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密輸組織リーターとの対決

薄暗い倉庫の中、重々しい沈黙が漂っていた。目の前に立つ密輸組織のリーダーは、レインとは対照的に堂々とした風格を持ち、彼の鋭い視線は、まるで全てを見透かしているかのようだった。身長はそこまで高くないが、がっしりとした体格と厚い筋肉がその威圧感を際立たせている。彼の手には大きな戦斧が握られており、まるでそれが彼自身の一部であるかのように馴染んでいた。


レインは一瞬、その斧の重さを想像し、その一撃を受けたらどうなるかが頭をよぎったが、すぐにその思考を振り払った。今は集中しなければならない。


リーダーが動いた。その巨体からは考えられないほど素早い動きで、斧が唸りを上げて振り下ろされる。レインは反射的に影に潜り込み、その攻撃をかわした。しかし、その直後、リーダーの動きが変則的になり、二撃目がすぐに続けられる。今度は横薙ぎの一閃だ。影から飛び出して回避するも、その攻撃の威力と速さは予想以上だった。


「さすが密輸組織のリーダーか…簡単にはいかないな…」


レインは内心焦りながらも、冷静さを保とうと努めた。だが、リーダーの攻撃はまるで予測できない動きで次々と襲いかかってくる。まるでレインの動きを見透かしているかのように、あらゆる隙をついてくるのだ。斧が地面を叩き、床板が砕ける音が倉庫内に響き渡る。レインは影に潜みながら、何度も攻撃を回避するが、なかなか反撃のチャンスが掴めない。


「どうした?シャドウフォークの割には手応えがないな!」


リーダーが挑発するように声を上げる。彼の呼吸は荒いが、その体力はまだ十分に残っているようだった。一方で、レインも少しずつ消耗している。防戦一方ではいずれ限界が来る。レインはスキルを使って戦うことに慣れてきたとはいえ、これほど変則的な敵との対峙は初めてだった。


だが、レインの頭の中にある閃きが走った。


「そうか…こいつの攻撃は、一撃一撃が重いが、その分隙も大きい…」


そう悟った瞬間、レインは影の中に再び潜むと、次の攻撃のタイミングを待った。リーダーの斧が再び振り下ろされたその瞬間、レインは素早く影から飛び出し、リーダーの背後に回り込んだ。これが彼の狙っていた瞬間だった。リーダーが大きな斧を振り下ろす際、彼の動きが一瞬だけ止まる。その一瞬の隙を見逃すわけにはいかなかった。


「今だ!」


レインは影を利用して一気に距離を詰め、リーダーの背中に向かってナイフを突き出した。刃は寸分の狂いもなく彼の鎧の隙間を捉えた。しかし、リーダーは予想以上に頑丈で、ナイフは肉に届くが致命傷には至らなかった。


「くっ…タフな奴だ!」


リーダーは痛みを感じたのか、怒り狂ったように反転し、斧を再び振り回した。だが、レインは今度はその攻撃を冷静に見極めていた。スキルを駆使して、影の中で体を滑らせるように動き、リーダーの攻撃をかわす。その動きは徐々に洗練されていき、リーダーの動きを見切る感覚がレインの中に芽生えてきた。


「もう一度…今度こそ…」


レインは影を使い、再びリーダーの背後に潜む。そして、今度は影そのものを実体化させ、リーダーの足元に絡みつかせた。リーダーはその異変に気づき、動こうとするが、すでに遅かった。影は彼の動きを封じ、完全に身動きを取れなくしていた。


「これで終わりだ!」


レインは勢いをつけて跳び上がり、リーダーの胸元にナイフを突き刺した。今度こそ、致命傷だ。リーダーは呻き声を上げ、その場に崩れ落ちた。


倒れたリーダーの顔は苦悶に満ちていたが、彼はまだ完全には意識を失っていなかった。レインはリーダーを確保し、組織の全容を吐かせるために拘束することに成功した。倉庫の中での取引が中断され、他のメンバーたちが動揺している様子が見えるが、リーダーが倒れたことで組織全体に動揺が走った。


レインはその光景を冷静に見つめながら、内心で勝利を噛み締めていた。


「これで、密輸組織は終わりだ…」


その一方で、彼は自分のスキルが戦いの中で成長していくのを感じていた。スキルに慣れ、影を自由に操ることで、これまで以上の力を発揮できるようになったという確信があった。それでもまだ完全には自信が持てない部分があり、エリスには悟られないようにするためのさらなる慎重さが必要だと考えた。

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