7/9
∞無限の女神 共通① 慮妹
『この娘は存在してはならぬ!!』
『国の敵!民の敵!世界の敵!』
『殺せ!焼きはらえ!!』
『きゃああああ!!』
――今日は13月100日、私は数年前から決まって同じ夢を見る。
始まりも終わりも、残酷で苦しい。
私はいつも木にはりつけられており、足には燃えたぎる紅い炎がある。
焼かれて歓喜に狂う民衆の姿があるだけだ。
「メイア、どうした?」
「サッド……」
サッド=エクトーヴァは私の義兄であり、10年前に王からこのジュエリット国を奪い国を治めている大公。
「なんでもないわ」
彼は同時期に記憶をなくし、さ迷っていた私を拾ってくれた。
「それならいいが、学園で苛められたらすぐに言えよ」
私は魔法学園に通っている。魔力があるものは制御の忍耐力を身に付けななければ危険なので、身分に関わらず強制的に入るのだ。
「ふふ……子供みたいな言い方だわ」
あの悪い夢は傷がない間に実際にあったのかとも考えたが、私の肌には火傷の痕なんてないのだ。