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土下座

 僕達はその後、横断歩道を渡って校舎内に入り、下駄箱で上履きに履き替えた。

 そして階段を上がりながら互いの教室へと向かう。


 三年生の教室は第一棟の四階に、二年生の教室は三階に、一年生の教室は二階にある。なので、僕達は三階で別れたんだけど、先輩は最後まで僕を二年三組の教室まで責任を持って送り届けたいと主張した。自分にはそうする義務があると――


 もちろん丁重にお断りした。


「何かされたらメールなり電話なり、すぐ私に連絡しなさい。教室に乗り込んで行って今度こそあの女を病院送りにしてやるから」と、言い残して先輩は三年四組の教室がある四階へと続く階段を上って行った。


 その姿が見えなくなるのを確認し、足音が完全に聞こえなくなるのを待ってから僕は自分の教室へ向けて歩き出した。


 時刻はすでに八時二十二分をまわっていた。割と早めに家を出たはずなのに、真弓田たちとのひと悶着もあって時間を食ってしまった。そこらの教室からは、登校してきた生徒たちの活気あふれる声が聞こえてくる。


 みんな楽しそうでうらやましい。僕にもその元気を分けてもらいたい。


 先輩は、真弓田を逃がしてしまったことを本気で後悔している様子だった。

 それにしても、もしもあの時、北条が止めに入らなかったらどうなっていただろう。真弓田はどうか知らないけど、おそらく先輩は真剣に真弓田と戦うつもりだったと思う。暴力沙汰にならなくてよかったけど、これで安心してはいられない。真弓田の怒りに火をつけてしまったし、先輩もこれで引き下がるとは思えない。


 先輩は昔から、物事を暴力で解決しようとする危険な傾向がある。

 暴力に訴えても事態が好転するなんてことはきっと無いだろう。むしろ悪化するだけだ。先輩にはそれがわからないのかな?

 こうなると思ったから、僕は先輩と北条達を引き合わせたくはなかったんだ。彼らを刺激して怒りを買うようなことは絶対にしたくなかった。もう遅いけど……。


 いつも以上に心に暗鬱が立ち込める中、僕は二年三組の教室へ入っていった。クラスメイト達の視線を感じながら自分の席に座り、机の中に今日使う教科書とノートを収めていると、後ろから誰かが近付いてくる気配を感じた。

 振り向くと、そこに北条と真弓田が立っていた。


 うわ、いきなりきたか……。


 二人とも、とても不機嫌そうな顔だった。まあ、あんなことがあった後では、不機嫌にもなろう。

 僕は応対用の笑顔を作って、なに? とだけ聞いた。

「なに? じゃないでしょ!」真弓田が怒鳴った。

「君の友達、月島さんって言ったっけ? エリ対してずいぶん失礼なこと言ってくれたじゃないか」怒気を含んだ口調で北条が言った。


 僕らのやり取りを見てクラスメイト達がこれは何事かと騒ぎ始めた。みんな戸惑いと好奇心がこもった視線をこちらに向けている。これから何が起こるのか興味津々といった感じだった。一方の僕は、戦々恐々としていた。これからなにが起こるのか、何をされるのか……。


「ねえ、何なのあの女は?」真弓田が憎々しげに言った。

「あんな大勢の前で私をバカだの、低能だのと何度も侮辱して、許せないわ!」


 君たちだって、僕のことを毎日のように大勢の前でバカにしたり笑ったりしてるじゃないか!

 と、反論したかったけど、それは心の中にしまっておいた。とにかく、この場ではまず謝ることが先決と考えた。

「ごめん! 彼女は僕の友達なんだけど、なんていうか、ちょっと口が悪くて……」

「口だけじゃなくて態度も悪いわ。私より一歳年上ってだけで、嵩にかかって偉そうに――」


「なあ、内海君。もしかして、君が言わせたんじゃないのかい?」北条が言った。

「え?」

「つまりさ、君は日頃から僕やエリに不満を持っていた。でも君には僕らに意見や文句を言う勇気は無い。そこで友人である彼女に頼んで、自分の気持ちを代弁してもらったという寸法さ」

「そ、そんな、違うよ。あれは、先輩が勝手に……」

「だけど君は月島さんとエリがケンカしてるのを止めもせず、黙って見ていたよね?」

「……あの時は、言い争ってる二人の迫力に気押されて、動けなかったんだ」


「何だか嘘っぽいわ」真弓田が言った。

「まあ、確かにあの時、エリたちの迫力が凄かったのは事実だ。それは僕も認めるよ」

「ちょっと! 勝手に認めないでよ!」不服そうに真弓田が北条にかみついた。

「そう言うなよ。だって君たちすごい剣幕だったぜ。通行人もみんな足を止めてこっちを見てたじゃないか」北条は呆れたような目で真弓田を見据え言った。

「う――」

 真弓田は頬を赤らめ、恥ずかしそうに顔を歪める。

「あの女のせいよ。あの女が絡んできて、私もあまりに腹が立ったもんで、つい……」


 するとここで、僕らを遠巻きに見ていたクラスの女子三人が近づいてきて話に割り込んできた。三人とも真弓田の友達だ。

「ねえ、エリ。さっきから何の話してるの?」

「内海がなにかやったの?」

「……」真弓田は黙っている。


「実は、さっき校門の前でちょっとした事件があってね」代わりに北条が答えた。

 恥ずかしそうにうつむいている真弓田に変わって、北条が先輩と真弓田のケンカについて話し出した。こうしてクラスの連中に僕と月島先輩の事、校門前で起きた真弓田と先輩の一触即発事件の詳細がたちまちに知れ渡る事となった。


 先輩と真弓田のケンカについてよりも、クラスの連中には僕に女子の友達がいたという事実のほうがはるかに衝撃的だったらしい。

 教室では僕と先輩の話題で持ちきりとなった。

「内海の奴、三年の女子と一緒に登校してたんだってよ」

「え、あいつ友達いたの?」

「嘘だろ……」

「ふん、どうせブスだろ」

「真弓田さんかわいそう……」

「その女って、内海の彼女?」

「まさか……、さすがにそれは無いだろ」


 男子からは嫉妬と驚愕の視線を向けられ、女子からは怒りと嫌悪の視線を向けられていた。

 僕と先輩がクラスの話題の中心にいる。不思議な気持ちだった。この状況に戸惑いながらも、僕は密かに優越感を感じていた。


 先輩の言った通りだった。男子連中は、女の子の友達がいる僕がうらやましいんだ。女子と一緒に登校している男子なんて、うちのクラスではきっと僕と北条くらいのものだろう。


 どうだ、ざまあみろ! 僕にだって友達くらいいるんだぞ!


 ざわついている教室を見回していると、視界の隅に水川さんの姿を捉えた。

 教室での騒ぎをよそに、水川さんだけは自分の席に着いてこちらには目もくれず、まったく関心を示すことなく一人で静かに本を読んでいた。


 なんだろう。


 そんな水川さんの姿を見て、僕は複雑な思いに囚われた。


 やっぱり僕のこと、嫌いになってしまったのかな?

 それとも、僕のことなんかもうどうでもいいと思っているのかな?


 そりゃ、おととい校舎裏で僕は彼女に酷いことを言ってしまったんだもの。嫌われて当然だ。

 でも、水川さんのこの騒ぎへの無関心ぶりが僕にはとても悲しかった。


「ところで内海君――」

 ハッとして正面を向きなおすと、真弓田と北条の、よそ見してんじゃねえよとでも言いたげな顔がそこにあった。


「あの月島さんって人と君は、付き合っているのかい?」北条が聞いてきた。

 僕と先輩が付き合ってるかって?

 そんなわけないだろ。昨日、仲直りしたばかりだって言うのに。でも傍から見たら、僕らはそんな風に見えたのかな?

「いや、月島先輩はただの友達で、付き合ってるとか、そういうんじゃ……」

 僕がそういうと、北条は心なしか安堵したように見えた。

「だろうね、そうだと思ったよ。君みたいなちんけな男に、あんなかわいい彼女ができるわけがない」

 酷い言われようだ。でも僕は黙っていた。というのも、僕自身その通りだと思っていたからね。


「ハア? 何言ってんの?」

 真弓田が語気を強め北条に詰め寄った。

「な、何だよ、エリ」

「ちっとも可愛くなんかなかったわ! ちょっとトッシー、あんなのがかわいいと本気で思ってんの? 信じらんない!」


 なぜか真弓田は烈火のごとく怒りだした。そんな彼女を北条はかなり慌てた様子でなだめている。

「い、いや、かわいいと言っても、もちろん君ほどじゃないよ。ほんとに……」

「あんな女と私を比較しないでよ! 不愉快だわ!」

「おい、大声出すなよ……」


 自分の彼氏が、自分を激しく侮辱した女を「可愛い」と評したのが気に入らなかったみたいだ。女というのはよくわからない。


 僕は北条と真弓田の言い争いを、ぽかんと眺めていた。真弓田の怒りの矛先が僕から北条に逸れたことでちょっと安心していた。このまま永遠にケンカしててほしい。


 でも、そんな僕の願いも虚しく、真弓田が怒りで火照った顔をこちらに向けて言った。

「ちょっと内海! 謝ってよ!」

「へ?」

「あんたのお友達のあの月島とかいうブサイク女の心無い言葉で、私の心は深く傷つけられたのよ! あの女の代わりにあんたが謝って! 今この場で」


 なんで僕が……。

 それにさっき一度謝ったぞ。何回謝罪させる気だよ。

「なんで僕が、とでも言いたげね。ダメよ、異議は聞き入れないわ。あんたの友達がしでかした不始末でしょ? 友達であるあんたが責任を取るのは当然の事よ」

「そうよ、責任取りなさいよ!」

「エリに酷いこと言うなんて、許せないわ」

「謝ってよ内海!」

 そばにいた真弓田の友人たちまでもが、僕に謝罪を要求しだした。

 君らは関係ないじゃん……。


 しかし、ちょっと待ってほしい。

 こんな理不尽な話ってある? 何で先輩の非礼な発言を僕が謝罪しなきゃいけないのか。

 この要求には腹が立ったけど、でもこのままじゃらちが明かない。僕が謝らないことには真弓田の怒りは収まらないだろう。とにかく今は一刻も早くこの騒ぎを鎮めたかったので、不服ながらも僕はもう一度謝ることにした。


「ごめんなさい、先輩が酷いこと言って……」

「そんなんじゃ駄目よ」

「え?」

「土下座してよ」


 何を言い出すんだこの女は。土下座?


「土下座?」おうむ返しのように口に出してしまった。

「そうよ、本当にすまないと思ってるなら、ここで土下座して私にきちんと誠意を見せて」

「……」僕は言葉を失った。真弓田は本気らしい。その言葉には妥協を許さない響きが感じられた。


「内海君、このままじゃエリの気が収まらない。ここは素直に従った方がいいと思うよ」

 北条がニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら言った。

 クラスの連中もこちらを注目している。その顔には北条と同様、嫌な笑みが浮かんでいた。


 どうしよう。まさかこんな事になるなんて。これも全部先輩のせいだ。先輩が真弓田にあんなことを言うからいけないんだ……。


「ほら、どうしたの? さっさと土下座してよ」

「僕が――」

「そうよ、あんたが土下座すんの。早くしてね、じゃないとホームルーム始まっちゃうからさぁ」

 時刻は八時二十八分を過ぎていた。もうすぐ予鈴が鳴る。そしたら先生が教室にやってくるだろう。

「まさかとは思うけど、土下座を拒否するつもりじゃないだろうね。エリを怒らせると怖いのは君もよく知ってるだろう?」北条が言った。

「大丈夫よ、トッシー。こいつは私に逆らえない。てゆうか、逆らう勇気なんて無いんだから。ねぇ? う・つ・み・く~ん♪」僕を挑発するような態度で真弓田が言った。

 さすがにカチンときた。


 僕は真弓田を睨みつける。


 みんなの前でバカにされ、プライドを傷つけられ、辱められ、理不尽な要求をされて、いくら弱虫な僕でもこれには本気で腹が立った。


「え、何? その顔は」

 僕が珍しく怒りを露にしたことで、真弓田は少し驚いた様子だった。

「もしかして、怒ってるの?」


 そう、その通り。

 僕は怒っていた。沸々と怒りが湧いてくる。


 これは意外な展開だった。

 いつもだったらこういう場面で弱気や羞恥の感情に支配されてしまい、特に抵抗もすることなく土下座してしまっていただろう。でも、今日は怒りの感情が勝っている。弱気も羞恥も心の奥に引っ込んでしまったようだった。


 僕はいったいどうしてしまったんだろう。これは先輩の影響なのだろうか。


 うん、たぶんそうだ。だって僕は先ほどの先輩と真弓田の激しい言葉の応酬を見ていて恐怖を感じつつも、心のどこかでは痛快さみたいなものを感じていたんだ。


「ど、どうして土下座なんてしなきゃいけないんだ……」

 僕は思っている事をそのまま口に出した。怯えと怒りで言葉がかすかに震えていた。

「僕は、ど、土下座なんて、しないよ……」

 なけなしの勇気を振り絞って僕が放ったその言葉に、真弓田も北条も、そしてクラスの連中も驚愕している様子だった。まさか僕が反抗するとは思わなかったんだろう。


「内海君、自分の立場ってものをわかって言っているのかい? 君に僕らの言うことを拒否する権利なんて無いんだよ」北条が言った。

「ぼ、僕は、君らに謝らなきゃいけないことなんかしてない。逆に、君たちが僕に対して謝罪すべきじゃないのかな?」

 僕がそう言い終えるとほぼ同時に、腹部に強い衝撃を受けた。

 真弓田がいきなり僕のお腹に全力の蹴りを入れたんだ。あまりに突然の事だったので避けようもなかった。


「ぐぶっ!」


 豚みたいなうめき声を発し、僕はお腹を押さえて床にうずくまった。それは息が出来なくなるほどの強烈な一撃だった。肺が潰れてしまったんじゃないかと思うほどの衝撃と苦痛で目に涙がにじむ。無防備状態へのお腹への攻撃なんて反則だ。


「お、おい、突然どうしたんだよ、エリ!」隣にいた北条までも、戸惑いを隠せない様子だった。

「こいつが生意気な態度とるからムカついちゃってさぁ……」

「だからって、お前……!」

「もう、うるさいなぁ、トッシーは黙っててよ」真弓田はうんざりした様子で言った。

「……」


 突然の真弓田の暴力行為に驚き、戸惑っていたのは北条だけじゃなかった。僕らの様子を対岸の火事でも見るような様子で窺っていた真弓田の友達も、そしてクラスの連中も言葉を失っている。


「真弓田の奴、どうしたんだよ」

「内海の奴、うずくまったまま動かねえぞ」

「あれは痛かっただろうな……」


 皆、口々に驚きと戸惑いを露わにした。この瞬間、教室は何だか異様な雰囲気が漂っている。


「内海くん、言ったでしょ? 私を怒らせると怖いって……」

 うずくまったままゆっくり顔を上げると、真弓田が怒りに燃える目で僕を見下ろしていた。それは寒気を感じさせるほど恐ろしくて、真弓田のことを心の底から怖い女だと思った。

「こうなったのも、あんたとあの女が悪いのよ。だよね、トッシー?」

「え? あ、ああ……」北条は肯定の言葉を口にしたけど、狼狽えている様子が声から伝わってきた。

 まあ、そりゃあそうか。自分の彼女が暴力行為を働いている場面なんて誰だって見たくない。



 と、ここでクラス内の異様な空気を破壊するように勢いよく音を立て、教室前方にあるドアが開いた。

「!」

 真弓田も北条も、余程驚いたのか、まるで何かのたちの悪い病気の発作でも発症したのかと思うくらい体をビクッとさせて視線を教室前方に移した。先生が入ってきた、と思ったんだろう。クラスみんなの警戒の視線がドアから入ってきた人物に注がれた。


「んふふ~♪」


 ドアから現れたのは尾島君だった。何かいいことでもあったのか、鼻歌なんて口ずさんでいる。顔には気持ちの悪い笑顔が浮かんでいる。


 しかし、お腹を押さえて床にうずくまる僕の姿を視界に捉えると尾島君は立ち止まった。遅刻してきた彼は、当然のことながらこれまでの経緯を知らない。

「内海、お前何やってんの?」まるで不可思議な現象に遭遇したかのような表情で僕を眺め、尾島君が尋ねた。


 でも、僕は何と答えていいのかわからない。考えがまとまらない。


 真弓田に蹴られた、なんて正直に言っていいものか、判断が付かない。

 尾島君まで巻き込みたくないし、これ以上真弓田の怒りを買うような行動は慎むべきだと思った。


「……」

 僕は尾島君の質問に無言で答えることにした。


「なんだよ内海、黙ってちゃわかんねえだろ」

 尾島君がこっちに近づいてくる。

「ねえ、外野は引っ込んでてくれない?」

 尾島の前に真弓田が立ちはだかる。

「なんだよ。お前に話しかけてねえだろ。内海に聞いたんだよ」

「うるせえな、キモト。こっちに寄るんじゃねえよ!」真弓田が怒鳴った。

「尾島君、これは僕達の問題なんだ。君は引っ込んでいてくれないか?」

「そうよ、邪魔だからあっち行ってろよ!」

 真弓田と北条が嫌悪感をむき出しにして言った。


「……ふん、わかったよ」

 尾島君はそう言って自分の席に着いた。


 ちょっと安心した。尾島君まで暴力の被害に合うのではないかと内心かなりヒヤヒヤしていたんだ。

 ここでようやく予鈴が鳴る。それを聞いて北条が、我に返ったように少し慌てた様子で真弓田に声を掛けた。

「なあエリ、そろそろ先生が来るぜ。今日はもうこの辺にしとけよ……」

「……そうね」


 不服そうだったけど、真弓田は意外にもそれで引き下がる事に決めたようで、うずくまったままの僕を残して、北条も真弓田も、その友達連中も自分の席に戻っていった。


 僕ひとりがその場に残された。

 

 当然のことながら、クラスの誰も心配して寄ってくる様子も、助け起こしてくれる気配もない。


 まあ、そうだろう。

 誰かが助けに来てくれるのを望んでいたわけじゃないし、このクラスの中にそんな優しい人はいないと知っていたからね。


 一瞬、水川さんの顔が頭をよぎったけど、もう彼女が僕を心配してくれる道理はない。


 僕は痛むお腹を手で押さえてゆっくりと立ち上がり、自分の席に戻った。

 そして、机にぐったりと突っ伏した。


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