002 はじめてのまほう
不定期更新……
こんにちは。レイルです。やっと歩けるようになりました。
先日1歳の誕生日パーティー的なのしたんですが、どうやら赤ちゃんの成長は早いらしいですね。
さて、多分だいたいの器官が発達してきて成長を待つだけなんだけど転生もののお約束、成長チート的なやつに期待してしまうのはしょうがないですよねえ!
神様に会ってないし祝福も貰ってないし、なんなら非正規ルート通ったせいで怒り買ってるかもしれないけどね。でもチート無くても幼いうちに色々しておくことで色々なメリットを期待しちゃうのはしょうがないことだと思うんだ。
物欲センサー抜きに当たりキャラ出ないことは分かってるけど、ガチャは期待しちゃうでしょ?
要するに何がしたいのかというと、この目で魔法を見たからやってみたいということ!
夏の暑い日、お母さんが水を生み出したんですよ。
春夏秋冬はあるらしい。呼び方は少し変わって、前火季、火季、後火季、氷季らしい。
一語文しか話せないはずとか無視して聞き出した。最初に喋ったのが確か魔法についてだったな。ママとかにしとけば良かった。
話を戻して、お母さんの魔法は便利魔法な感じだった。間違っても戦闘用ではないだろう。
ただ、それだけでも無から有を生み出す、世界の理に反する悪魔の法に心を奪われてしまった。
これやりたい!!
これまでお母さん……いや、スカールお母様はつきっきりで子育てしてくれたこともあり、株は上がりまくっている。
話題に出てこないお父さんは剣士タイプで、魔法使いタイプのお母さんとコンビで戦う人らしい。
最近は1人で仕事してるらしいから、偉いんだけどそれだけでは株価は上がらない……
2人はとある冒険者ギルドに入って出会ったらしい。冒険者ギルド……中世だねえ。
ギルドっていうのは日本でいう座とか株仲間とか、利益を共有する組合みたいな感じのやつらしい。
ファンタジー小説あるあるの1つのギルドが国をまたがっている、みたいなのは無いらしい。
色々な種類のなかに1つ1つのギルドがあって、それぞれにギルド員がいる。会社のようなものかな。
色々な種類の会社があって、それぞれの業界で商戦を繰り広げている。
その中の魔導士ギルドに入るというのが夢。
お母さんたちは冒険者ギルド。割と魔導士ギルドと冒険者ギルドは似てるらしいから安心だね。
そうと決まれば魔法を使ってみるしかないんだけど、お母さんに頼むか。
もし適性やらが無かったらどうしよう。そのときはそのときだね。せっかくだから魔法使ってみたいなあー。
「おかーさん! あほーおしえてー?」
ごめん。まだ上手く発音できないや。
◇
「お母さんお母さん!」
威勢良くお母さんに話しかける。
「なあに? レイル?」
お母さんは優しいお母さんで優しい声。全俺が認める良いお母さん同率トップですよ。
前世はあまり思い出せないけど親はだたい良い親。産んで育ててくれれば十分だよね。
「魔法使ってみたいの! 教えてくれない? お願いします」
なるべく誠実に頼む俺。
「あら……すごく難しいわよ?」
平気平気。こちら実は17歳超えてますから。
この世界の分も足せば20近い……二十歳じゃん!
はい。3歳になりました。もうしっかり歩けるし発音もできる! 毎日の成長が嬉しいです!
「やってみるだけとか?」
「あら、ずいぶん控え目ね。レイルは賢いから本当にできるかもしれないわ。やってみましょ」
お母さん。いや、お母様。ありがとうございます!
「まず、それぞれの認識により得意な属性の魔法や不得意な魔法ができるかもしれない。けれど、さっき言ったように認識や思い込みの違いでしかないからしっかりやりきるのよ!」
要するに生まれによる適性とかは無い、と。いいねいいね。
「次に、持っている魔力……魔法を使うための源であるマナを扱える力の量は人によって違っていて、後天的に増やすことはできない。今までの研究において増えたとしても1階級だけ。これは才能ってことになるわね。でも魔力が少なくても熟練した魔法使いになれば自然と扱うことのできるマナの量は増えるから」
ほほう。魔力の量見なきゃ分からないことだらけだね。
「では、魔力の量はどうやって
量るのですか?」
「それは、ある程度の魔法使いなら誰でもできるわ。レイルには初めて使うわね。いくよ?」
緊張の一瞬!
「ほいっ! んー……」
あまり芳しくない様子。うそぉ……
「ト級あたりかな。魔法使いの平均より上だよ!」
ト級とは?
「ちなみにお母さんは?」
「チ級。私のほうが1つ上の級だね」
何だって! 魔力のチート無し把握です!
「階級ってどう分けられてるの?」
「イロハニホヘトの順番で、ス級まであるの。イ級からロ級、ロ級からハ級へと1階級上がるごとに2倍の魔力を持っているの。1つ階級が違うだけで大きな差よ。ちなみに今の最高階級はソ級。想像すらできないよ」
ほう。てことは親の半分の才能……泣けるよ泣ける。まあ、人並み以上らしいから頑張ろう俺!
「ありがとうございました。次に魔法を使ってみたいんだけど……」
「それはまだ無理。マナを制御できるようにならないとね。やってみましょ。自分の魔力の認識は……どう?」
おおすごい! 血管とは違う太い管を循環してる何か。これが魔力か。
「手のあたりが一番太い……?」
「そう。だから普通は手でマナを扱うの。できるかな? こればかりは感覚だから、人によっては何ヶ月もかかるかも。できる人は一瞬らしいけど……あら」
空気中のマナとかそういうの得意でっせ! どやさ!
「本当に早い。すごいわレイル!」
えへへ。科学とか物理とかで空気中に色々なものが含まれてるって習って、そのときから見えない物を想像するのは得意です。
妄想にはならないようにしてるけどね。
「じ、じゃあそのマナを集めてまとめて、イメージを込めるの。最初は明かりとかどう? 光を放出する感じで!」
なるほどなるほど。
「マナを集めて、練って、明かり! おおー!」
「おおー! レイル天才かしら! 1日で魔法を使うなんて!」
光球作れた! かっこいい~!
「やった! お母さんのおかげです! ありがとう!」
よしよし、初めての魔法は大成功です!
魔力少なくてもギルド入れるかな?
いや、入る!