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お嬢様について その5

15年前


「カイル、お前は今日から柊と名乗れ」


「はい」


私は、父にドンの別宅へ向かう途中そのように指示された。



父は、幹部の中でも7武神の中の一人だ。


バレルファミリーは、ドンを中心に7武神がいた。


金の管理をする部署

島の警備を担当する部署

船の警備を担当する部署

武器を管理する部署

暗殺を担当する部署

外交を担当する部署

内部の監査を担当する部署


以上に分かれているすべてのトップのことを指す。


内部の監査を担当する部署のトップに立っていたのが父だ。

バーン・アウディト。

不器用な父だったが、仕事での信は厚い人だ。


「お前は、ドンの末娘ヒノエ様の従者だ。わたしの息子では無くなる。よいな、励め」


「はい」







「失礼いたします」


そう言って入ってきたおっさんは馬鹿でっかくて、ついでに恐ろしかった。

顔が。


「ヒノエお嬢様だ。柊」


「……、柊です。よろしくお願いいたします」


「あぅー」(よろしくー)


次に入ってきた少年は、美形だった。

青い眼に茶髪。

身長およそ165センチ

隣の厳ついおっさんは、2メートルを超えていそうな身長だ。

顔が怖いを足して、2重苦。


(恐ろしい。この世界はイケメン仕様じゃなかったのか)






案内された別宅の最奥、そこがお嬢様の聖域でした。

扉を開けて眼に入ったのは、小さな赤子だった。

標準よりも小さい赤子で驚いたことを覚えている。

抱いた時、大きく零れそうな黒眼でじぃーとこちらを見つめていた。

泣く訳でもなく、ただ見つめられていた。

最初、赤子と抵抗があったが、すぐに吹き飛ばされ可愛さに負けたのだ。



(近くでみると、ますます美形だ♪)








「お嬢様、あーん」

「お嬢様、オムツ変えましょうね~」

「お嬢様、ねんねの時間です」

「お嬢様、…」




「はぁ…」(甘かった)


その後、どうでもいい羞恥心と戦うことになろうとは、あの時ちっとも考えていなかった。

最悪だ。








私は、お嬢様が可愛くて仕方なかった。







私は、ドンの娘として羞恥心と戦った。






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