赤と事実と現実と。
頭がふわふわする。
朝かー。そうだ、何曜だっけ。今日は支払いがあって、
ボーとする頭で、私は、起き上がる。
あぁー、よく寝た。
ガシャーン!!横で激しく何が落ちる音が、聞こえる。
心臓がびくりと大きく動く。
右に向くと、メイドさんコスプレの方と目が合う。
「すっ、すっ、スカーレットさま!!
申し訳ございません、いや、医師を呼んでお待ちください」
喉の渇きでうまく声が出ない、消えゆく声で、
「あの、えっ、あっ」と発するも
その方はパタパタと部屋を出る。
驚き過ぎて、どうして良いのかって感じだった。
誰よそれ。どう言う事、だって私、トラック…。
最後は自分の血で視界が赤くなって、
えっ?夢?ここはどこ??
寝起きの頭で
考える、どこかのお城?だろうか、ベットも大きすぎるし病院って事はない。
どこかに痛みもないし、視界に入ってるのは、長く美しい、赤い毛である。…えっ??ええーー!!
ちょっとまって、日本人だよ私。石野茜。
違う、違う、いや、私はスカーレットだ!
でも、よくない事実も発覚した。
確かに私は石野茜でも、あるんだって事。
この混乱、受け入れたくないけど、
私は、どうやら、国に仇なす「転生者」ってやつみたい。
寝起きではなく、一種の症状の昏睡だなと。
目が冴え、動いてきた頭で整理する。
あの、メイドである、セシリアの焦りよう。
相当、眠っていたんだろう、身体が鉛の様に、重い。
廊下が騒がしくなって、ノックとともに扉が開く。
魔導医師とともに、扉が開く。
どうなってしまうんだろうか。