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【第31話】真打ちの真打ちなんてありですか?



「スプリットブライトショット!」

 ユウが右手から3本の光魔法を放つが、鳥頭の魔物は素早く回避して三つ叉の槍を振りかざし接近する。

 トライデントという武器のようだ。


 槍の攻撃範囲に入る寸前で、ユウが左手に溜めていた魔力で、魔法の第2射を放つ。

「スプリットブライトショット!」


 鳥頭はまたも回避しようとしたが、5体のうち1体が翼と左胸部に被弾して墜落する。

 しかしまだ4体残っている。


 俺は援護射撃しようとするが、こちらにオーク5体が突撃してきている。


 一瞬目を離した隙に、鳥頭のうちの一体がトライデントの攻撃範囲にユウ達を捕らえる。

『まずい』と思った瞬間、キュウちゃんは一気に加速して間合いを外し、機体を傾けて、翼のエッジで鳥頭の頭と胴体を分断した。


 そのまま残る三体の間を通過し、背後からユウが魔法で攻撃する。


 鳥頭達は状況が理解できず空中で制止していたのがあだになり、ユウの放った3本の光線は、鳥頭の羽の付け根に全て命中し、鳥頭達は上空から墜落した。


 ことの顛末を確認し終えると、5体のオークが目前に迫っている。


 俺は連写モードのブルーレーザーキャノンをセットし、10発のエネルギー弾を連続してたたき込む。

 目標が大きく、なおかつ接近していれば外すことはない。


 5体のオークは少なくとも行動不能になる程度のダメージを受けて大地を朱に染めた。


 それにしてもおかしい。

 ゴブリンとオークと鳥頭、3種類の魔物が混在して、魔物同士争うことなくこちらにせめてくるなどと言うことがあるのだろうか。

 悪い予感がする。

「ユウ、キュウちゃん、一旦こっちへ来てくれ」


 俺は、上級を警戒して旋回していたユウとキュウちゃんに声をかける。

「分かりました。

 キュウちゃん、ワタルさんのところにもどって」

「きゅう!」


 2人が戻ってきたのとほぼ時を同じくして、どこかで聞いたことがあるような声が聞こえてきた。

「もーえ燃え燃え、モッエーーーー!

 誰だ、せっかく手なずけたオークやゴブリンをやってくれたのは!」

「レーンジーーー!

 良くも俺様の可愛いガルーダ達を全滅させてくれたなーー!!

 人間どもを混乱させるために誘導しておいた熊どもも貴様達がやってくれたのかーーー!」

 なにやら黒幕が登場したらしい。俺は現れた人影を確認する。


「貴様は……、ちょい燃え不審火仮面と電子レンジワシ!

 お前達もこの世界へ復活召喚されたというのか」

 そう、こいつらはカラフルブルーが倒したジャアクドーの仮面人間と、Z3が倒したネオジャドーの改造怪人なのだ。



「げっ、そういうお前はカラフル

ブルー!

 ここであったが100年目だ。

 大魔王ハマカーーン様の手によって激燃え大放火仮面として蘇った俺様が、貴様に地獄を見せてくれるわ」

 激燃え大放火仮面は火炎放射器になっている口から真っ赤な炎を吐きながらわめき散らす。


「フフフッ、どこの馬の骨か知らぬが、更にパワーアップしたこのオール電化スーパーマルチレンジハクトーカンムリハゲワシ様が地獄に送ってやる。

 オール電化パワーと、ハクトーワシ、カンムリワシ、ハゲワシの力を併せ持つこのわしの力を思い知るがいい」

 もう一体の怪人、オール電化スーパーマルチレンジハクトーカンムリハゲワシは胸部の電子レンジの蓋をバクバクと開閉しながら大声でふんぞり返っている。

 それにしても3種類の鷲を混ぜたことでどう強くなると言うのだろうか。およそ意味がないように思える。


 なんにしても名前の方は大幅にボリュームアップしているようだが、俺は今までの経験から慌てることはない。

「ユウ、キュウちゃん、下がっていろ。

 この二体は俺が相手をする」

 俺の言葉にユウが頷くと、ユウを乗せたキュウちゃんは俺達から距離を取る。


「フハハハハ、カラフルブルーよ、5人揃っていないお前などこの俺の炎であっという間に消し炭にしてやるわい。

 もーえ燃え燃え萌え!

 燃え萌えファイヤー!!!」

 放火仮面は特大の火炎を口から吐き出す。


 すかさず、俺は青の魔力を両手に集め、カラフルブルーの広範囲攻撃を放ち対抗する。

「ブルーアイスブリザード!」


 俺の両腕から放たれる冷気が当たりの空気を凍らせながら放火仮面の火炎とぶつかり拮抗する。

 放火仮面は驚いた表情をするが、口から火炎を吐いている関係でしゃべることが出来ない。

 と思ったら、

「くっ、なかなかやるな!この俺の火炎と拮抗するとは」としゃべり、火炎攻撃が中断する。

 当然俺はブルーアイスブリザードを中断しているわけではない。

 その結果、凍てつく冷気が放火仮面を一瞬で凍らせた。


「激燃え大放火仮面!

 貴様何をやっているのだ!!!」

 鷲のお化けが激怒して放火仮面をげんこつで小突くと、完全に凍っていた放火仮面はビシッベキベキベキ、と音を立ててバラバラになった。

 完全なるオウンゴールである。


「おのれ!青いくせになかなかやるではないか。

 しかしこのオール電化スーパーマルチレンジハクトーカンムリハゲワシ様の敵ではない。

 くたばれーーーー」

 そう言うと鷲の怪人は胸の電子レンジを解放し、目に見えないマイクロ波で攻撃してくる。


「トウッ、ブルージャンプ!」

 俺はZ3として奴と戦ったことがあるので、マイクロ波の軌道を予測して躱すことが出来た。

 もっとも、カラフルブルーにジャンプ技はない。

 今回使ったジャンプはZ3ジャンプをカラフルブルーに応用したに過ぎない。


 俺が躱した背後では、マイクロ波が直撃した立木が炎上している。


「なっ、バカな。

 わしのマイクロ波を躱すとは!

 貴様、一体何者だ」

 鷲怪人がうろたえる。


 しかし、カラフルブルーの攻撃力では、おそらく電子レンジ鷲を滅するのには火力不足だ。

「電子レンジ鷲よ、この姿に覚えはなくてもこれならどうだ!」

 俺は鷲怪人を倒すために一旦カラフルブルーの変身を解除すると改めて丹田に魔力を集める。


「レディー、変身!セット!!」

 魔力が集まりベルトへと姿を変える。

「変身!Z3(ズィースリー)!!!」

 さあ、ここからは時間との勝負だ。

 燃費効率最悪のZ3は変身を維持するだけで大量の魔力を消費する。


「な……!?

 貴様は仮面ドライバーZ3!!!

 おのれ、転生してまでわしを追いかけてきたのか!

 しかし、いくらZ3といえども最強のパワーアップを遂げたわしの敵ではない。

 くたばれーーー」


 鷲怪人は俺を目視したとたん、一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに怒鳴り散らすと攻撃態勢に入る。

「パワーアップしたマイクロ波を喰らえ!!」

 胸部の電子レンジの蓋が開き、キーーンという甲高い作動音とともに、全ての水分子を強制的に加熱するマイクロ波が放たれる。


「Z3ジャンプ!

 トウッ……」

 俺はジャンプ一番敵の攻撃を躱し、一気に頭上を飛び越えると背後を取る。


「Z3トルネードスクリューパンチ」

 ドガァァァーーーン


 俺は風の魔法を拳に纏わせて、腕自体も高速で回転を加えながら敵の背中から一撃を加える。

 腕は鷲怪人の背中から突き抜けて、胸の電子レンジを突き破って破壊した。


「ぐわぁぁーー、わしのレンジがぁぁーーー」

 俺が腕を引き抜くと、鷲怪人はヨロヨロと前進し、ぱたりと倒れた。


 ドガァァーーーーーーン


 オール電化スーパーマルチレンジハクトーカンムリハゲワシは、俺にたたき込まれた大量の魔力が体内で暴走し、倒れると同時に大爆発した。







ここまで読んでいただきありがとうございます。

リアルの仕事の関係でしばらく更新が滞ると思いますがご容赦ください。

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