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【第27話】モンスタートレイン

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。


「まさか、全部仕留められるとは思わなかった。

 二人ともご苦労だった」

「ありがとうございます」「きゅ、きゅー!」

 俺がねぎらいの言葉をかけると二人とも嬉しそうだ。


 鹿は肉も毛皮も価値があるので、取りあえず血抜きして俺のアイテムボックスに収納することにした。


 今回は10頭のトリプルホーンディールをユウとキュウちゃんで5頭ずつ倒したことになるのだが、改めてキュウちゃんを見るとまた少し大きくなっているように見える。

 レベルアップしたのだろうか。後で確認して見よう。


 そんなことを考えながら作業していると、鹿の血抜きが終わった。

 早速アイテムボックスに収納し、さあ引き上げようかというところでその異変が起こる。


 今現在、俺たちは東の森と草原の境界付近にいるのだが、森の奥の方で何かが戦っているような音がしたのである。

 ギンッ、ガキンッ……

 ズズーーーーーン

 金属がぶつかるような音や大きな何かが倒れるような音がする。


 ぎゃーーーー

 遠くからかすかな男の悲鳴……


「ユウ、聞こえたか?」

「はい、何かが戦っているのでしょうか」

 見ると、キュウちゃんは9本のシッポを逆立てて森に向かってうなり声を上げている。

 何かを警戒しているのだろう。


 何かいる。

 しかもかなり強い何かだ。


 ユウもいるし、ここは関わりにならない方がいいだろうか。

 俺は決断する。


「気にはなるが、ここは安全優先で行こう。

 町に戻るぞ」

「分かりました」「きゅう!」

 俺たちはユウのスピードに合わせて町の方向へ移動する。

 ユウは松葉杖で出来るだけ急いでいるようだが、そこまでスピードは出ない。


「ぎゃあぁぁーーー」

 5分ほど移動したとき、後ろから二度目の悲鳴が間近に聞こえた。


「うわあぁーーー、今度はドノバンがやられた」

「もっと速く走れ!」

「もうダメだ、助けてくれーーー」


 森から飛び出した3人の厳つい男達がこちらへ向かって猛烈な勢いで逃げてくる。

 男達は俺たちの姿を確認したのだろうか、少し進路を変えて真っ直ぐにこちらへ走り始めた。

 猛烈に悪い予感がする。


「急ごう!」

 俺はユウに声をかける。


 3分もしないうちに、男達は俺達のすぐ後ろまで来て、息を切らせながらそのまま俺達を追い抜いていった。

 追い抜きざまに大声で警告してくる。

「おい、お前達も逃げろ!」

「フォレストベアー5頭に上位種のグレイトベア2頭まで出やがった」

「既にリーダー含めて7人やられている。

 急げ!お前達もクマの餌になりたくなければ走れ!」


 どうやら親切心から教えてくれたのだろうが、出来れば俺達とは違う方向へモンスターを誘導して欲しかった。

 こちらは足の悪いユウがいるので、どんな急いでもたかが知れている。


 そうこうするうちに三人の冒険者は視界の彼方に消え、代わりに地響きを立ててクマたちが迫る。

 間違いなくギルドで焦げ付きかけていたあの依頼のクマだろう。


「二人は下がっていろ。

 俺が変身して対応する」

 俺は、7頭という数から、ある程度時間がかかることも考慮して、まずはカラフルブルーで戦うことにする。


「チェンジ! カラフルメタモルフォーゼ! ブルー!」

 ブレスレットの宝玉を回転させながら言葉を紡ぐ。

 一瞬で青い閃光に包まれて、俺はカラフルブルーに変身した。



「いえ、ここは僕もできる限り戦います。

 この足ですから、逃げられる距離も知れています」

「きゅきゅきゅーー!」

 どうやら、ユウもキュウちゃんも戦うつもりのようだ。


 迫っているクマは7頭の内の4頭。

 残り三頭は先に仕留めた冒険者達のところにまだいるのだろうか、こちらには現れていない。

 しかし、ぐずぐずしていたらやってくるかも知れない。


「取りあえず目視出来る4頭を出来るだけ短時間で片付けるぞ」

「了解」「きゅう」


 ユウは光魔法を放つ準備を始め、キュウちゃんはブルーライトアースに変身して突撃体勢に入る。


「ブルーボウ、ブルーボムアロー」

 俺は変身リングを変形させて必殺の弓矢を準備する。

 敵の巨大さから、光線兵器であるブルーキャノンでは一撃で仕留めきれない可能性を考慮し、炸裂弾としても放つことの出来る弓矢を選択した。

 ブルーボムアローは先端のやじりの部分が突き刺さったところで爆発するという凶悪な武器だ。


「ブルーボムアロー、ショット」

 俺の放った矢は先頭を走ってきたクマの首もとに命中し、小規模な爆発を起こす。

 熊は首がもげかかり、大量の血を吹き上げながらその場に倒れる。あと三頭。


 キュイィーーーーン

 先端のドリルを高速回転させながら、キュウちゃんの変化へんげしたブルーライトアースがジャンプしてクマの腹に大穴を空ける。

 立ち上がって攻撃態勢に入っていた熊は正面からドリルを受ける格好になる。

 キュウちゃんは一頭目のクマの腹を貫通し、二頭目の胸板に突き刺さったところで、丈夫なクマの肋骨に阻まれ止まってしまう。


 まずい。急所を直撃しなかったことで殺し切れていない。


 キュウちゃんが胸板に刺さった熊は、自分の胸から生えたブルーライトアースを二本の丈夫な腕で攻撃しようと両腕を振り上げる。

 俺の第2射は間に合わない。


「ブライトスプリットショット!」

 そのときユウの光魔法が発動した。

 三本の光線はクマの両腕に一本ずつ、頭に一本命中し両腕と頭を失った熊はそのまま後ろに倒れる。


 仲間が次々にやられる様子に四頭目は踵を返そうと立ち止まる。

 その時間があれば十分だ。

「ブルーボムアロー、ショット」

 俺の第2射が最後のフォレストベアの首に突き刺さり爆発した。







次回は週末の更新です。

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