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人族のギュンターが現れた


レイン、エリス、カリンは戦場の最前線で激しく奮闘していた。エリスは遠距離から正確な弓で次々と敵を仕留め、カリンは手にした斧で次々と人族の兵士をなぎ倒していた。しかし、彼女たちの疲労は明らかだった。人族の物量は圧倒的で、いくら倒しても次から次へと新たな兵士が押し寄せてくる。


「まだ来るのか…」レインは息を切らしながら呟いた。彼自身も剣を振るい、敵兵を倒し続けていたが、その数は一向に減る気配がない。戦場は次第に混沌とし、シャドウフォークの仲間たちも疲弊しつつあった。周囲を明るくされないよう、彼らは魔術師を優先的に狙っていたが、敵の攻撃は止むことなく続いていた。


エリスが放った矢が、一人の魔術師の頭部を貫き、瞬間的に光が一つ消えた。彼女は息を切らしながらも、次々と矢を放ち続けていたが、その表情には疲労の色が浮かんでいた。カリンもまた斧を振るう手が鈍くなってきている。頑張って戦ってはいるが、彼女の顔にも焦りが見える。


そんな中、戦場の騒音に紛れて、異様な気配が近づいてくることにレインは気付いた。


「何だ…?」レインは眉をひそめ、周囲を見回した。すると、人族の群れの中から一人の男がゆったりと歩いてくるのが目に入った。男は、まるで周囲の戦闘など眼中にないかのように、ゆっくりと歩みを進めている。その姿が周りの人々とは明らかに違っていた。男の持つ剣は異様に大きく、彼の身長をはるかに上回るほどの大きさだった。


「何だあの男は…?」エリスが息を詰めながら言った。


男は戦場の混乱の中でも、まるで自分だけが別の空間にいるかのような落ち着いた表情を浮かべていた。その顔には不敵な笑みが張り付き、周囲のシャドウフォークたちを見下しているかのような態度だった。目の前で仲間が次々と倒されていくのを目にしても、まったく動じる気配がない。それどころか、彼はニヤニヤと笑い続けていた。


「こっちに来る…」カリンが低く唸った。


レインは男の動きを見つめ、内心で嫌な予感が広がるのを感じていた。敵の兵士たちは、まるでその男に道を開けるかのように左右に散らばり、彼の通り道を作っている。それは、彼が並外れた力を持っていることを物語っていた。


男の足取りはゆったりとしたもので、戦場の喧騒とはまったくかけ離れた余裕が漂っていた。彼の不敵な笑みと、ゆったりとした歩き方が、レインの神経を逆撫でする。その顔には「貴様らなど相手にならん」とでも言わんばかりの態度がありありと浮かんでいた。


「…誰だ、あいつは?」レインは低く呟いた。すぐに、彼の心に確信が芽生えた――この男は強い。それも、自分たちがこれまで対峙してきた敵とは次元が違うほどの強さだ。


「奴の名前は…ギュンターだ。」エリスが目を細めながら、遠くに見える男を睨みつけた。「人族の中でも最強の剣士として恐れられている男だ。」


「最強の剣士…」レインは唾を飲み込んだ。そんな男が、自分たちに向かってゆっくりと近づいている。


ギュンターの大剣は、まるでその重量を感じさせないほど軽々と彼の肩に担がれている。普通の戦士であれば、その巨剣を持つだけで疲弊するだろう。しかし、彼はまるで玩具のように扱い、歩を進めていた。


「クク…」ギュンターは近づくにつれ、さらに大きな声で笑い出した。その笑いは、嘲笑と侮蔑に満ちていた。彼の目には、レインやエリス、カリン、そしてシャドウフォークたちが、単なる「虫けら」にしか映っていないようだった。


「こいつ…ふざけてやがる…!」カリンが苛立ちを隠せず、歯を食いしばる。


だが、レインは冷静さを保とうとした。焦りや怒りに身を任せては、この男には勝てない。そう悟っていた。


ギュンターは彼らの前で立ち止まり、大剣を地面に突き立てた。その音は戦場に響き渡り、周囲の者たちが一瞬、動きを止めるほどだった。


「お前らみたいな小物が、俺に逆らうつもりか?」ギュンターは挑発的な言葉を吐き、レインたちを睨みつけた。その態度はあまりに自信に満ち溢れていて、彼が本当に強大な力を持っていることを否応なく感じさせるものだった。


レインは冷や汗をかきながらも、心の中で覚悟を決めた。この戦いは容易ではない。ギュンターという圧倒的な力を持つ男が相手なら、命をかけた決断が必要だった。

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