのたぐいの一介だった、判明したのは最近だったけど。異世界、パラレルワールド、そう呼んで差しささえない夢幻の片隅で、僕は使命を授かった、1銭の得にもならない使命を。月の収支やら倹約やら理財蓄財と、黄金を通してしか人世をはかってこなかったのにね。

 ただ胡散臭さふんぷんにしても、手記にしておかなかねばならない理由があった。人探しと義務の消化。少々止むに止まれぬ事情あって、このままじゃ使命の完遂、果たせそうにない、だから代替手段を用いたい。要は手紙なのだ、これ。

 大丈夫、きっと君は読むはずだよ、そして同調を成し遂げてくれるはず。

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