§殺戮少女 共通①
私の父は医者で惑星プルテノの貧困街へきていた。
だけど父親が先に帰ってしまい知らない街に置き去りにされていた。
『こんなとこに女一人でいたら危ないぞ』
そんなとき、フェルディーチ=レムソンという男に出会う。
『治安の悪いところなの?』
『どう見てもそうだろ。医者の娘なんだったらそれくらい察しろよ』
彼はやれやれと、呆れながらため息をつく。
『どうして医者の娘とわかるの?』
『俺も診察してもらったからな』
彼は薬の入った袋を見せる。
『あの、実は……』
私はフェルディーチに経緯を話す。
『まさか、捨てられたのか?』
『どうして?』
なんで彼はそんなことを、捨てるなんてあるわけないじゃない。
『普通の父親がこんな治安の悪い星に娘を連れてきて置き去りにすると思うか?』
『……そうよね』
■
少女メルフィ=フュダネルはチイユ星でも名のある医者の娘。
魔法学院でも成績優秀の優等生だった。
しかし彼女は父親から密かに不老不死の人体実験をされていた。
父親は星府への露見を恐れ、彼女を殺し遺体を惑星プルテノへ捨てる。
しかし彼女はどういうわけか蘇っていた。
いや、生き返ったのではなく死んでいなかった。
彼の実験は成功していたのである。
少女は名を変え、父への復讐を誓うのだった。