85.転移門作れると知って超驚かれる
場所を馬車の中へと移す。
「エイダ様は……」
「エイダで良いよぅ。むしろ様とか着けられるとこそばゆい……」
ふむ。
だとしても王族に対して、フランクに接するのはどうだろうか。
とはいえ、相手の提案にむげにするわけにはいかない。
「こんなとこで何をしてたんだ? 女王なのに」
「セントラルから逃げてきたのだよ」
なるほど、セントラルに監禁されていたところ、西へ逃げてきた……と。
しかしなぜかエイダは目線を反らしていた。
はぁ……とアーネットがため息をつく。
「ヒラクくん、今の補足説明させて。この人の逃亡は、いつものことなの」
「ふむ? ……常習犯ということか?」
そう、とアーネットがうなずく。
「この人、王の仕事まったくやる気無いの。毎回逃げ出しては、ウェストランドにある研究所へ逃亡し、魔導人形の研究してるわけ」
「だ、だってぇ……! 仕方ないじゃあないかぁ! 王の仕事なんてつまんないんだからぁ!」
……なんとも度しがたい理由だった。
「それより未知なる物を研究するのがいちっばん楽しいし意義のあることだ! そうは思わないかい、ヒラクくーん?」
「王の仕事をしてくれ」
「まじめかっ!」
ややあって。
「ウェストランドへはどうやってきたのだ? 転移魔法か?」
「ううん、ポータル」
「ポータル?」
「設置型転移装置」
「そんな便利なものがあるのか」
「便利ってほどじゃあないよ。設置したら基本そこから動かせないし。装置もばかでかいし維持コストもかかる」
そう思うと、運用していくのは面倒だな。
「転移門は?」
「そんな凄い物あるわけないだろ」
するとミュゼが「ありますっ!」と胸をはっていう。
「ヒラク様は転移門を、一瞬で作れます!」
「な、な、なにぃいい~~~~~~!」
……ふむ、余計なことを。
「ほっほほ、ほほほほ、ほんとうなのかい!?」
好奇心の塊のような女なのだ、こうなるのは目に見えていた。
ぐいぐい、とくっついてきて尋ねてくる。
「ああ、まあ」
「ほぉおお~~~~~! すごぉおおおおおおおおい! なんだよ君ほんと凄いじゃあないかぁああああああ!」
……うるさい女だ、と思ってしまった。女王相手に不敬だろうか?




