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【第16話】 金の輪っかは○○になる!!


 悪い予感がする。

 冒険者達が言っていた『頭に変な輪っかを巻いた奴』に俺は心当たりがあった。


 全力で走り、冒険者達が見えなくなったところまできたので、カラフルブルーに変身しようと一旦立ち止まる。


 そこで遠くから悲鳴が聞こえた。

「ぐあーーーー」

「カーーーナカナカナカナーーーーー

 たった一人でよく粘ったが、お遊びはここまでだーーーーー」


 聞き覚えがある鳴き声を伴った甲高い声がかすかに聞こえる。


「これは……」

 間違いない。奴だ。奴がいる。


「チェンジ! カラフルメタモルフォーゼ! ブルー!」

 ブレスレットの宝玉を回転させながら言葉を紡ぐ。


 一瞬の後、俺はカラフルブルーに変身し、全速で走る。

 常人を遙かに超える速度では走ってるにも関わらず、一秒がもどかしく感じる。


「チッ」

 こんなときZ3の愛車、トルネードスカイハイがあれば……。

 いや、せめてカラフルブルーの専用マシン、ブルーアースライトでもいい……。


 俺ははやる気持ちを抑えつつ、全力で大地を蹴る。


「カーーーナカナカナカナーーーーー

 ちょこまかと逃げ回り追って!!」

「俺はこんなところでくたばるわけにはいかないんだーーー」

「貴様などにはもったいないが、これで本当に最後だ!

 ゴールデンサークレット!!!!!」


「ブルーアロー!

 シュート!」

 間に合った。


 怪人が頭の金の冠を剣士に向かって投げつけたところで何とか現場に辿り着いた俺は、すかさずカラフルブルー必殺の矢を放ち、冒険者に迫っていた金の冠をたたき落とす。


「こ、この矢はまさか……」

 そう呟いたのは、派手派手の金の冠をかぶった顔面は黒い能面のような得体の知れない怪人だった。


 やはり奴だった。

「そのまさかだ、プチレア金冠仮面」

 俺は日本で倒したはずの怪人に向かって叫ぶ。


 敵も俺を認識したようだ。

「き、貴様はカラフルブルー!

 おのれーーー

 こんなところまで来て我が野望に立ちはだかるか」

「ふっ、

 悪あるところに必ず現れるのが正義という物だ。

 プチレア金冠仮面、覚悟しろ!」


 俺の言葉に黒い顔色を赤黒くして怒りを表したプチレア金冠仮面は、大声で怒鳴ってくる。


「やかましいわ!

 それにワシはもはやプチレア金冠仮面ではない。

 魔王ハマカーーン様の力でこの世界に再生した今のワシは激レア純金冠仮面様だーーー」


 なんだかまたまた名前が長くなっているがこの際そんなことは関係ない。

 疲労困憊して今にも倒れそうな剣士ガークを救出するためにも、早々にこの怪人にはご退場願おう。


「ブルーアロー!

 二段撃ち!シューット!!」


 俺はカラフルブルーの決め技の一つを敵に向かって放つ。

 しかしその瞬間、激レア純金冠仮面も動いた。


「洒落臭いわ!

 ダブルゴールデンサークレット!」


 奴は、日本のときと同様、頭の金冠を武器にして投げつけてくる。

 奴の金冠は物理法則や質量保存則を無視して、取っても取っても頭から生えて供給される。

 髪の毛はないというのに……、奴の毛根は毛の代わりに冠を生産しているとでも言うのだろうか。


 しかし、奴の冠は俺のブルーアローの敵ではない。

 あれは木製の冠を金箔で金メッキしただけの代物で、質量が軽いためブルーアローを止めるとことなど出来ないのだ。


 日本での戦いを経験として持っていた俺は、不覚にもそう思い込んでいた。


 ガキンッ! ガキンッ!!


 なんと、二つの金冠は俺の放った二本の矢をはじき飛ばしこちらに迫る。

 ここで俺は判断を誤った。


 矢をはじき飛ばされた時点で、奴の冠の正体に気づくべきだったのだ。

 しかるに俺は、奴の冠を木製のように軽い物だと見誤り、ブルーボーソードを持っていない右手で払いのけようとした。


 ドドッ!


 その結果、重たい二つの冠にぶつかられた俺はそのまま突き転ばされた。


「カーーーナカナカナカナ!

 愚かなり、カラフルブルー!!

 パワーアップしたワシの冠は、今や中までしっかりと金で出来た純金製なのだ。

 金の密度は19.8!

 水の約20倍も重いのだ。

 右手一本で払いのけられるはずがない

 カーーーナカナカナカナーーーーー」


 奴は得意になって説明したかと思うと、すぐに新しい金冠を次々生産し、転んで体勢を崩している俺に投げつけてきた。


「カラフルブルー!

 たった一人の貴様などに遅れを取るワシではないわ!

 金の重みで潰されるがいい!!!」


 そう言いながらどんどん重たい金の冠を投げつけてくる。


「ブルーエリアヒール!」

 俺は金の冠に埋もれながら、回復魔法を発動する。

 青い魔方陣が現れ、金冠によって受けたダメージをいやしていく。

 新たな金冠が当たっても、このエリアにいる限り俺は回復し続ける。


「うはははは!

 そろそろ潰れろ!

 カラフルブルー!!!」

 激レア純金冠仮面はいよいよ調子に乗って金の冠を投げつけてくる。


 そして、俺が完全に金の冠に埋もれたところで、俺は変身していなくても使えるあのスキルを使用した。

「アイテムボックス!」


 別にスキル名を叫ばなくても発動出来るのだが、ここは気分的に叫びたいところだった。


 瞬間、俺を埋め尽くしていた金冠が消滅する。


「カナ?」

 呆然と立ちすくむ激レア純金冠仮面。


「ふっ、お前の攻撃は俺には効かないぞ!

 激レア純金冠仮面」

「おのれ、おのれ、おのれーーーー!」

 激レア純金冠仮面は激怒して更に金冠を投げつけてくるが、俺は片っ端からアイテムボックスに取り込み消滅させる。


 奴の毛根が金冠を生めなくなるのが先か、俺のアイテムボックスが容量オーバーになるのが先かの勝負になると思われたそのとき、


 俺の右斜め前方から怪しい怪光線が俺に向かって照射された。


「モーーーニターーーーーー!」

 新たな敵の気配がする方向から聞こえてきたのは、またまた、俺の記憶に引っかかる鳴き声だった。







タイトルの「○○」は「武器」と入ります。


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