第拾壱目 屋敷の女
え~久々の更新です。
まだ読んでくれる人いるのかな(-_-;)
女は自分の部屋で日記を書いていた。
部屋の中にはハムスターの檻が至るところに置いてあって、車輪を回す音がカラカラとせわしない。
女の顔は中々に美しい。だが全体的に骨ばっていて、特に目の窪みが印象的であった。つまり憑かれている。字の間違いではない。何かに憑かれているのだ。
○月□日
お元気ですか正之さん。
そちらは住み良い場所だと聞いていますが、この屋敷は独りで住むには大きくて私寂しいわ。
今日はアレに頼んで貴方の大切な泥棒猫ちゃんを喰ってもらったの。
若い肉は中々旨かったそうよ。貴方のお気に入りだもの。当然よね。
貴方の時と違ってあの娘を殺すのにはハムスターが10匹も必要だったわ。
貴方はたった五匹ですんだのに。
そう言えばハムスターを買ってくださったのも貴方でしたね。
「一人ではお前が寂しいだろうから」
って。
私、とても喜んだわよね。
なのにあの時から彼女との関係は続いていたの?
まぁいいわ。
終わった事ですものね。
貴方も、貴方の女も骨は二度と見つからない。
向こうで彼女と仲良くしてくださいね。
○月×日
悪い事は出来ないわね正之さん。
今度は貴方のお母様でも喰って貰おうかとアレと話していたら、麗奈に観られてしまったらしいの。 あの娘も不思議な力があるみたいね。
気に入っていたのに残念だわ。あの娘は消して、新しい娘を探さないとね。
ハムスターは7匹も必要だったけど大丈夫、きっとまた殖えるわ。
気に食わないモノはみんなアレが食べてくれる。
次は誰にしようかしら。
カラカラと車輪の音が鳴りやまない部屋で、女は日記を書き続ける。
その歪んだ顔に笑みを浮かべながら。
車輪の音が檻の数よりも多い事に彼女はまだ気づかない。