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【第21話】尋問 激レア純金冠仮面


 俺たちはトール達がガークを担架に乗せて立ち去るのを待ち、いよいよ本題に入る。


「それで、黒顔の変人、いや、魔物か?それとも、……」

「ワシは激レア純金冠仮面だ」

 カイシーギルド長の言葉をさえぎって激レア純金冠仮面が名乗る。


「わかった。

 それでは激レア純金冠仮面、お前はもう、本当に悪さをしないのだな」

「ああ、ワシはここにいるワタル殿に命を助けられた。

 もう、魔王軍の謀略には関わらないと誓おう」

 激レア純金冠仮面は殊勝なことを言っているが、嘘はないようだ。


 そもそもこいつは、以前日本で戦ったときからあまりあくどいことをしていなかった。

 せいぜい金箔の冠をぼったくり価格で販売していた程度で、木製の金箔冠をぶつけられてたんこぶが出来た人はいても死んだ人はいなかったはずだ。


「それでは、魔王軍の目的とは何だ」

 カイシーギルド長の問いにしばらく間を空けて激レア純金冠仮面が答える。


「本当のところはわからないが、混乱しいる人間の国を併合して魔族の楽園を作ると魔王ハマカーーンは言っていた。

 俺たちはその手助けをするために、魔王によって召喚された。

 もっとも、隷属されているわけではないので、断った者はその場で処分されるそうだ」


「魔王軍の本拠は、やはり魔族領の首都ザマハールなのか」

「すまんが、その質問にはわからないとしか答えられない。

 ワシたちは召喚されてまもなく、戦闘ゴブリンの召喚魔法を教えてもらったらすぐに、転移魔法でこの地へ送り出された。

 召喚された地名や場所、ここまでの距離など全くわからないのだ」


「そうか、それではどれくらいの怪人が召喚されているんだ」

 俺は過去に戦った奴らを思い浮かべながら聞く。


「日々増えていると思う。

 ワシが戦いにかり出される前には、ジャアクドーの怪人仲間が4人と日本では先に滅びたネオジャドーの怪人が4体だ。

 その後は知らぬが、魔力が溜まりしだい2体ずつ召喚していると先に召喚された極悪猛毒ガス仮面が言っていた」


「その中にB級プチうまサワガニアルゴンレーザーとアルティメットジャアクドー仮面はいたか?」

 俺はZ3とカラフルレンジャーそれぞれの最強にして最後の敵の名をあげる。


「そんな奴は似た名前のも含めていなかったな。

 これから召喚される可能性はあるが……」


 取りあえず、難敵二人がいないことに胸をなで下ろすが、激レア純金冠仮面が指摘した通り、これから召喚される怖れは大いにある。

 あるいは、激レア純金冠仮面が知らないだけで既に召喚されていることも考えられる。


 激レア純金冠仮面の話から、激レア純金冠仮面とハエ怪人は4回目の召喚でこの世界に来たようだが、彼らはそれぞれカラフルレンジャーの6番目の敵とZ3の2番目の敵に当たる。

 何にしても、俺たちが倒した敵全てが順番通りに召喚されているわけではないようだ。


「それに、俺たちはそれぞれ二人組で別の場所を侵攻していた。

 既にいた先行召喚者やこれから召喚される奴が同じこの地に現れるとは限らない」

 俺が考え込んでいると、激レア純金冠仮面は説明を続けている。


「お前達はどのくらい強化されていたんだ」

 実際、日本で戦ったときに比べて強力になっていたこれまでの敵を思い質問する。


「ワシは見ての通り、木の冠が純金に変わるほど強化された。

 腕力もそれに伴いかなり強くなっていると思う。

 他の奴らも同じくらいだろう。

 しかし、お前も強くなっているのだろう、カラフ……、ワタル殿」


 こいつ、また俺をカラフルブルーと呼びそうになりやがった。

 やはり機密保持のためには討伐すべきだろうかという思いを込めて激レア純金冠仮面を見ていると、奴の額から再び冷や汗が流れ仮面を伝わってしたたり落ちていた。


「実際にどうなんだ、ワタル。

 お前やお前の敵は、この世界に来たことでかなり強化されるのか?」

 カイシーギルド長が聞いてくる。


「ああ、召喚されたことによってスキルと呼ばれているものが新たに身についたようだし、この世界自体の魔力密度が高いせいか、素の力もかなり強化されている。

 巻き込まれただけの俺がそうなんのだから、勇者とした召喚された者はもっと強いスキルを得ている可能性もある」


 俺がこの世界に来て身につけたスキルはアイテムボックスと鑑定だ。

 他にもあるのかも知れないが、今のところ発現していない。

 これはどちらもあまり戦闘には向かない後方支援系のスキルだろう。

 俺が現在戦えているのは、ひとえにカラフルブルーとZ3の能力によるのだ。



「激レア純金冠仮面とやら、お前の知っていることは他にないか」

 ゴルドー参謀長が強い威圧を込めた視線で激レア純金冠仮面に問う。


 この人もかなりの実力者と見た。

 この人よりも更に強いという侯爵家の人々は一体どのような怪物なのだろうと思う。


「今、ワシから言えることはこれくらいだ。

 魔王軍の全体規模なども正直わからん。

 あと一つ言えるとすれば、召喚が行われ出したのは最近だと言うことくらいだ」


「なぜ、そう言える?」

 ゴルドー氏が重ねて問う。


「それは俺たち8人以外に召喚された者がいなかったからだ。

 何年も前から行われているのなら、たとえ戦いに散っていたとしてもそういう話は残ってるだろうからな」


「となると、魔王軍の召喚も公爵家の召喚などを参考にして最近始まったと言うことか……」

 腕組みしたゴルドー参謀長がうなるように呟く。


 元凶は不完全な召喚魔法を、私利私欲のために行使している公爵家と言えなくもない。


 それにしても、公爵家は自国が盗み出した召喚の秘宝を魔族に盗まれたと言うことなのだろうか。

 国家機密に該当するような秘法なのに、うかつにもほどがある。

 俺は現在反乱を企んでいるらしいこの国の公爵家を心底疎ましく思っている自分にあらためて気がつかされた。







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