76.トラップ解除型トラップも余裕
サザンの街へ向かう道中のこと。
「ミュゼ、竜車を止めろ」
街道を進んでいた竜車が途中で止まる。
「何かあったの? ヒラクくん?」
「ああ、少々厄介なトラップのようだ」
アーネットからの問いかけにうなずいたあと、俺は荷台から降りる。
「フレイ、ミュゼ、アーネット。おまえたちは待機」
「「はい!」」
「何があるの……? 厄介なトラップって……?」
アーネットが窓から半身を出して、俺に問いかける。
「どうやらトラップを解除すると発動するトラップのようだ」
「ソンなことまでわかるのね……」
「ああ、ステータスに全て書いてあるからな」
天網恢々によって表示されるマップには、あらゆる物が表示されてる。
トラップのステータスには状態とともに、詳細も、書かれている。
案の定、解除したら発動するタイプの罠が仕掛けられていたのだ。
俺は少し進んだ先で、しゃがみこみ、ステータスを開く。
~~~~~~
超級トラップ~異空間転移~
【状態】
未起動(※解除による発動あり)
~~~~~~
「迂回できないの?」
「アーネット……危ないから下がっていろ」
ホウキにまたがったアーネットが俺の隣にいた。
危ないというのに。
「空飛んでるから問題ないわ」
「……まあいい」
側に居れば、いざとなれば俺がカバーできる。
「空間転移トラップ……厄介ね。問答無用で別次元に飛ばされちゃう……」
「迂回はできないのですかー?」
遠くから、フレイがそう問いかけてくる。
「無理ね。ここらの領域一体にトラップが張られてるわ。横を通ろうとしても、上からまたいでいこうとしても、その領域を通ったら発動する」
さらにトラップを解除させると問答無用で、そいつを別次元に送る……か。
「どうしましょう」
「解除する」
「ちょっ!? ヒラクくん!?」
俺はトラップを解除。
その瞬間、別次元に飛ばされる……。
「ばかもう! 解除したら危ないって……!」
「大丈夫だぞ」
「えええええええええええええええ!?」
俺の無事に驚くアーネット。
ふむ。仕方あるまい。
「異空間に飛ばされたはずなのに、どうして生きてるの!?」
「簡単だ。飛ばされる瞬間、転移門を使った」
転移門は一度行ったことのある場所へと飛ぶことが可能。
俺が異空間に飛ばされた先に転移門を設置し、飛んだ瞬間に転移門をくぐった。
そして、戻ってきた次第。
「し、信じられない……どうしてそんな冷静に問題を処理できるの?」
「俺には思考を加速させるスキル、明鏡止水があるからな」
なるほど……とアーネットがつぶやく。
「事前に問題を察知できるうえ……もし問題に直面しても、超加速した思考で最善の手を考えられるとか……無敵じゃないの……」
「さすがヒラク様! すごいです!」




