第11話
<10~11日目>
道中、冒険者3人組に武器を使った戦い方を教えてくれるようにお願いしてみた。
3人とも快く引き受けてくれたので、休憩時間や野営の時に時間を見つけて訓練に励んだ。
おかげでスキルが回収できました。感謝!!
お礼に、【HPポーション(小)】をお裾分けしておきました。
喜んでくれたので良かった。
【11日目を終了します。現在のカグヤのステータスは以下の通りです。】
名前:カグヤ 種族:人間 性別:女 年齢:15歳
LV:40 MAX HP:302(372) MAX MP:322(642)
STR:306
AGI:308(358)
DEX:295
INT:320(620)
VIT:294(314)
MEN:297(527)
LUC:295(395)
所持称号:完全適合者・魔術の深淵を求める者・妖精女王に祝福されし者・冒険者
新たなスキル【片手剣 LV1】【槍 LV1】【槌 LV1】【小盾 LV1】を取得しました。
<12日目>
【イリーエの村】までの道中は平穏無事に過ぎた。
まぁ、野獣に襲われたくらいで、この世界の旅路としては平穏と言うほかは無いそうだ。
さて、村へ着くと早速取引開始。
私たち護衛も、滞在中はある程度自由が許される。
なんせ商売に関しては素人の冒険者だ。いても邪魔になるだけだし。
「うーん、あわよくばスキル取得と思ったけど、さすがに上手くはいかないか~」
取引をいくら眺めていても商人系のスキルは手に入らなかった。
やはり実践が必要なのだろうか。
眺めているうちに気がついた。
どうやら、この世界では、文字の読み書きや計算は、誰でもできることでは無いらしい。それとなく隊商の人に尋ねてみたところ、「そりゃあ、ちゃんと学問所に通ったり、商人のところで奉公したりして自分で覚えなけりゃ無理だろうなぁ」とのこと。
自分から、計算得意ですよとアピールして、仕事の手伝いをさせてもらうことに。
新たなスキル【商人 LV1】を取得しました。
システムアナウンスきました。やはり実践が必要な模様。
重宝され始めてきたところで、お礼を言ってそそくさと逃げ出した。
別に商人になりたいわけじゃ無いので。
さっそくリィと一緒に海へいってみることにする。
泳げるような整備された海では無いと言うことなので、村人情報をもとにしてオススメ釣りスポットへ来てみました。
「釣りなんて初めてです~」
「私も実践するのは初めてよ。気楽にいきましょ」
釣りゲームをやったことはある。巨大鮫さえ釣り上げた私の腕を見せてやる!
ま、【幸運】持ちだし、ボウズってことはないでしょ。
と、釣り糸を岩場から垂れること1時間。
「お姉ちゃん、いっぱい釣れたね~♪」
「そうねー。こんなに釣れても困るわね・・・」
まさに売るほどある状態。
わずか1時間でこれだ。漁師やっても生きていけるんじゃない!?
新たなスキル【釣り LV1】を取得しました。
村へ戻ると、宿の女将さんにびっくりされた。せっかくなので、釣れた魚を全部渡して、美味しい料理を食べさせてもらうことにしました。魚料理のレパートリーも増えて一石二鳥です!
新たなスキル【魚類知識 LV1】を取得しました。
「お嬢ちゃん、その年で釣りが趣味たぁ、いい趣味だな!」
「いや、趣味というほどのことでは・・・。食糧確保の手段ですから」
現地民とおぼしき、いい感じに日焼けした『海の男』がジョッキ片手に話しかけてきた。
「うちの村を含めた【東の青海】には【幻の蒼玉魚】って伝説があってな・・・」
イベントフラグかな、これは。
「へぇ~、面白そうな話ですね。ぜひ聞かせてもらえませんか?」
麦酒のおかわりを勧めながら、おっちゃんの話を聞くことにする。
まとめると以下の通り。
①東大陸の北の海一帯に伝わる伝説。
②青く光り輝く鱗に包まれた、それはそれは美しい魚。
③その身を食したものには水神様の加護が与えられる。
食べちゃったのに加護が与えられるって何か微妙じゃない?
にしても、あからさまにイベントっぽいけど・・・。こんな初期イベっぽくないけどなぁ。
発生条件がパラメータと【釣り】スキルなのかな?
まぁ、釣れなかったとしても別に損にはならないし、ちょいと夜釣りと洒落込みましょうかねぇ!
「お姉ちゃん、暗くてよく見えないよ~」
あたりは真っ暗。月と星の明かりで、目が慣れてくればなんとか歩ける程度。
とはいえ、間違って海に落ちたりしたら洒落にならないので、とりあえず魔法の明かりを点けて村から離れた岩場へ向かう。なんでも、300年くらい前にその岩場で蒼玉魚を釣り上げた人がいたらしい。ホントかどうか定かじゃ無いらしいけど。
私たちの持ってきたショボい釣り具一式じゃあ話にならないだろうってことで、村の人が貸してくれた本格的な釣り具一式を背負って岩場へ。
魔法の明かりを消すと、自分とリィに闇系統魔法【闇を見通す目】を使う。15分間、一切の明かりが無くても通常通りの視界が得られるという、どちらかというとまっとうじゃない職業の人が喜ぶような魔法でした。
昼に釣り上げた小魚を餌にして、えいやっと投げ込む。
そして待つ。
色んな種類の魚を釣り上げた。大物ばかりで、これだけでも素晴らしい釣果だ。
そんなとき。
「上手に釣れました~!!」
真っ青に煌めくお魚さんが釣れました。
予想に反して小さい。せいぜい20cmといったところかな。
蒼玉っていえばサファイアの別名。ホントに宝石のような魚だった。
「こんな簡単に釣れていいんだろうか・・・。ステのどの辺が条件なの、これ?」
ちょっとあきれかえって蒼玉魚を見つめていると、目が合った。
目と目で通じ合うって感じ。
あれあれっと思っている間に、蒼玉魚が姿を変えていくと、20cmくらいの真っ青な髪と瞳を持った全裸の少女が岩場に立っていた。
『うわー、参った参った。すっごく久しぶりに釣られた~!!』
開口一番それですか。
「あー、えーと、あなたは?」
『あたし? あたしはサファイア。水神様の御使いよ』
えっへんと胸を張る少女。
「御使い?」
『んーとね、そうね、水の精だと思ってくれればいいわ』
ふむ。精霊さんですか。
「じゃあ、食べていいですか?」
『うん、いー・・・わけないでしょ!? どうしてそうなるの!?』
「だって、食べると水神様の加護が得られるって・・・」
『そんなわけないでしょ!!』
あきれられました。
どうやら食べるという下りが間違いらしい。
そうだよね。こんな美少女食べるとかどんな猟奇作品なのって感じだしねー。
『正解はこれ。あたしを捕まえられたってことは、あなたには資格があるってことだから』
そう言って少女が掌に生み出したのは、1粒の蒼く輝く宝石だった。
『これはあたし。水の守護石。これを飲み込むのが正解』
「え、飲むの?」
結構大きい。カプセル薬よりは明らかに。
ちょっと苦手かも。
『これをその身に宿したものは、水の加護を得ることができるの。あなたは水の気配も強い。守護石の魔力に負けないだけの生命力、精神力も備えている。だから大丈夫よ』
にっこり笑うと、その宝石を私に手渡してくれた。
毒くらわば皿までっ!!
口に含むと、水筒の水で一気に流し込む!!
「う・・・」
塊が胃まで滑り落ちたかと思うと、一気に弾けた。
体中のすみずみまで、細胞の1つ1つにまで水の魔力が染み渡っていくような感覚。痛みは無く、むしろとても清々しいような、気持ちのいいような不思議な感覚。
『ほら、大丈夫だったでしょ? これであたしはあなたのもの。末永くよろしくね、ご主人様』
微笑みながら、目の前で少女は蒼い光の粒へと変わり、私の右手に飛び込んだ。
「うわあっ!!」
びっくりしたぁ~。大丈夫かな?
おそるおそる右手を見てみると、右の小指の爪が、キレイに蒼く染まっていた。
「キレイだね、お姉ちゃん」
「そうだね、キレイだね-」
『でしょ~。気に入ってもらえて良かった~』
「うん、気に入ったよ・・・ってあれ!? 消えたわけじゃ無いんだ。」
『もちろん。守護石は私っていったでしょ。改めて、末永くよろしくね♪』
私、右手に水の精を飼うことになりました。えへ。
【条件を満たしたため、水系統魔法のレベル制限が解除されます。第8階梯へレベルアップします。また、条件達成により新たな称号【蒼の祝福】を獲得しました。】
村への道すがら、色々聞いてみた。
まず、サファイアは私の魔力を吸って生きていくとのこと。とはいっても、法外に吸われて痩せこけて死ぬとかそういうことではないらしい。ほっとした。
そして、水の守護石を体内に取り込んだことによって、水系統魔法のレベルキャップが解除されるんだそうだ。私は知らなかったけど、第8、第9階梯に達するためには、それぞれ条件を満たす必要があるらしい。水系統魔法の第8階梯に達するための条件が、水の守護石を取り込むことだったみたい。知らなかったけど、結果オーライってことで。
サファイアは他の条件に関しては『知らないことになっているのよー』と言っていた。まぁ、簡単にバラしていいことじゃないだろうから、おおかた水神様にでも口止めされているんだろう。
いつか水神様とやらにも会ってみたいものですね。
そして、水の守護石だけあって規格外の能力付きであることが判明。
まず、水系統魔法の消費MPが全て1になること。使い放題です(笑)
次に、水系統魔法の威力が+50%されること。うん、ありがちではあるけど効果大。
で、これが本題。
『自分自身に対する水系統魔法の無効化(任意)』
要するに、水系統魔法では私にダメージを与えたり、効果を及ぼせなくなるということ。
任意ということなので、取捨選択できるってことだね。
攻撃魔法は無効化、補助魔法はOKとか、そういうずるいこともできるってことだ。
うん、【蒼の祝福】マジパネェっス!
おそらくこんな初期に達成可能なイベントでは間違いなくない。
おそらくイベント開始条件自体も厳しいものだろうことは簡単に推測できる。
だって、無効化ってありえないでしょ・・・。
自分のチート性能が恐ろしい!
『私が誰かを守護するなんて、ものすごく久し振りなんだよ? 水の精は珍しくも無いけど、水の聖霊は私一人なんだから』
水の精?
水の聖霊?
違いがよくわかんないぞ。漢字表記の差?
『そんなことも知らないで私を捕まえたの? うーん、今回のご主人様は天然?』
ちょっと呆れたような感じが伝わってくる・・・。
だって、異世界だし!?
『しょうがないなぁ~、このサファイアちゃんがざっと教えてあげる♪』
「先生、よろしくお願いします!」
えー、サファイア先生が説明してくれたところによると・・・
【精霊】というのは、地水火風光闇の6系統を現世に実体化させる触媒のような存在で、【聖霊】というのは、地水火風光闇6系統を存在させる原料の様なものなんだそうだ。だから、水系統魔法を好き勝手にできるということらしい。
めっちゃエライんじゃない、サファイアってば?
『そうなの、エライの! もっと褒めてもいいんだよ?』
「はいはい、サフィはえらいでちゅね~」
なでなでしてやろう。
『えへへ~』
何か可愛いぞ、この生き物。あ、聖霊さんだから生き物じゃないか。
もっとなでなでしてあげよう。
『じゃなくて!! あ、でもサフィって呼び方は気に入ったよ。これからはそれでお願いね♪』
さて、暗闇の中を歩くことしばし。
村へ帰ってきた私たちを村人、隊商の人たち、護衛3人組がそろって迎えてくれた。
「で、どうだった?」
「うーん、たくさん釣れましたけど、蒼玉魚なんてのはいないですねー。初めて見る魚ばっかりでしたから、ぜひ鑑定して欲しいです」
さすがに釣れなかったことにしておいた。いくらなんでも大事過ぎる。
嘘をついて誤魔化し、釣った魚を入れていた籠を村の人に見てもらう。
「うおっ! 珍しい高級魚ばっかりじゃねえか!!」
「すげえ、オレも初めて見たぜ!」
なにやら驚かれてしまった。美味しいのかな、この魚たち・・・。
「みんなで食べましょう!!」
にっこり笑ってサムズアップ。
突発的に宴会が始まりました。
お魚さん達はどれも実に美味でした。ごちそうさまでした。
【12日目を終了します。現在のカグヤのステータスは以下の通りです。】
名前:カグヤ 種族:人間 性別:女 年齢:15歳
LV:40 MAX HP:302(372) MAX MP:322(642)
STR:306
AGI:308(358)
DEX:295
INT:320(620)
VIT:294(314)
MEN:297(527)
LUC:295(395)
所持称号:完全適合者・魔術の深淵を求める者・妖精女王に祝福されし者・冒険者・蒼の祝福
新たなスキル【商人 LV1】【釣り LV1】【魚類知識 LV1】を取得しました。
【水の聖霊】サファイアと契約し、新たな称号【蒼の祝福】を獲得しました。条件達成により【水系統魔法 第8階梯】にランクアップ。以後【水系統魔法 第8階梯】が使用可能になります。




