52.捕らわれた人たちを超余裕で助ける
俺は闇ギルドの正体が、世界トップクラスの商業ギルド、真黒商会であることを突き止めた。
真黒の受付嬢、ハラグロリーナほか、ギルドの構成員を全員捕縛した。
「くっ! 殺すがいいわ!」
「ハラグロリーナ。貴様は殺さない。利用価値がある」
【閉】を含めた、様々な情報が、この女の頭には入っているからな。
「ヒラク様、次はどういたしますか? この女から情報を引き出す感じでしょうか?」
「それは後でもいい」
すでにここの商会が黒確定となっているのだ。
情報を引き出すのは、あとでじっくりとでも問題ない。
直近でやっておくべきことは……。
「この商会に囚われている、人身売買の商品とされてる女子供たちの保護だ」
囚われている彼らをいち早く救い、不安を解消させてあげなければ。
「なるほど、さすがヒラク様! どんな時でもか弱き者の救済を最優先にする! その姿勢、立派でございます!」
ということで、囚われの女子供たちを探したのだが……。
「父上さま、大変ですみんながどこにも、いないですー!」
スキル天網恢々によると、女子供たちは、このギルドの倉庫内に収容されている、と表示されてるのだが……。
倉庫の中には、人の気配はなく、周りには荷物しかないように見えた。
「ひひひ! そう簡単にみつかるかよぉおう!」
《ハラグロリーナ:商品はすべて見つからない様、偽装が施されてんだよばーか!》
ふむ、やはり囚われた人たちは、そう簡単に見つからないように、なにか偽装を施しているようだな。
「おい腹黒女」
「ハラグロリーナ!」
「腹黒、貴様捕えた人たちに、どんな偽装を施したんだ?」
「!? な、なんで偽装してるって……?」
こいつは馬鹿か?
さすがに、俺が心を読んでるって気づくだろうと思ったのだが。
まあいい。
「さっさと言え。偽装の仕組みを」
「いうわけないでしょばーか!」
《ハラグロリーナ:馬鹿め。商品に偽装してるのよーん!》
「なるほど、この倉庫にある、商品に偽装してるのか」
「なにぃいいいいいいいい!?」
まったく、まだ俺が心を読んでいることに気づかないのか、この馬鹿女。
「なるほど、倉庫内には毛布などの商品がおいてあります。木を隠すなら森の中、人間を荷物に変えて、見つからないようにしてるのですね!」
ふむ。
そういうことだ。
「ふ、ふん! それを見抜いたところでなに!? この倉庫には、いったいどれくらいの商品が置いてあると思ってるのぉ!?」
確かに、この巨大倉庫には、ものすごいたくさんの商品が陳列されている。
マップ上には、捕らわれたの人の位置は表示されているが……。
どの積み荷に偽装されているかまでは、わからない。
まとまっておいてあるし、積んでもあるからな。
「ヒラク様、いかがいたしましょうか」
「何も問題ない。ステータス、展開」
まずは、この倉庫のステータスを開く。
~~~~~~
真黒商会 倉庫
【アイテム・一覧】
・ポーション
・
・
・
~~~~~~
場所のステータスを開くことで、こうしてこの場所に、どんなアイテムがあるのかが表示される。
そして、アイテムをタップすると、それらをゲットできる(アイテムボックスに送られる)。
俺はアイテム一覧に乗ってるアイテム、すべてをタップ。
すると、倉庫にあった無数のアイテムが、ごっそりと消え……。
「棚に回収されてない商品が置いてあります!」
「それだ。それが、偽装された人たちだ」
捕らわれた人たちの外見のみを、商品に変えてあるだけ(偽装してある)だけだ。
つまり本物のアイテムではない。
ならば、棚にある商品を全部回収して、残ったものが、偽装されたアイテム(捕らわれの人々)となる。
「ちくしょお! なんてこと……あの大量のアイテムの中から、見つけ出すなんて!」
「ふふん! これが偉大なるヒラク様の力です!」
ややあって。
毛布やらなんやら、商品に偽装された人たちを、集めてきた。
100個もあった。
これら全て、荷物にかえられた、とらわれの人たちだということ。
「この特別な偽装があるから、今まで国は、人身売買の証拠を押さえられてなかったってことなのですね!」
「それを見破ってしまう、ヒラク様は本当に凄いです!」
フレイ、ミュゼが感心してる。
だが……まだ問題は解決してない。
「ひ、ひゃはっはあ! 回収したからどうした! 元の姿に戻せないと意味がないだろぉお!?」
「! 確かに……吐きなさい!」
「いいぜえ。まあといってもなぁ、商品の受け渡し先にしか、この偽装は絶対に解けない仕組みになってるんだけどねええ!」
なるほど、絶対に解けないという優位性があるからこそ、ベラベラと種を明かした訳か。
「さーどうするぅ? ヒラク・マトー! 言っとくけど積み荷を運び出し、取引先に届けるのは別の組織に任せてるから、あたしは把握してないよぉん!」
……馬鹿が。
自分から、他の組織も関わっていると明かしてる。
絶対に解けないという安心感から、余計なことまでしゃべりよって。
「問題ない。ステータス展開」
偽装された荷物のステータスを開く。
~~~~~~
モブリン
【状態】
・偽装(超変身魔法)
~~~~~~
■超変身魔法(SS)
→生物・非生物の姿形を、自在に変えることができる。材質・肌触りも本物にかえてしまう特殊な魔法。
なるほど……
「どうやら彼らは、強力な変身の魔法をかけられているようだ」
「ひゃっははあ! そのとおーりぃ! でもどうするぅ? 解除の方法はわかっていても、解除はできないだろぉ?」
スキル、開錠を発動。
偽装状態を、解除する。
「う、あれ……?」「ここは……?」「おれたち、いったい……?」
目の前に100人の若い女子供たちが、突如として出現した。
「ば、ば、馬鹿なぁ……!? 超高度な変身魔法を! 解呪しやがっただとおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
腹黒女は驚愕の表情となる。
「強力な呪いすら解除してしまうなんて! さすがですヒラク様!」
「みんな安心してください! 勇者である父上さまが、助けにきてくださりました!」
おおお! と捕らわれていた人たちが、歓声をあげる。
「ありがとうございます、勇者様!」
「もうだめかと思ってました!」
「ありがとう……ありがとう……!」
ふむ……。
これで一応、人身売買問題は、解決したな。
「ちくしょおお……なんだよこいつ……化け物かよ……」
「化け物ではない勇者だ。さて……」
俺は腹黒女の頭を鷲づかみにして言う。
「洗いざらい、吐いてもらうぞ」
「ひぃいいいいいいい! お、お助けぇええええええ!」
腹黒女が涙を流しながら、目の前で平伏する。
「お願いします! 勇者様! たすけてください!」
「ほぅ……なぜ助けなければならぬ?」
「わたくしめは女でございます!」
……?
意味不明だ。
「まさか勇者様は女に酷いことなんてしな……ぶげぇえええええええええ!」
俺は腹黒女の顔面を思い切り殴り飛ばす。
「悪人には、容赦はせん」
「「きゃあ! かっこいいですヒラク様(父上さま)ぁ……!」」




