第116話
短いですが、ひとまず投稿です。
<77日目①>
昨日のうちにそれぞれの私室は生産スキルで改造してしまった。
じゃないと快適に寝られないからね!
QOSは大事です。
さて、今日は温泉計画をまず実行してしまわなくては。
昨日は生活魔法で我慢したけど、実現可能なことをしないのはいけないと思うの。
「ご主人様は本当に入浴がお好きですね」
「主殿は温泉に入りたいだけじゃろう」
なにやら失礼なことを言ってるわね。
そんなこと言ってたら使わせてあげないんだから。
いつものように空中から天空城を俯瞰して、最適なポイントを探していく。
やはり露天風呂を考えたときに、景観は大事なポイントよね。
「どうやら、ここが一番のようね」
数カ所を吟味して最終的に候補地になったのは、島の西端。
城からほぼ真西にまっすぐ進んだところにある半島的な部分だ。
「ここなら建物と露天風呂と、それぞれいい感じに作れそうよね」
「確かに。野趣溢れるって感じがぴったりじゃねえか」
「脳筋熊のくせにいいことを言う。だがお姉様は渡さない」
「もう脳筋呼ばわりかよ。あと、カグヤは狙ってねえからな!?」
「その発言は発言でムカつく」
「どっちだよ!?」
まぁ、カブトとエレナはほっといてと。
「サフィ、ルビー、トパーズ」
三聖霊を呼び出すと、まずは地形改造から。
土地を調整し、建物を建てる予定のところは平坦に。露天用の部分はあえて起伏をつけることにする。
そして、地下水脈的なものは存在しないので、サフィの力で無限にわき続けるような水源を確保し、ルビーの力でその水源を適温になるように調整してもらうことに。
お湯に含まれる成分に関しては、周辺の土地をトパーズの力でいじってもらい、美肌の湯的な成分にしてもらうことで万事解決である。
これで無限に湯の湧き出る天空城温泉の完成だ。
「さぁ、早速入りましょう!」
「お姉様、まだおあずけ。やることやってからが良いと思われ」
「やることなんてあったっけ。温泉に入ること以外に何があるというのか、いやない!」
「反語表現を使ってもダメ。エクストラクエストについてきっちりしてから」
「おんせんー。温泉に入りながらそうだんしましょうそうしましょう」
「テコでも動きませんね」
「そうじゃな。エレナ、ひとっ風呂浴びさせてしまうとよいわ。主殿の言う通り、中で相談でもいいじゃろ」
「むう。仕方ない、妥協する」
勝ったわ!!
「では、男湯はあちら。女湯は作戦会議で」
カブトたちは放っておいて、女子組はいそいそと脱衣所へと移動する。
「我ながらいい出来ね!」
露天風呂の具合を確かめて自画自賛する私。
岩に囲まれた作りといい、遥か遠くに霞む雲の山といい、実に日本的。
やはりこのこだわりは捨てられないわね。
「うむ。やはり温泉はいいのう」
「その通り。日本文化の極み」
「魔界にもこんな温泉があるといいのですが、入ったら死ぬようなものばかりで」
「そんな温泉イヤよ」
そんな他愛のない会話をしながら、しばらく湯に浸かってリラックス。
「さて、主殿よ」
アディが頭の上にタオルをのせたまま話しかけてきた。
「どちらから攻略するのじゃ?」
「そうだねぇ~」
風の聖霊クエストか機神剣クエストか。
私の中では答えは決まっていた。
「機神剣クエにしましょうか」
「わかった。お姉様がそう言うなら異論はない」
「なぜか理由をお伺いしても?」
「正直、好みとしか言えないんだけどね」
私は重要なイベントは後にとっておきたい人なのですよ。
「ご主人様がそうおっしゃるのであれば」
「そちらを露払いにしようということじゃな」
「まあ、そんなところね」
深い理由はないんだけど、そういうカンみたいなものには従うことにしてるのよね。
カンって大事でしょ?
「じゃあ、温泉ですっきりさっぱりしたら早速行きましょう。ね、お姉様?」
「もうしばらくのんびり浸かってからね~」
一休み、一休み・・・。
なんて言ってると、エレナがぴったりくっついてきて油断も隙もない!
私にはその気はない。
ないはずなんだけど、人肌って気持ちいいよね??
そのうちレアとアディもくっついてくるし、リィは頭の上に乗るしでもう大変。
こら、レアは変なとこ触らない!!
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壁||ω・`)じー




