表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/35

【第12話】夜の商業地区


 夜中の商業地区は閑散としており、昼間の喧騒が嘘のようだ。

 客を迎えるために軒を連ねる大小様々な商店や事務所は全てシャッターが下ろされており、人通りはほとんどない。


 警邏を初めて今日で7日目になるが、夜中に出歩いて襲われたという話が浸透したせいか、日に日に人通りは減る一方である。

 そして、昨日までの6日間は怪現象もなりを潜め、新たな血痕が見つかることもなかった。


 俺は武器を買う金がなかったため、格闘家という触れ込みで警邏に参加している。

 初日は俺一人だった冒険者ギルドからの派遣組も、昨日からはあと二人増えた。


 時折すれ違う警邏兵やご同業の冒険者も特に新しい発見はないようだ。


 7日目もこのまま無事に終わって、後は報酬の10000ドンを受け取るだけかと思っていた明け方にその事件は起きた。


『ギャーーーーーー!』


 閑散とした商業地区に男の悲鳴が響く。

 俺の左後方からだ。


 その方向には先ほどすれ違った冒険者の二人組が向かったはずだ。


 俺は全力で駆け出す。


 100メートルほど走ったところで十字路を右に曲がる。

 前方30メートルほどのところにそいつはいた。


 暗くてはっきりとは確認出来ないが、どこかで見たようなシルエットの人影が、別の人影を片手でハンギングしている。

 つり上げられた方の人影は首を絞められているようで、足をバタバタさせながらもがいている。


 更に近づくと、足下にはもう一人の冒険者らしい人影が自分の首をかきむしるようにしてもがいている。


「ドークドクドクッ、ドクーーーーーーゥ!!」

 人を片手でつり上げていた怪人が奇声を上げる。


 俺はその奇声にも怪人にも見覚えがあった。

「きっ、貴様は『ちょい悪毒ガス仮面』

 バカな、日本で死んだはずのお前が何故ここにいる」


 そいつは全色戦隊カラフルレンジャーが最初に倒したはずの5人の怪人の一人だった。


「ん?、誰だ、貴様は……、どこかで見たような……」

「ちっ、これなら思い出すか!?

 チェンジ! カラフルメタモルフォーゼ! ブルー!」


 ブレスレットの宝玉を回転させながら言葉を紡ぐ。


 瞬間、青い閃光に包まれて、俺はカラフルブルーに変身した。


「貴様はカラフルブルー!

 ここであったが何とやら、前世の仇、この場で取らせてもらう!」


 ちょい悪毒ガス仮面は掴んでいた冒険者を放り出すと、両手をグルグル回転させ始める。


「ドークドクドクッ、ドクーーーーーーゥ!!

 戦闘ゴブリンども!

 出ろ!!!」 


 とたんに地面に魔方陣が現れ、さびた剣とぼろぼろの皮鎧で武装した緑色の怪物が10体召喚された。


「ギーッ」

「ギッギーッ」


 戦闘ゴブリンと呼ばれた怪物は、口々に奇怪な鳴き声を発しながらこちらへ斬りかかってくる。


「ちっ、ブルーボーソード」

 俺はブレスレットに魔力を通すと、弓の部分に刃を仕込んだカラフルブルーのオリジナル武器に変え、迎撃する。


 近づいてきた5体はブルーボーソードによって上下に2分割されて魔石へと変わる。


 離れていた5体が突撃を止め、落ちていた石を拾うと俺に向かって投げ始める。

 その内1体が隙を見て剣を投げようと構えている。

 どうやら少しは頭も使えるらしい。


 俺は弓を使ってこちらに直撃しそうな石をたたき落とし、好きを作らないようにしながら移動し、街灯の柱の陰に入った瞬間矢を召喚する。

「ブルーアロー!

 シュート!」


 物陰から放たれた俺の矢は、ゴブリンどものリーダーらしい剣を投げようとしていた個体の額に命中し、絶命させた。


 残った4体は突然のことにしばし攻撃を忘れる。

 その隙を見逃す俺ではない。


「ブルーキャノン、セット」

 武器を弓から変形させる。


「ブルーキャノン、分裂撃ち!!」

 青いレーザー光が5本に分かれ、4体のゴブリンの胸に風穴を開けた。

 残る一本の光線はちょい悪毒ガス仮面へ向かう。


「ドークドクドクッ、ドクーーーーーーゥ!!」

 ちょい悪毒ガス仮面は独特の形状の尖った口から真っ黒いガスを噴き出し青いレーザー光を吸収させる。


「ちっ、やはり戦闘ゴブリンでは叶わぬか。

 さすがはカラフルブルー。

 しかし、見れば他の奴らはいないようだな。

 魔王ハマカーーン様の力でよみがえった俺の力、存分に味合わせてくれる」


 なんと、奴は魔王ハマカーーンなる者の力でこの世界に再生したというのか。

 何か、重要な情報をゲットしたような気がする。



「連続行方不明事件の犯人はお前だったのだな。

 たとえ俺一人でも、悪の芽は必ず潰す。

 覚悟しろ、ちょい悪毒ガス仮面!」


「ドークドクドクッ、ドクーーーーーーゥ!!

 人間どもを集めているのは我がハマカーーン魔王軍の強化のためだ。

 それに俺様は今や『ちょい悪毒ガス仮面』ではない。

 魔王様のお力を授かった『極悪猛毒ガス仮面』だ。

 死ねーーーー!」


 そう言うと『ちょい悪毒ガス仮面』改め『極悪猛毒ガス仮面』は猛毒の霧を吐き出しながら突撃をかけてくる。

 あの毒ガスを吸ってしまうと、流石に変身していても危ないかも知れない。


 俺は咄嗟に最近覚えたあの力を応用出来ないか考え、試して見ることにする。

「ブルーヒールフォース展開」


 俺は癒やしの力を自分の周りに展開する。


 俺を中心に淡い青い空間が広がる。

 上手く行きそうだ。


「アンチポイズン!!」

 俺はフィールド内の毒ガスが浄化するように思いを込めて魔力を放出する。


 とたんに極悪猛毒ガス仮面の周りの毒霧は消滅し、だだっ子のように両手を振り回しているだけの怪人が残った。


「おのれ、カラフルブルー!

 たとえ毒はなくとも、5人そろっていないお前達など恐るるに足りんわ!

 ドークドクドクッ、ドクーーーーーーゥ!」


 突撃をかけてくる極悪猛毒ガス仮面に怒りの一撃をお見舞いする。

「ブルー回転キック」


 この技は実はZ3の技の一つであるが、記憶を取り出した俺は、カラフルブルー形態でも放つことが出来た。

 威力はZ3変身時に及ばないが、的確にこめかみを捉えた回し蹴りに極悪猛毒ガス仮面は3メートルほど吹き飛ぶ。


「おのれ、おのれ、オノレーーーー」

 お怒りのようだ。

 どうやらカラフルブルー一人だけでも何とかなりそうだと思っていたそのとき、またもどこかで聞いた覚えのある奇声が聞こえてきた。


「ラーーーーーンチャーーーーーーーー!!

 情けないぞ、極悪猛毒ガス仮面!

 我々が魔王ハマカーーン様からいただいた力はもっと偉大なはずだ!」


 そこに現れたのは背中の甲羅から対人ロケットランチャーをはやした亀の化け物だった。







リアルのお仕事多忙のため、次回更新予定未定です。

すいません

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ