64.罠も超余裕
中立魔法国家マギア・クィフへと来ている俺たち。
第一高校に潜入した俺たちは、二手に分かれて行動を開始。
ミュゼたちは捕らわれた人たちを助けに、そして俺は、この学校を支配してるやつの元へ向かう。
「敵のボスは強化魔人だけど……居場所はわかるの?」
この学校の教員である、アーネットが尋ねてくる。
ふむ……ここに居ても、敵の居場所までは把握できていないのか。
「問題ない。天網恢々には、全てが表示される。敵の居場所も問題なく映ってる」
マップ上には強化魔人が複数人いた。
「こいつが、親玉だな」
最上階にいる強化魔人を指さす。
「それは……どうしてそう思うの?」
強化魔人には名前がついていない。~号ってなってる。
アーネットも強化魔人としかわかっていないようだ(顔は知ってるみたいだが)。
そして地図上には魔人が何体もいる。
しかしどうしてこれがボスとわかるのか?
「こいつだけが、動いていないからな」
他の強化魔人たちは校内を徘徊してるが、この校長室にいる強化魔人だけは、その場から動かない。
他のものを動かしてると考えるのが妥当だ。(まあ罠を張って潜伏している可能性だけもあるが。その場合はボスより瞬殺できるだろうしな。罠を張るくらいなんだし)
「直ぐに見抜いて見せるなんて……やっぱりヒラクくんは頭良いのね」
「…………」
「なに?」
「いや、いい。いくぞ」
アーネットからは悪意を感じない。
自分から言い出さないのなら、特段、問い詰める必要も無いだろう。
さて。
俺たちは真っ直ぐに、校長室へと向かう。
第一高校は古い城のような外見、内装をしてる。
赤絨毯の敷き詰められた道を真っ直ぐに歩いて行く。
バカンッ……!
「とら……きゃあああああああ!」
ふむ、どうやらトラップが発動したようだ。
俺はスキル明鏡止水を発動させる。
時間がゆっくりと流れていくなか、状況を整理する。
歩いていたら床が割れて、そこには落とし穴が広がっていた。
眼下にはとげがいくつも並んでて居て、侵入者を串刺しにしようとしている。
教育者側が、学生相手にこんなものを用意するはずはない。
なら、ボスが仕掛けたのだろう。
俺は転移門を開く。
空中にばかっ、と開いた扉のなかに、俺たちは入る。
そして、罠の外に脱出成功。
「ぜえ……はあ……た、助かった……」
「ふむ。どうやら敵はトラップを各地にしかけてるようだな」
「そ、そうね……っていうか、ヒラクくんなんでそんなに冷静なの?」
「俺がしくじれば、全て終わりだからな」
俺が最後の希望なのだ。
ゆえに、ミスをするわけにはいかないのである。
「なるほど……だからそんな冷静なのね。凄いわ」
トラップがあろうと、俺には関係ない。
俺は先に進むことにしたのだった。
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