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【第18話】 戦いの果てに残ったもの


 ただ今俺は絶賛吹き飛ばされ中である。

 ダブル50インチのモニター光線は俺の想像を絶した熱量で、カラフルレンジャーの中でもっとも火炎に強いはずの水の特性を持つパワードスーツをジリジリと焼いている。


 中の俺はこのままではこんがり蒸し焼きだ。

「ブルーフォース展開、ブルーヒール」


 俺は吹き飛ばされながら青の魔力を使って回復魔法を行使する。


 俺の回復魔法と怪光線が拮抗し、何とか光線によるダメージは軽減されたが、未だに回復量より損傷量の方が多く、ブルーのマスクに亀裂が入る。


「まずい……」

 俺は頭部へと回復パワーを集中するが、ここで地面へと激突してしまう。


 ただ単に吹き飛ばされていただけなのだ。

 飛行魔法を発動していたわけではない俺は、当然自由落下によって墜落する。

 いや、怪光線によって横へのベクトルも十分に大きいのだから、斜方投射と言うべきかも知れない。


 何にしても、俺は地面に激突し、かなりの距離を転がりながら何とか停止した。

 怪光線の熱と墜落の衝撃で変身が解ける。


「モーーーニターーー!

 いよいよ最後のようだな!!

 正義の味方を気取った青い奴め」

 ハエ怪人はもう勝った気でいるようだ。


「モーーーニターーー!

 もう一発でお前もお終いだ!

 怪光線発射ーーーーー」


 奴が光線発射態勢に入ると同時に、俺は何とか上半身を起こして片膝をつき、丹田に魔力を集中させる。


 カラフルブルーでかなわないなら、もはやこれしかない。

「レディー、変身!セット!!

 変身!Z3(ズィースリー)!!!」


 俺の変身は、怪光線を目から発射しているハエ野郎からは見えていない。


「Z3ジャンプ!」


 光線を寸前で躱す。



「ふははははっ!

 跡形もなく消し飛ばしてやったぞーーー」


 俺が自分の後ろへとジャンプで移動したことに気がついていないハエ怪人は、一人高笑いしている。


「俺はここだ!モニターバエ!」


「なっ!こ、この声は!!」

 こちらへ振り向き俺を目視したハエ怪人のモニターアイに点が表示される。

 どうやら驚きいた様子を『目が点』で表現しているようだ。


「き、貴様はZ3!

 バカな、何故貴様がここにいる!!」


「俺はさっきからここにいたぞ!

 いや、お前と戦っていたじゃないか!」


「ぐ、まさかさっきの青い奴がお前だったのか!? Z3。

 貴様、俺をあざむいて馬鹿にしていたな!!」


「その通りだ、モニターバエ!」

 ホントは違うのだが、奴が悔しがっているようだから、このまま悔しがるようにそう言っておく。


「くそーーーー!

 弱いふりなんかしやがって!!

 許さぬ! 許さぬぞ!! Z3!!!」


「ふっ、貴様では俺には勝てん!

 覚悟しろモニターバエ!!!」


「うるさい!

 俺様は薄型液晶プラズマテレビモニターアスワンツエツエバエ様だ。

 以前より遙かにパワーアップした!

 たとえZ3といえども負けるはずがない!!

 喰らえ!!

 パワーアップモニター光線!!!!」


 激高したハエ野郎は全力で光線をぶっ放してくる。

 しかし、そんな攻撃に当たる俺ではない。

「Z3ジャンプ!」


 再び奴の頭上へ飛んで体を反転させる。

 光線を発射している怪人の頭はがら空きだ!

「Z3、光速かかと落とし!!」


 俺は奴の頭上から全パワーを込めたかかと落としをたたき込む。

 二つのモニターの間の小さな奴の脳天に、俺のかかとが直撃する。


「ぐあーーーーー!

 む、無念!

 ハマカーーーン様、ばんざーーーーーーい」


 チュドドドドドッドガガガーーン!!!


 モニターバエは盛大に爆発すると大きな魔石と化した。






 俺は急いで変身を解除すると、気を失って倒れている剣士ガークへと駆け寄る。


 満身創痍だが、かろうじて息はしている。


「チェンジ! カラフルメタモルフォーゼ! ブルー!

 ブルーエリアヒール」

 俺は急いでカラフルブルーに変身すると、継続回復の魔方陣を展開する。


 魔方陣の中央に剣士ガークを寝かせ、しばらく様子を見ていると、ガークの傷が徐々に治り、苦しそうにうめいていたガークは安らかな寝息を立て始めた。

 まあ、これで取りあえず大丈夫だろう。


 俺はガークを魔方陣に寝かせたまま、魔物たちの残した魔石を集める。

 モニターバエの残した魔石は、カメロケットランチャーの魔石と同じくらい大きく、その輝きも強かった。

 戦闘オークや戦闘ゴブリンの魔石も残さず回収する。


 後は激レア純金冠仮面の魔石だけだ。

 俺はそう思い、激レア純金冠仮面を倒した辺りへ移動する。


 そこには、魔石の代わりにピクリと動かない激レア純金冠仮面が横たわっていた。






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 戦いの果てに残ったのは瀕死の激レア純金冠仮面でした。

 かっこいい何かじゃなくてすいません。







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