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望みは影より来りて  作者: 名録史郎
2/9

1日目(火曜日)

 普通こういうたぐいの呪いをするのは夜ではなかろうか。


 携帯にメモした内容を見る。


 方法はこう書かれていた。


 『太陽が一番高く上った時に、自分の影に沿うように地面水で濡らし、願いを言う』


 それだけだった。


 昼間に怪しげなことをして、怒られないのは、屋上しかない。


 あたしは、しっかり鍵のかかっていない屋上への扉を開くと外に出る。


 しっかりフェンスもあるので、屋上使ったらだめだなんてしなくていいのに。


「でも、だからこそか」


 だからこそ、人は誰もいなかった。


「一番高くっていつだろう。でもどうせ昼休みしかできないし」


 そう独り言をいいながら、呪いを実行する。


 必要なのはペットボトルの水だけ。


 わらと釘なんて怪しげなものは必要ない。


 ダメで元々。


 ぽつりぽつりと

 立ったときの自分の影を確認しながら

 丁寧に、水で地面を濡らしていく。


「おもったよりたいへんだなぁ」

 指先で濡らしながら独り言ちる。


 筆を持ってきた方がよかったかもしれない。


 でも何ももっていなければ、見つかった時ペットボトルの中身をぶちまければいいので、言い訳はしやすかった。


 結局、休み時間が始まってすぐ来たのに、もうすぐ終わるころまでかかってしまった。


 寸分の狂いもなく濡らしたところが影に重なった時、

 望みは神社で願いを伝えるように言った。  


「健太と恋仲になれますように」


 風が吹いた。


 ただいつもと変わりはない。


 特になにか起きた気がしない。

 

「こんなんでドッペルゲンガーが生まれるわけないか……」


 普通に神社にお参りに行ったほうが良かったかもしれない。


 あたしは何をしているのだろうか。

  

 あたしは、ため息をついて、

 学校の中にに戻ろうとする。


 ゴーンと昼休みが終わる鐘が鳴った。


 ふと足元を見る。


 あたしの影がなくなっていた。

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