表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移〜チートって無くなるもんなんですか!?〜  作者: 麻美
転移、そしてチート
6/8

5話…チート

例えばテレビでロッククライミングなどを見たことがあるだろうか。

有名な、うまい選手が悠々とクリアした後に新人の選手が最初の方で失敗していたりするのを見て

「なんであんなところで失敗するかなぁ。」

なんて思ったことはないだろうか。



俺は言いたい。



初心者じゃ何もできない。



「どうするかなぁ。」


今までゲームで何度も使ってきた道具だ。ランキング上位にくい込んだ俺の相棒といっても過言ではないだろう。


しかしそれはあくまでゲーム内の話だ。

ゲームじゃボタン1つ、フリック1つで簡単に敵が切れるし、勝手にダメージも与えられる。


ここは現実(リアル)だ。

構え方すらもわからない。


だが世界を救う英雄()がそう簡単に人に助言を乞うわけにもいかない。


「えっと、ゲームではこんな感じで……」


ゲームで見た感じに構えてみる。


なんとも不格好だ。


「なーんか違うんだよなぁ。」




ガサッ



と急に俺の前の草がゆれ、小さな動物が出てきた。



名前:???

種族:ウサギ

年齢:2

ステータス

体力:489

筋力:123

耐久:258



ウ、ウサギ……。

すごく切るのにためらいがある相手が出てきた……。


ていうか俺のステータスってケタ違いなんだな。


「ど、どうしよ、」



とりあえず剣を持ち直そうと、切先を地面に向けて下ろした。




ドサ



「え、」


ウサギが、倒れていた。


というかもともとウサギがいた場所に、毛皮とお金が落ちていた。



そういうところだけゲーム仕様か!


とツッコミたいのはおいといて、



「俺、今ウサギに触ってないぞ……」


という事はなんだ、おれはもしかして切先を地面に下ろした時に起きた空気の揺れ()でウサギを倒したってことか?!



「ふふ……」


やはり俺は英雄となるべきものだったんだ!

昨日より下がったステータスでさえこの威力!

これが……これが俺の実力か!


ははは……

なんだかこの世界で努力してるやつに申し訳ないな。

この世界のやつがどんなに頑張っても俺に適うステータスは得られない!



俺は毛皮とお金を拾って鞄にしまった。


この辺の小動物じゃつまらない。

もっと奥に……もっと強いやつを倒しに行こう。

そうだ。どうせならここらで1番のやつを倒してやろう。

そうすればみんなもっともっと俺の素晴らしさに気づく!

もっともっと俺を敬う! 称える! 崇める!





その時、


「うわぁぁ!! 」

「いやぁ! 助けてぇ! 」


助け()を求める声が、奥から聞こえた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ