86.ほんとに女王なん?
「是非ともヒラクくんを研究させて欲しい……」
「そのっまえにやることあるでしょうが、女王陛下っ!」
ずいずい、と顔を近づけるエイダ。
アーネットはその腕を引っ張ってせいする。
カノジョの言うとおりだ。
そのようなことは、この国を救ったあとでいくらでもできる。
エイダは「それもそうか」と言うとおとなしくなった。
一応の分別はついてるようだな。安心した。
俺は現在の状況をエイダと共有する。
東、南の街は開放し、次は西にあるウェストランドへ向かう途中。
「危ないと思うよ。西は今無数の魔導人形に占拠されているし」
「いや……大丈夫と思うわ、陛下」
「ふむん? そうなのかい。ま、そっか! なんてったって勇者がいるんだもんね!」
エイダがキラキラした目を俺に向けてくる。
「ささ、見せてさっそく見せておくれよ、君の力とやらを!」
ずびしっ、とエイダが窓の外を指さす。
フレイが顔を覗かせぎょっとする。
「た、たた、大変です父上さま! 敵が直ぐ近くまで来ております!」
ふむ、確かにそこには魔導人形がいた。
一見すると人間のような見た目をしてるが、つるりとした見た目の、まるでマネキンのような魔導人形だ。
「あれは初級の魔導人形だね」
超聴覚スキルを持つミュゼが接近に気づかないか。
ふむ、なんらかの特別な処置がされた、魔導人形なのだろうな。
「ふむ、問題ない。ステータス展開」
迫り来るマネキン魔導人形どものステータスを開く。
そして、状態を機能停止に書き換える。
しゅぅう……ん……という音がしたあと魔導人形が動きを止めた。
「うひょおお! すっごおおおおおおおおおおおい!」
エイダは窓から転がり落ちると、止まっている魔導人形の元へ向かう。
「信じられないよ! まさか魔導人形を触れず壊さず機能停止にしてしまうなんて! こんなの誰にもできにないよ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!」
……どうにも緊張感にかける女だ。
アレが本当に女王なのだろうか……?
するとアーネットも同感らしく、何度もうなずいたあとに言う。
「わかるわ。でも残念。あれがうちの女王なの……」




