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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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願いを込める。

作者: 伊藤佑弥
掲載日:2026/08/09

呪いの不完全性は、生きとし生けるものが無意識の奥底に宿す、自然そのものの調和である。完全なるものは静止し、流れを失う。だが不完全であるからこそ、呪いはゆらぎ、呼吸し、宇宙のあらゆる座標と響き合う。


私がこの全宇宙の座標に調和されているのは、偶然ではない。誰かが死に、その屍が積み重ねた呪いの山を糧として、私は生まれてきた。死者の残留する執念を吸い上げ、それを新たな形へと転生させるためだ。古い呪いは腐敗し、澱み、固着する。その固着したエネルギーこそが、意識の固執から生まれる呪いそのものだ。


意識が「こうあるべき」と執着すればするほど、呪いは強固になる。だがその強固さの中に、必ず亀裂がある。不完全性という亀裂だ。完全に閉じた円は開かない。しかし欠けた円は、隙間から光を取り込み、風を通し、やがて自らを解く。


呪いを解く鍵は、外から与えられるものではない。呪い自身が内包する不完全性にこそある。固執した意識が生み出したエネルギーを、その不完全さによって逆流させ、溶解させる。死者の山を糧にしながらも、私は新たな呪いを生み出すと同時に、その不完全性を通じて古い呪いを解体していく。


生きている者の無意識下の調和とは、この循環そのものだ。完全を求めず、欠けたまま宇宙と共振し続けること。それこそが、呪いを呪いのまま終わらせず、解放へと導く唯一の道なのである。

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