95.できる人
地下にあるゴーレム工場へとやってきたのだが……。
「!? どうなってるんだい!? 通路が……おかしいよ!」
この工場の責任者でもある、エイダが通路を見てまず言う。
ふむ……たしかに、人工的に作ったにしては、通路の表面がヌルヌルとしている。
どくどくとたまに脈動もしている。これは……。
「迷宮化、してるな」
「父上さま、なんでしょうか、迷宮化って?」
フレイ、ミュゼが俺たちとともに同行してる。
尋ねてきたフレイに、俺は答える。
「古い建物がダンジョンになる現象のことだ」
ダンジョン。迷宮ともいう。
古い建物や、洞窟などの地下施設は、時間が経過すると迷宮になってしまうことが多いのだ。
「どういう理屈なんですか?」
「僕が説明しよう! そもそも」
以下略。
簡単に言うと、魔素と呼ばれる特別なガスが一定数たまると、そこがダンジョンになるそうだ。
「この地下通路って、ダンジョンができるほど古い物なのですか?」
ミュゼの問いかけに、ふるふるとエイダが首を横に振る。
「いや、そんなに古い物ではないね」
「ふむ、では【閉】がらみだろうな」
やつは俺と同じで、ステータスを操作することができる。
建物のステータスを開いて、ダンジョン化させたと考えるのが妥当か。
「す、すごいわねヒラクくん……そんなすぐに原因を特定できるなんて」
「というより、ステータスを今開いて確認したのだ」
そしてすでにダンジョン化は解除したからな。
「相変わらず、できる男だねぇヒラクくんは! すごいよ!」
エイダが笑顔で、俺の肩をバシバシ叩くのだった。




