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2章 4. 俺の戦闘職は「テイマー」

 現在の時間はお昼前、リベンダへと到着した俺達は、早速街の宿へと向かった。

 宿は俺とドロシーの2人合わせて、朝食付きで1泊10000ブルムの宿に決めた。もちろん荷台も置けて、グラス達の世話もサービスしてくれるらしい。


「しばらくはここに居るの?」


「そうなるな、もう野宿は十分したし街にいる時くらいベッドで寝たいからさ」


 俺はそう言いながらベッドへと飛び込んだ。

 最近はずっと寝袋だったから、フカフカな感触が懐かしい。

 宿の値段は半額程の所もあったが、それだとセキュリティ一面で不安が残るので、高くとも安全な宿にした。


「よし、じゃあそろそろ冒険者ギルドって所に行くか!」


「うん」


 部屋に荷物を置くと、ドロシーを連れて冒険者ギルドへと向かった。

 ちなみにクウ達は目立つので、モンスターボックスの中にいる。


「冒険者ギルドはどこにあるの?」


「えっと、確か街の東地区だったかな」


 宿をとる時、事前に受付の人に冒険者ギルドに場所を聞いておいたので、それを思い出しながらドロシーに説明した。

 現在俺達は、宿屋の多い西地区にいるので、中央通りを抜けて東地区に行けば、冒険者ギルドに到着する。


 俺とドロシーは道順通りに中央通りへとやって来た。

 すると、そこには様々な種類の店が並んでおり、行き交う人々でごった返していた。

 しかも中には飲食店も多くあり、ドロシーが目を輝かせている。


「ねぇご主人様、冒険者ギルドに行く前にご飯食べない?」


「……はぁ、いいよ。ちょうどお昼時だしな」


 ヨダレを垂らしながら提案してくるドロシーの迫力に押され、ちょうどいい時間だったこともあり了承した。


「それでどの店がいいんだ?」


「え?全部だけど」


「食いすぎだろうが!今日1日潰す気かよ!」


「何言ってるの、今日はご飯を食べに来たんだよ」


「ちがーう!目的変わってるよ!」


 その後、相変わらず食い意地の張ったドロシーに振り回されながらも、どうにか1軒の店に絞らせることに成功した。


「他の店も行きたかったのに……」


「我慢してくれ、まだまだこの街にはいる予定なんだから、別の日に行けばいいだろ」


「むぅー、そうする」


 ドロシーはまだ納得していない様だが、言うことを聞いてくれた。

 今日来た店は、この街の名産品でもあるカボチャのような野菜をメインとした店だ。

 ドロシーには物足りないかもしれないが、無駄遣いしたくないのでここにしてもらった。


「いらっしゃいませ、ご注文は以下がなさいますか?」


 席に着くと店員に声をかけられたので、店内にある広告板に目をやった。


「えーっと、じゃあランチセットを2つお願いします」


「かしこまりました」


 広告板には大きめの字で、今日のランチセットと書いてあったのでそれを注文した。


 その後、ドロシーと雑談をしていると注文した料理自体はやって来た。


「お待たせしました。ランチセット2つになります」



「ありがとうございます」


 店員が運んで来たのは、スープとサラダとパン、メインには川魚の塩焼だった。

 魚は最近食べてなかったので嬉しい。スープも例の特産品がふんだんに入っているので楽しみだ。

 俺はいただきますと言って、食べ始めようとしたが、ふとドロシーを見ると浮かない顔をしていた。

 俺はその顔に心当たりが有るので、見なかったことにして食べ始めようとしたが、少し遅かった。


「少ない……」


 ドロシーは目の前の料理を見て、少ないと言い出した。

 だがそれもそうだろう。普段イノシシ1頭分位の肉を食ってるのだから、こんな量で満足するはずもない。


「ギルドに行ったあと森に行くから、そこで適当に動物を狩ってこいよ。料理してやるから」


「ほんと?」


「ああ」


 いつもの量をこの店で注文すると、とんでもない金額になりそうなので、自分で狩ってくるよう指示を出した。


「でもそれだと美味しい料理を食べれない……」


 しかし、ドロシーはこの街の美味しそうな料理が食べたいらしく、適当に焼いた肉じゃ不満みたいだ。


「それなら魔獣を狩ったらどうだ?俺は一緒に行けないけど、魔獣討伐の依頼とかもあるだろうし、それを受ければ金になるぞ」


「なるほど!」


 俺の提案にドロシーは嬉しそうに、はっと顔を上げて喜びだした。

 正直ドロシーのために毎食お金を出してたらいくらあっても足りないので、自分で稼いでくれるのは非常にありがたい。

 ドロシー自身は魔人ということもあり相当強いので、特に心配もいらないだろうしな。

 注意することといえば、悪い人に捕まらない様にすることぐらいだろう。


「早く食べてギルドへ行こう」


「おい、急かすなって」


 目的を見つけたドロシーは行動力があり驚いた。

 そんな意外な一面を目の当たりにしながら、俺達はランチをすませ、足早に冒険者ギルドへと向かった。


「ここが冒険者ギルドか」


「大きいね」


「ああ、青軍の本部と同じくらいかな」


 俺とドロシーは冒険者ギルドへと到着したのだが、今はその建物の大きさに驚いている。

 高さは5階建てくらいで、横幅も30mはありそうだった。


「早く行こ」

「あ、待って。その前にやることがあるから」


 ドロシーの袖を引っ張られ急かされたが、俺は中に入る前にプルムを呼び出して、肩の上に乗せた。


「よし、じゃあ行こうか」


「うん」


 俺達は冒険者になるため、いよいよギルドの中へと入っていった。

 中に入ると、鎧を着込んだごつい男の人や、ローブを着て杖を持った魔法使いが数人いた。

 今は昼過ぎだから人が少ないのかもしれない。

 そして1番奥にはカウンターがあって、いくつかの窓口が設置されている。

 そこには数名のギルド職員がいたので、俺達はそこへ向かうことにした。


「こんにちは」


「どーも」


「初めまして、本日はどういったご要件でしょうか?」


 俺とドロシーが挨拶すると、受付のお姉さんは明るい笑顔で答えてくれた。


「今日は冒険者になりに来たんですけど……」


「冒険者の新規登録ですね。それではこちらの紙に必要事項をご記入下さい」


「分かりました」


 俺とドロシーは、受付のお姉さんに渡された紙の枠に色々と情報を記入した。

 だが、名前、性別、年齢は問題なく埋められたが、出身地で俺は手を止めてしまった。


(やべー、俺出身地どうすればいいんだ!?)


 出身地をどう誤魔化すか悩んでいると、最初に騎士団の支部へ招かれた村のことを思い出した。

 アマネに連れられて森を歩いてる途中に、ちらっとその名前を聞いたのは覚えていたので、俺はその村を自分の出身地とすることで、難を逃れた。


「ふぅ、どうにかなったぜ。で次は……、戦闘職か」


 冒険者は魔獣との戦闘が多いので、他の冒険者とパーティを組むことが多い。

 だから、チームのバランスをとるために、登録時に自分の戦闘職を書くことになっている。

 しかしこれについては、ライノさんから事前に対策を教えて貰っていたので問題ない。


「俺の戦闘職は「テイマー」だ!」


 テイマーとは、その名の通り魔獣を従えて戦う者のことで、この世界では少数ではあるがそういった戦い方をする人がいると、ライノさんから聞いていた。

 だから俺は冒険者登録の時はテイマーを名乗ることにしていたのだ。

 ただし、クウとマイラは目立つので、テイマーとしての従者はプルムだけにしている。その為現在プルムを肩に乗せているという訳だ。


 ちなみにドロシーは、泥弾を発射したりするので「魔法使い」ということにしている。


「出来ました」


「私も」


 そうして俺達は、書き終えた紙を受付のお姉さんに渡した。

 受付のお姉さんはそれを持つと、俺達に待っているように言って裏へと下がって行った。


「お待たせしました。確認は完了しましたので登録させて頂きますね。こちらがお二人のギルド会員証になります」


 俺とドロシーはそう言って手渡されたギルド会員証を受け取った。

 これでようやく俺達も冒険者という訳だ。


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