Re:味噌カツ丼
春も後半戦になり少しずつ気温も上がり始めた季節。
そんな中宅配やテイクアウトを頼む人は増えているという。
現場で食べらたり簡単に店の味が楽しめるのは大きいという事か。
また家族連れの人にとってもありがたいサービスになっているとか。
「今回の届け先はどこかな」
「9番街のギリアムさんの家ですね」
「9番街か、そんなに遠くはないね」
「はい、行きますよ」
今回の届け先は9番街。
そんなに遠くはないのでさっさと届けてしまう事に。
「今回の注文は何かな」
「味噌カツ丼ですね」
「味噌カツ丼?」
「はい、味噌のタレをかけたカツ丼みたいですね」
「なるほど、そういうものもあるのか」
「はい、味噌の甘さと肉の味がよく合うんだとか」
「でも味噌カツか、味噌って水とかに溶いて使うものなのかな」
「みたいですよ、味噌汁なんかも味噌のスープですしね」
「味噌を使った煮物なんかも多いもんね」
「そうですね、味噌というのはそのままだと塩分が高すぎるらしいですよ」
「だから基本的にはお湯なんかで溶いて使うんだね」
「ただきゅうりなんかはそのまま味噌をつけて食べたりするらしいですが」
「なるほど、そうやって食べるのもありなのか」
「でも基本的には液体に溶いて使うものである事は確かみたいですね」
「味噌って確か大豆から作るものなんだよね?」
「そうですよ、発酵食品の一つみたいですから」
「発酵食品、納豆とかと同じ仲間っていう事でいいのかな」
「そうみたいです、なので大豆の発酵食品の一つですよね」
「大豆の万能さって凄いなぁ、味噌や豆腐や納豆や全部大豆じゃん」
「リーザさんの故郷だと豆とかは作らないんですか?」
「作ってる人もいるにはいるよ、でも発酵食品にはしないかも」
「発酵食品は作るのも何かとあるからでしょうか」
「そもそも発酵と腐敗の違いを理解する事からだと思うよ」
「そこからなんですね、まあ難しい話ではあるとは思いますが」
「発酵食品だとチーズもそれだけど、チーズを理解してれば味噌とかも作れるのかな」
「そこはそれを作る人によるのではないかと思いますよ」
「こっちかな?」
「二つ目の道を西ですね」
味噌は発酵食品の一つであり、そのままでは塩分が高い。
とはいえもろきゅうのような食べ方もある。
他にも味噌は炒め物の味付けに使ったりする事もある。
なので使い道は割と豊富にあるものという事だ。
味噌カツや味噌煮込みうどんなど名古屋がイコールで味噌みたいなイメージなのか。
なお味噌カツ丼の味噌は言うまでもなく八丁味噌である。
「でも味噌って意外と奥が深いんだね」
「よく使うのは合わせ味噌らしいですが、味噌自体は赤味噌と白味噌が一般的なんだとか」
「ふーん、赤味噌と白味噌だと味も変わってくるのかな」
「みたいですね、味噌汁なんかも赤味噌のものと白味噌のものがあるらしいですし」
「味噌によって味なんかも変わってきそうなのが興味深いかも」
「味噌カツなんかは八丁味噌という地域独自の味噌を使うらしいですよ」
「八丁味噌、普通の味噌とは違うのかな?」
「味噌としてはそこまで大きな違いはないっぽいですが、甘みが少ないみたいですね」
「味噌の味もいろいろあるんだね、同じ食材でも作り方が違うからとかかな」
「赤味噌と白味噌なんかも作り方が違うので、味は少し変わるみたいですし」
「味噌の味もまた変わってくるっていうのは興味深いね」
「赤味噌は辛みが強くて、白味噌は甘みが強い感じみたいですよ」
「それが赤味噌と白味噌の違いなんだね」
「ええ、作り方もまた違うみたいですが」
「こっちだよね?」
「この先の角を北西ですよ」
そのまま9番街に入っていく。
ギリアムさんの家はすぐそこだ。
「ここかな」
「すみませーん!キッチンハウスの宅配です!」
「はい!」
「お待たせしました」
「えっと、先に銅貨一枚と青銅貨二枚をいただきます」
「これでお願いします」
「ちょうどいただきます、ではこちらが味噌カツ丼になります」
「どうも」
「容器は行政区分に従って可燃ごみでお願いしますね」
「分かりました」
「ではまたのご利用をお待ちしています、それでは」
「さて、食べるとしようかな」
味噌カツ丼、味噌ダレをかけたカツが乗ったカツ丼だ。
味噌は八丁味噌を使っているので、甘さは若干控えめでもある。
とはいえカツに染み込んだ味噌ダレはまた美味しいもの。
その味噌ダレがライスにも染みているので、それがまたライスを美味しくする。
味噌ダレがかかっている事でカツの衣もしっとりした感じになるのもいい。
サクサクのカツも美味しいが、しっとりした感じのものもまた美味しいのだ。
「うん、これは美味しいですね、味噌のタレがかかった肉の乗ったライスですか」
「ライスも美味しいですし、その上に野菜と揚げた肉が乗っているみたいですね」
「肉は衣がタレが染みてしっとりした感じなのがまたいいですね」
「とはいえサクサク感を残しつつもしっとりした感じになるのか」
「肉は豚の肉のようですね、それに衣をつけて揚げたのか」
「ライスにも味噌のタレが染みていてまた美味しいですね」
その頃のリーザ達は帰り際に休憩していた。
冷たい麦茶が体に染みる。
「ふぅ、やっぱり麦茶は美味しいね」
「麦茶は不思議な飲み物ですよね」
「暖かい日に飲む冷たい麦茶は特に美味しいし」
「水分補給にはこの上なく美味しいですしね」
飲み物を飲んだらそのまま帰路につく。
帰ったらまた仕事である。
「ただいま戻ったよ」
「お帰り、はい、おしぼり」
「ありがとうございます」
「外はすっかり春の後半戦デスかね」
「うん、夏も少しずつ近づいてる感じかな」
「なら夏服も用意しないとね」
「そうですね、夏になったら結構暑くなりますしね」
「夏服の発注は早めにしておきマスか」
そうして季節が変わるまでもうまもなく。
暖かくなりそこから暑くなっていく。
夏本番はもう少し先になりそうだが。




