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第二十章
マルジェラがAと契約し、道端で気絶してから、一時間ほど経過した。
倒れているマルジェラの近くに、一台のライトバンが停止する。
中から、一人の男が出てくる。
「これは……先ほどの天使騎士か?」
出てきたのは、「星の鷹」の高田だった。高田は戦闘が収まったのを見て、まだ倒れていた部下や、逃げ回っていた部下を回収している途中だった。
倒れているマルジェラに近づくと、マルジェラの皮膚が薄く光り、所々、毛皮のように変質しているのがわかった。
高田も、これがどういう現象なのかは知っていた。
「魔力暴走――まだ、抜けてないのか? いや、こんなにひどかったか?」
高田は部下を呼ぶと、マルジェラを運ぶよう指示した。
「本気で、こいつ連れて帰るんですか?」
「ああ。女性をこのままにしておくわけにもいかないだろう」
「いや、そういう問題じゃ……」
「あいつに見せよう。上手く恩を売れれば、味方になってくれるかもしれない」
部下は、高田の呑気な考えに内心で悪態を吐いたが、逆らうわけにもいかないので、マルジェラを引きずって、ライトバンの後部座席に乗せた。




