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4日目(金曜日)
「デート行こうぜ」
いつものファミレスで、幸せを噛みしめていたら、健太がそんなことを言った。
「わざわざそんな言い方しなくても」
たまに休みの日も一緒にいるのだ。
大体、どちらかの家で映画を見るぐらいだけど。
「わざわざ言うからいいんだろう」
健太はそんなことをいう。
健太の狙い通りあたしは健太のことを意識してしまう。
「付き合ってほしいっていう俺なりのアピールだよ」
「うん。いいよ」
「よし、どこいく?」
「そうじゃなくて……付き合ってあげるって言ってるの」
「へっ?」
昨日の健太は、本当にかっこよかった。
もしかしたら健太は、本当の健太じゃないかもしれない。
それでも、ここで後悔したくない。
「付き合ってあげる。ううん。あたしと付き合ってお願い」
あたしは素直な気持ちを言った。
「ああ、ありがとう」
健太は、照れたように笑った。
「よろしくな」
「うん!」
胸いっぱいに幸せな気持ちが広がる。
それと同時に不安に心乱される。
怪異は、今のところあたしの影がなくなった。
それだけ。
きっと大丈夫。
きっと……。




