3話…傲慢ゆえの不幸
名前:ユウヤ
年齢:16
職業:学生→転移者
ステータス:
体力:90000000000
筋力:90000000000
その他、素早さ、魔力、対魔力、耐久、知識、体力に同じ。
「……は? 」
おい、どういうことだよ。
昨日は全項目カンストしてたじゃねぇか。
普通ステータスって減るもんじゃないだろ。
「昨日見間違えたか? 」
いや、そんなはずはない。
何度もこの目で確認したんだ。
「そうだ!スキル……」
スキル:
無謀な勇気
傲慢さゆえの不幸
スキルを開くと、わずかにだが[傲慢さゆえの不幸]が鈍く光っている気がする。
そういえば昔やってたゲームで、スキルが発動するとスキルの名前が光るというのがあった。
……ということは。
「これはこのスキルのせいなのか……?」
「おお! おはようございます勇者様! 」
宿の部屋をでて入口近くの食堂に向かうと、昨日代表して話をしていたおじいさんがいた。
「昨日はきちんとした紹介ができず申し訳ありませんでした。私はこの地域の長のガナールと申します。」
「ガナール?! 」
「はい……、そんなに珍しい名前でもありませんがどうかしましたか? 」
俺のスマホの中でニヤニヤしていたあの神と同じ名前……?!
よくある名前なのか?
「私たちの国では生まれて初めて神殿を訪れた時に神託をもらえると、神と同じ名をつけることができるんですよ。」
たまに神託なしにガナールを名乗る輩もいますがね笑
そう言ってこのガナールは笑った。
ガナールってよくある名前なのか……。
日本でいう田中さん的な感じなのかな?
って何人もガナール出てきたらどうやって区別すればいいんだ!
「ところで勇者様、勇者様のスキルを教えていただけませんか? 」
「え、」
「同じスキルを持っているものに使い方を教えさせましょう。勇者様はスキルの詳細、ご存知ないでしょう? 」
俺のスキル……正直にいうべきなんだろうか。
「勇者様のスキルだって! 」
「立派なんだろうなぁ……」
「え! あたしも聞きたい! 」
周りに人がたくさん集まってきてしまった。
もしこの状態で俺のスキルをそのまま伝えたら。
「っ、俺もよくわからんが、昨日見た限りでは勇気とかなんとか書いてあった。」
「勇気! 流石勇者様だ! 」
周りの騒音が歓声へと変わる。
バレないようにそっと息を吐いた。
「流石ですなぁ。勇気なんてこの地域では見たことがありません。
この地域はほんとにダメなやつも多くいるんですよ。こないだなんか、[強欲]持ちまで出た始末です。」
……[強欲]?
「なんだ、それは?」
「ごく稀に大罪の名前が入ったスキルを持つやつが現れるんですよ。
[強欲][怠惰][嫉妬]なんかは確認されてます。
あと、大昔に1人[傲慢]持ちがいたとか。伝説の悪人ですねぇ。」