166.心ロック
エルフ国にきている。このダークエルフ、ダーフというらしい。
こいつには、俺の【開】によるセーフティロックをかけさせてもらった。
「くそっ! どうなってる!? 魔法が発動しねえ! ちくしょうがぁ……!」
ダーフが顔を真っ赤にして唸る。額に青筋が浮かび、脂汗がだらだらと流れていた。
必死に魔力を練ろうとしているようだが、無駄だ。
「無駄なことをしないほうが賢明だぞ。さて」
俺は無様に喚く男に興味を失い、視線を外した。
俺は受付にいた、この宿の主人のもとへ向かう。
「大事ないか?」
「は、はい……わたくしめは大丈夫です。で、ですが……」
主人は真っ青な顔で、ガタガタと震えている。歯の根が合わない音が聞こえてきそうだ。
どうしたのだろうか。敵は排除したというのに、この怯えよう。
尋常ではない。まるで、まだ喉元にナイフを突きつけられているような。
ふむ、何かあるな。敵はまだ手を残してるのだろう。
「おい貴様、ダーフといったか。この主人の関係者に何かしてるのか?」
俺は冷ややかな視線を、床に転がるダーフに向けた。
ふんっ! とダーフは口の端を歪め、小馬鹿にしたように鼻を鳴らした。
「『たしかにこの主人の女子どもを、暗黒空間に拉致監禁してるが、そんな秘密をばらす馬鹿がどこにいる?』って、な!? なぜ!?」
ダーフが自分の口を両手で押さえ、ぎょっとして目を見開いた。
勝手に口が動いたことに、我が身ながら戦慄しているようだ。
「それこそ、秘密をばらす馬鹿がどこにいる?」
俺は肩をすくめてみせた。
【開】による効果だ。
相手の心の思ってることを、強制的にオープンにもできるのである。
心の鍵穴すら、俺の前では無意味だということだ。
【おしらせ】
※12/24
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