88.危機感の欠如
俺はマギア・クィフ女王エイダと協定を結んだ。
とりあえずまずは、西の町ウェストランドの解放からだな。
「といってもヒラクくんがいればらくしょーだろうけどね! ね! ね! ね!」
「ひっつかないでくれ」
「あーんいけずぅう! ボクと君の中じゃないかぁ~♡」
竜車に乗ってる俺たち。
エイダは俺の真横に座って、腕をつかみ、ぐりぐりと未発達な胸をこすりつけている。
「……離れなさい。このロリ」
「んんぅ? なんだ君は?」
「ヒラク様の愛の奴隷! ミュゼ!」
「へー。性奴隷?」
「はい!」「違う」
断じてそういう目的でミュゼを置いてるわけではない。
「ヒラク様! いいのですよ! わたしはいつだってウェルカムです!」
「そうか」
「はい!」
「まあ不要だ」
「ヒラク様ぁ……!!!!!!」
正面に座るアーネットが額を抑えつつ言う……。
「緊張感なさ過ぎでしょこいつら……」
「仕方ない。精神的に未熟すぎるからな、こいつらが」
「いやまあ……てゆーか元凶君だけどね……」
「ふむ。そうか」
「そうだよ……君がどんな困難も一瞬で片付けるから、緊張感もクソもないのよ……」
「腐女子がクソなんて言うものじゃあないぞ」
「うっさいわ! 誰のせいだ誰の!」
文脈から察するに俺のせいなのだが、しかし……ふむ。
困難を余裕で突破することの、何が悪いのだろうか。
苦戦するより、素早く問題を排除した方が良いと思うがな。
そんな風に雑談してると、直ぐに西の町ウェストランドへと到着したのだった。




