128.蜃気楼
目の前には凍りついてるイリーナ。
カノジョが攻撃した相手は、俺が氷で作ったデコイだ。
俺たちの戦闘を見ていたアーネストが、首をかしげながら尋ねる。
「さすがに氷の人形と、生身の人間は間違えないと思うけど」
アーネストの言うとおり。
俺の作ったデコイは氷人形。
一発でバレるはず。
「こまかい氷の破片を周囲に飛ばし、光を屈折させることで、蜃気楼を作り出したんだ」
「蜃気楼……」
つまり、氷でデコイを作る。
デコイの後に俺が回る。
蜃気楼を発生させ、あたかも俺がデコイの前にいるように見せる。
「あとは氷人形にイリーナが攻撃を加えた瞬間、触れた部分から相手を凍らせたってわけだ」
「そんな器用なマネまでできるなんて……すごいわねヒラクくん……」
今回の作戦はかなり危ない橋を渡っていた。
氷で蜃気楼を作るには、かなり技術力の必要とされる。
俺ひとりでは多分失敗していただろう。
氷の聖剣レーヴァテインと心を通わせ、彼女と協力することが出来たからこそ……作戦が成功したのだ。
「ありがとうな、レヴァ」
『わははは! お安いご用じゃ!』
【★☆読者の皆様へ 大切なお知らせです☆★】
先日の短編が好評ったので、連載版スタートしました!
『【連載版】大魔導士は田舎でのんびり人生を謳歌する~「おっさんは必要ねえんだよ」と勇者パーティを追放された俺、実は仲間にレベルを奪われてただけだった。呪いが解けて弱体化したみたいだが俺にはもう関係ない』
広告下↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!
リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。
https://ncode.syosetu.com/n1573ip/




