閑話・インスタント食品
異世界でも年が明け店は休みなので、各自休みを満喫している休みの日。
スタッフ達も家族達と新年を過ごしている。
リーザなんかは久しぶりに故郷に帰っているとか。
とはいえ店の営業が再開したらまたみんな戻って来る事になるが。
「ふぅ、とりあえず一段落ですか」
「新年は世界各国の要人達との会食なども増えますからね」
「ええ、イクスラも普段は姫様についていてもこういう時は助かりますよ」
「メイド長も陣頭指揮がきちんとしているからこそですよ」
新年は主に近隣国の各国の要人との会食などが入る季節。
エトはそんな人達との挨拶などもあるが、主になるのは上の兄達でもある。
「それにしてもこのインスタント食品というのは実に便利なものですね」
「お湯を注ぐだけで食べられるというものですからね」
「イクスラがもらってきてくれて助かりましたよ、忙しい中でもきちんと食べられますし」
「オーナー曰くシンプルなものが一番食べやすいそうですからね」
「しかしスープからヌードルまでいろいろあるんですね」
「たくさんもらってきているのでしばらくはなくなる心配もないかと」
「お湯を注ぐだけでコーンスープやミルクスープなどが飲めるのはありがたい限りですよ」
「ヌードルの方もお湯を注いで砂時計が一度落ちる時間で食べられるとは」
「具材なんかも結構贅沢ですからね」
「海の幸であるエビや卵、肉などが入っているヌードルがこんな手軽とは」
「イクスラはこういうのをもらってきてくれるので、今ではメイド達も期待していますしね」
「まあこの季節は食事を摂る時間すらないぐらいですからね」
「姫様はお父上である国王様と過ごしていますし、一緒に何かお食べになっていましたね」
「あれはおそばというものらしいです、年越しの際に食べるらしいですよ」
「ふむ、各国の要人との会談があるとはいえ姫様も家族で過ごせるのは嬉しいのでしょうね」
「姫様も王位継承権が低いからこそある程度の自由があるわけですからね」
年納めという事もあり、スタッフ各自には欲しいものを渡されたという。
事前に何が欲しいか聞いて、それをアヌーク達が用意してくれたらしい。
インスタント食品もそんな褒美としてイクスラが箱でたくさんもらってきたという。
「インスタント食品というのは素晴らしいものですね、他国にはこんなものがあるとは」
「スープも美味しいですしね、甘くて飲みやすいですし」
「コーンスープ、ポタージュ、たまごスープやわかめスープ、いろいろありますしね」
「スープだけでも種類は多岐に渡りますしね、それが手軽に作れるわけですから」
「インスタント食品というのはそれこそ稀代の発明なのでは」
「忙しい時でも食事を摂れるというのはやはり素晴らしいものですよね」
「インスタント食品にも種類がこれだけあるというのはまた驚きですし」
「これは容器がすでにありますが、鍋で茹でたりするタイプもあるそうですよ」
「へぇ、そんなものまであるんですね」
「鍋で茹でるタイプのものはスープなども粉末にしてついているそうですし」
「スープが粉末に?そのスープもお湯で作るという事なんでしょうか」
「そうだとは言っていましたよ」
「すでに容器に入っているものもあれば、鍋で作るものもある、本当に多様ですね」
「メイド達もスープは好みがいろいろあるみたいですしね」
「各自好きな味のスープを飲んでいるのは、種類が多様だからこそですね」
「メイド長はコーンスープがお気に入りのようですね」
メイド長が気に入っているのはコーンスープとカレーヌードルらしい。
ちなみにもらってきたのはカップ麺としては定番のもの。
味は複数の種類をケースでもらってきている様子。
スープとカップラーメン、他にはカップライスなんかももらってきているようである。
それもメイド達は各自好みの味を時間が空いた時に食べている。
年明けは忙しさも増すので、短時間で食事が摂れるのは大きいという。
「インスタント食品は短時間で作れるのが強いですね、素晴らしい限りです」
「ただ塩分が高いので、食べすぎないようにしてくださいね」
「ええ、それは分かっていますよ」
「メイド長はカレーヌードルがお気に入りなのですね」
「カレーというのは美味しいですね、スパイスを当然のように使っているとは」
「スパイスというのもピンからキリまでありますからね」
「胡椒なんかは高いものですけど、それも使われているようですし」
「カレーというのはスパイス料理の代表格だとは言っていましたからね」
「カレーは多様なスパイスを使っているからこその味なんですね」
「ええ、辛い味でこそありますが体にもいいらしいですよ」
「カレーヌードルというのはカレーのスープにヌードルを入れているわけですし」
「カレー味の食品は他にもいろいろあると言っていましたからね」
メイド長もスパイスの味には感心している様子。
カレーというのはそれだけ体にもいいものでもある。
カップ麺もインスタントスープもメイド達の好みは千差万別。
メイド長はそんな好みのようである。
「ふぅ、満足ですね」
「容器や袋はゴミとして処分すればいいですから、楽ですよね」
「カップめんの容器は可燃ごみ、スープの袋は不燃ごみでいいんですよね」
「そうだと言っていましたよ、スープの袋はそういう素材らしいので」
「分かりました、では仕事に戻りますか」
「姫様も家族と一緒にいられて嬉しいんでしょうしね」
「我々はお世話が仕事ですから」
「ですね、では他のメイド達と交代です」
メイド達は交代制で仕事をこなしていく。
年明けはそれだけ忙しいという事でもある。
年末年始は異世界でも慌ただしいものらしい。




